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文芸寄せ集め

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自分の記事の中から詩と掌編小説を寄せ集めました。
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#眠れない夜に

詩)l'eau

詩)l'eau

心が水没して苦しい夜に
そっと拾いあげてくれたあなた
潜水夫のような軽やかさで私を掬い、
たゆたう体を砂の上へ運んでくれた

蒸発してゆく水滴を傍目で眺める幸せは
まるで違う発音を奏でるあなたと共にあった

雨が反芻して苦しい日には
毛穴から入り込もうとする水分を拭い、温めてくれた
何も奏でようとせず、ただひたすら寄り添ってくれた

次は私の番だから
手始めに傘をさそう
あなたを染めて日にかざそう

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詩)あの夜空を

詩)あの夜空を

夜空に星を見つけよう

喉に流れこむ寒気によろけながら仰け反ると
からだをやすやすと包み込む巨大な夜空が

黒の中に散らばる点を数えながら余白を思う
あなたと眺めた星空の大きさはこれと比べてどうだったか

大きくなりすぎた自己を解放するような輝く点は
自分を忘れてしまった頃に届く便りのようで
日に焼けしまったアルバムの写真を捲る手が止まる

夜空をつかまえてあなたへ還る
頬に触れた指も冷たく凍えそ

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詩)ふわりと夢を

詩)ふわりと夢を

ふわりと夢をみる
ふわりふわりと夢をみる

あなたは夢に出てこない
おかしいまだ寝てないのかしら
意識がそこに向かないの?

遠くに飛ばした風船を
取りに行くのとあなたが言った
細い手首のあなたなら
そのまま浮いて帰れると

くるりと宙を舞う
くるりくるりと立ち泳ぐ

黒くて長いあなたの髪が
ぐるんぐるんと渦をまく

目が覚めたら常に一緒
ゆらりゆらりと戯れる