詩)あの夜空を
夜空に星を見つけよう
喉に流れこむ寒気によろけながら仰け反ると
からだをやすやすと包み込む巨大な夜空が
黒の中に散らばる点を数えながら余白を思う
あなたと眺めた星空の大きさはこれと比べてどうだったか
大きくなりすぎた自己を解放するような輝く点は
自分を忘れてしまった頃に届く便りのようで
日に焼けしまったアルバムの写真を捲る手が止まる
夜空をつかまえてあなたへ還る
頬に触れた指も冷たく凍えそうな夜は
広がる空に星をばらまく
あなたが寂しくないように
夜空に星を眺めればただの塊である自分が
白い息とともにあなたに繋がってゆく
あの夜空に星を見つけて瞳にとどまらせて
あなたと眺めた時へ還る
輝きと共に生きてゆくと決めた一生の
ほんの少しの時間を想う
切り取ったアルバムは手に入ったか
どこかで生きるあなたを想う
見上げれば今夜も夜空に星が
ガウンを広げてこの胸に抱く
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