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マシュマロ
2021年5月26日 04:30
心が水没して苦しい夜にそっと拾いあげてくれたあなた潜水夫のような軽やかさで私を掬い、たゆたう体を砂の上へ運んでくれた蒸発してゆく水滴を傍目で眺める幸せはまるで違う発音を奏でるあなたと共にあった雨が反芻して苦しい日には毛穴から入り込もうとする水分を拭い、温めてくれた何も奏でようとせず、ただひたすら寄り添ってくれた次は私の番だから手始めに傘をさそうあなたを染めて日にかざそう
2021年5月28日 05:18
夜空に星を見つけよう喉に流れこむ寒気によろけながら仰け反るとからだをやすやすと包み込む巨大な夜空が黒の中に散らばる点を数えながら余白を思うあなたと眺めた星空の大きさはこれと比べてどうだったか大きくなりすぎた自己を解放するような輝く点は自分を忘れてしまった頃に届く便りのようで日に焼けしまったアルバムの写真を捲る手が止まる夜空をつかまえてあなたへ還る頬に触れた指も冷たく凍えそ
2021年4月29日 03:41
ふわりと夢をみるふわりふわりと夢をみるあなたは夢に出てこないおかしいまだ寝てないのかしら意識がそこに向かないの?遠くに飛ばした風船を取りに行くのとあなたが言った細い手首のあなたならそのまま浮いて帰れるとくるりと宙を舞うくるりくるりと立ち泳ぐ黒くて長いあなたの髪がぐるんぐるんと渦をまく目が覚めたら常に一緒ゆらりゆらりと戯れる