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一瞬で要点をつかむ「脳内整理法」

一瞬で要点をつかむことができれば仕事が効率化するなぁと思っても、情報洪水の現代では容易ではありません。

情報収集や人の話を聴く「インプット」において、報連相・プレゼンやメールなど「アウトプット」において、要点を一瞬でつかみたい場面は仕事で複数あるにもかかわらずです。

いったいどうすれば一瞬で要点がつかめるようになるのか。つきつめると3つの切り口だけでできるのではないか。そんな仮説からはじまった「脳内整理術」による要点のつかみ方は実証を続け早10年。今回は、noteにもまとめてみました。

これは先日、スクーというネット番組でご披露した内容のダイジェストレポートになります。

1.要点をつかむコツは「3S」にあり

あなたのインプットおよびアウトプットの時のお悩み、課題はなんですか?質問をすると、共通の課題が見えてきます。

インプットであれば、すべてを記録してしまう。情報が多すぎて消化不良に陥るというものです。アウトプットでは、話が長くなってしまう。補足情報を入れすぎてしまい、相手にまわりくどく伝わってしまうことなどが挙げられます。

そこで、イン/アウトを問わず、要点を短時間でつかむために3つの整理の型をおすすめします。それが「3S」です。

3Sとは、「Short」「Simple」「Straight」の頭文字をとったものです。

どんな情報やコミュニケーションもこの3つを使いこなすことさえできれば、要点がつかみやすくなります。まずは、それぞれの使い方を知ると同時に、自分の仕事に置き換えて整理をしてみましょう。

2.(その一)Shortの法則

「情報や話を短く、端的にすると効果的」というのはご存知の方も多いことでしょう。インプットの時は、すべてメモに取っている時間がないため時間短縮の効果があります。アウトプットの時は、聴き手や読み手に負担をかけずに強く伝えることができます。

理屈では分かっていても、簡単にはいかないと嘆く人もいることでしょう。
実際に、脳内はノイズだらけだからです。脳の中では無意識のうちに「とりあえず〇〇」「いつか〇〇」「もっと〇〇」のようにささやいているはずです。

そこで、脳内のささやきを、Shortに整理するための”脳内口ぐせ”に変えていくことから始めてみましょう。

短くするためには、口ぐせを変えるだけで短くしようという意識のスイッチが入ります。情報や会話において、いつも枕詞に「ザックリ言うと〇〇」「要するに〇〇」「ひとことで言うと〇〇」とつけて脳内整理につとめるのです。

考えてみると、短くても瞬時に要点が分かり強く伝えることができるものは、みな短く、たいてい20文字以内です。

私が一番好きな「Short」の事例は、初代iPod発売時のアップル社の商品説明の例です。初代iPodの主な特徴は4つあったのですが、そのままの説明ではIT通かアップルファンにしか伝わらなかったことでしょう。

そこで、短く言い換えることで(アウトプット)、世界中の人が要点を強く理解(インプット)できるようになりました。

iPodは1000曲をポケット入れて運べる商品。

このように、20文字前後に短くすることで、多くの情報の要点がつかめるようになります。

3.(その二)Simpleの法則**

「Simple」化するとは、自分なりに「要点を分かりやすく・覚えやすい」表現に置き換えることを指します。

特に仕事の情報は、難しく複雑な話がよく出てきます。そのままインプットすると「これはどういう意味だろう?」と要点に霧がかかって見えにくくなることもあるでしょう。そこで、言葉の置き換えをすることで、要点をイメージしやすくします。

Simpe化(言葉の置き換えによる脳内整理)の例として、3つの事例をご紹介します。

先ほどiPodの例をお話しました。のちにアップルはiPod shuffleという小型商品を発売しました。その際には、「サイズが従来比〇%ダウンした」、「サイズは〇cmです」といったところで、商品の要点はつかみにくいリスクがありました。そこでアップル社は、その大きさを「チューインガム」という言葉に置き換え要点が強く伝わるようにしたのです。

また、研修業を行う私は、クライアントに「社員を研修で変えて欲しい」と依頼される日常です。ただ、現実的にすぐに人の意識や行動は変わりません。かといって、それを伝えてもクライアントは納得しませんので、「研修効果は”漢方薬”みたいなものです。」と伝えることで理解を深めてもらっています。(その心は、漢方薬のように研修効果は徐々に出てくるものという意味)

お金面で苦しく、厳しい状況であれば、「火の車」「自転車操業」「底なし沼」など別の慣用句や四字熟語などに置き換えれば要点が整理しやすくなります。

これを考えると、食レポの彦摩呂さんは要点を一瞬でつかんで表現する天才ですね。三色の海鮮どんぶりを見て「宝石箱」とたとえて要点を一瞬でつかむわけですから。

4.(その三)Straightの法則**

多忙な私たちが、一瞬で要点をつかむには日本語の良し悪しを知っておく必要もありそうです。

日本語は描写を細かくする効果や相手に配慮して丁寧に伝える利点や良さがあります。その反面、まわりくどくインプットもアウトプットも頭のゴチャゴチャを招くリスクもあります。

そこで、常にストレートに表現するクセをつけて脳内をスッキリさせていきます。

ここで問題です。以下の文章をストレートに表現するとどのように添削することができますか?

部長が、仕事があるのにスマホで暇つぶししている部下を叱った。

添削後 ↓

部長が部下を叱った。仕事があるのにスマホで暇つぶしをしているからだ。

結局、何が一番言いたかったのかをストレートに解釈し、伝えるってこういうことなんです。

アウトプットの時は、ストレートに表現すると相手の感情を害してしまう可能性があるため、言葉づかいには注意が必要です。ただ、要点だけはムダをそぎ落としておく必要があります。

方法論で言えば、英語の文法に日本語を当てはめるイメージが分かりやすいのではないでしょうか。英語の場合、言いたいことの中心を先に伝え、付属情報は後に回しますよね。日本語は起承転結という言葉があるように、言いたいことが最後に来ることが多いものです。

それでは、ストレートにインプットし、アウトプットするためにはどうしたらよいのか。それは2つの言葉を頭にインストールし、自問自答するクセを身につけることをおすすめします。

結局、「誰が、何をしたのか」「何が、どうしたのか」という自問自答の言葉を頭の中のフィルターとして持っておくことが鍵を握るのです。

5.まとめ

私たちは、大量の情報に触れながら、また複雑な社会に生きています。このまま放っておくと、常に頭の中がゴチャゴチャするリスクが伴います。

仕事でインプットするとき、頭のゴチャゴチャは情報収集において足かせがはまってしまいます。アウトプットするとき、頭のゴチャゴチャはムダに時間を食う割には相手に何も伝わらないということになりかねません。

今回お話したように、「3S」のフィルタを頭の中に設けることで脳内整理を加速し、より効率よく、そして頭のゴチャゴチャから解放されることを願ってやみません。

※今回お話した内容を「ネコっちさん」がグラフィックレコーディング(グラレコ)で整理してくれていますので、ぜひご参照ください。

何かのお役に立てば幸いです。

著者・思考の整理家 鈴木 進介

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