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手紙のかわりに本を贈る
大事な人が
一人で泣いていた。
心が辛くて
理由もわからず
涙が出るという。
何と言えば良いか、言葉に詰まる。
嫌なことあった?
それとも、寂しくて?
…分からない。
嫌なことはされてないの。
寂しい、のかなぁ。
職場で、なぜか悲しくなって
一人で泣いてしまった…。
彼女の答えに、自分にもわからない涙があるのかと、沈黙する。
普段、弱さを見せない人が言うってことは、
結構、しんどいのかもしれない。
母が、以前こう言った。
「あんたには、分からないよ。身内を亡くした人の寂しさは、同じ経験をした人じゃないと、分からないよ」
そうなんだろう。
私は、まだ経験してない寂しさ。
きっと私が下手な慰めをするより、専門家にケアしてもらう方が、いいのだろうとも思う。
けど、私だって、伝えたいことはある。
だから、その気持ちを
本に込めて、贈ることにした。
贈りたい本を探して本屋をしばらく歩くと、パッとタイトルが目に飛び込んできた。
『きみのそばに いるよ』
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見本が置いてあり、パラパラと中身を読んだ。
涙が出そうになった。
私が伝えたい言葉がそこにあったから。
……いままで ずっと
がんばって きたんだね。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/115602629/picture_pc_b769a4d3c5ea14893ce2e6a93ed65549.png?width=800)
好きなページを音読してみた。
絵本の最後のページに3行ほどメッセージが書けるスペースがあった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/115598362/picture_pc_72451f57d8645364db1a994d2aa8dae6.png?width=800)
こんなのは、夜書いて、読み返さず
さっさと送るのが、良いと思う。
恥ずかしくなるから。
どうか、心がホッとする時間になりますように。
P.S.》
彼女から返信が来た。
“生きてみようと思った!”
そっかぁ。
良かった…ぁ🤲
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