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日記2

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#創作

新しい釣り竿を買った

新しい釣り竿を買った

 新しい釣り竿を買った。釣りなんて久方ぶりに言っていないけど、釣具屋に掲げられたセール中の文字を眺めているとなぜだか新しい釣り竿が欲しくなり、いつの間にか購入していた。高くない買い物であった。
 買った釣り竿は延べ竿という、シマノのリルもガイドも付いていない竹かカーボンで作ったような一本の棒。その棒の先端に糸・ラインを括り付け、目的地に向かってオリャっと投げるだけの簡単な釣り竿である。そういった竿

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ティファニーで朝食を食え

ティファニーで朝食を食え

 諸兄諸姉らは知らないと思うが、ティファニーで食う朝食は本当に美味い。この世の極楽とも言える程に味わい深い食事はこの世でそうそう食えるものではなく、選ばれし人間にしか食べることが出来ないのだ。して、私はこの朝食を食べたことが有る。ということは?つまり?私は?選ばれた人間?いっやー、まいったまいった。私も遂にこの高みまで上り詰めることが出来たっつーわけなんですよ。いやはや、自慢でもなんでもないんです

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チョコレートのお城

チョコレートのお城

 チョコレートのお城というのが話題になっているらしい。それはなんだなんだと調べてみると、明治のチョコレート・お菓子を使い荘厳なお城を作ったというニュースだった。すごいなぁ、なんつか根気があるなぁと感嘆を覚えながら眺めていたのだが、なぜだろうか悲しい気持ちが芽生えたのだ。
 なぜ悲しくなったのか。それは、きのこの山というお菓子がものすごく蔑ろにされていたからだ。世間ではきのこの山とたけのこの里を対立

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偽史琉球伝 護佐丸・阿麻和利の乱

偽史琉球伝 護佐丸・阿麻和利の乱

 阿麻和利という男がいた。僕が生まれる何年も前に収めている勝連という土地の栄華を極めたものすごい男の一人である。その阿麻和利がどのぐらいすごいのかと言うと、現在でも阿麻和利という名を現代の勝連で言おうものなら、彼の功績を称える声が止むことはなくなり果ては宴会まで催されることになる。また、彼の功績を後世に残すため現代版組踊と言った踊り舞台が組織されるほど、ものすごい人気を誇っているのである。
 その

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服飾に装いきった婿たちが並んで歩く

服飾に装いきった婿たちが並んで歩く

 二十代にサボっていたことの一つとしてファッションがある。サボっていた理由として、そんなに興味がなかったことや、服飾にかまけている金銭的余裕がなかったことが挙げられる。兎にも角にも、金がなかった。金が無いなら無いで工夫するという、帝国主義も真っ青になるほどの努力をするべきであったのだろうが、如何せん興味もないので露ほども何かをすることはなかった。
 二十代の僕の装いは酷いもので、とりあへずバンドの

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秩序があり終わりあるカオス

秩序があり終わりあるカオス

 「カオスなものが好きなんでしょ?」という指摘をもらって、本当にカオスなものが好きなのか考えてみた。
 カオスなもの。混沌。無秩序。その言葉だけで思い浮かべるものを探ってみたがあまり思い浮かばない。カオスという括りが大きすぎるのだろうか。であれば、更に焦点を絞って考えてみる。
 カオスは日本語にすると混沌・無秩序と表される。この言葉通り、カオスは秩序が取れていない状態を指す。果たして、そういう状態

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偽史琉球伝 コンビーフ丼編

偽史琉球伝 コンビーフ丼編

先日、何の変哲もない食堂でコンビーフ丼なるものを食べた(図1)。平皿にご飯を盛り付け、白米の上に炒めたコンビーフハッシュをこれでもかと敷き詰め、横には半熟の目玉焼きを添える。この姿に、家庭的な粗暴さも覚えつつも、炒めたコンビーフがいい塩梅で白米と合い、いつの間にか全て食べつくしていた。美味かった。沖縄らしい良い意味で雑な料理だなと思いつつも、どうやらこの料理にはそれなりの背景があるという。した

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