見出し画像

私が占い師になったワケ(闘病記⑬特定疾患診断書 身体障害者診断書 27歳)

2005年6月17日。
病名 ベーチェット病。足部骨病変の為、歩行困難と書かれている特定診断の診断書が出てきた。

それと同時日に「現在、ショパール関節の変形により、リスブラン関節は骨性にゆ合している。その結果、股、膝、足の筋力が半減しており、下肢機能障害6級」と認定された書類も出てきた。

私にベーチェット病の診断書を書いた主治医はもうこの世にいないが、身体障害者手帳発行に伴い、この診断書を書いた医師はまだ生きている。

握力測定や階段の上り下りなど、一通りの検査を終えて、整形外科の診察室へ入ると、診断書を書き終えたばかりの医師がいて、私に一言。

「君が障害者なら僕達もみんな障害者になっちゃうよ。できればこの申請を取り消してもらえないかな」と言った。

私が住んでいる地域では結構有名な先生なので、大学病院のドクハラに引き続き、自分の耳を疑った。

確かにその当時の私は障害者雇用でも採用されないくらい「障害者」と言うよりは「ただの難病患者」に近かったのかもしれない。

当時の日記には「私はこの日を境にこの医者とは二度と口を利かないことにした」と綴られている。

だがしかしあれから20年後。

難病のルールなどが改正されるに伴い、何度か小さな整形外科へ行くように紹介状を書いてもらったのだが。

(大きな病院では急性期の患者が優先となる為)

ことどく紹介されたクリニックが変な病院が多く。

もうすでに特定疾患の上限金額を支払っているのにも関わらず「鈴木さんが診察料金を踏み倒そうとしている」など、疑いを掛けられたりして。

散々な目にあったので、そのことを大きな病院へ告げると「せっかく難病扱いで病院を受診できるのに3割負担で整形外科を受診しているなんて本当に可哀そう」と看護師さんが同情をしてくれた。

もちろん今思えば、小さな病院も特定疾患のルール改正に伴い、難病患者があまり通っていない為、ルールを把握していなかっただけかもしれない。

でも、1つの病院は、1回の診察でレントゲン写真を11枚も撮り、私に1万円以上の診察料金を請求してきた。

悪徳としか言いようがない。

挙句の果てには「自分の診察方針に従えないのであれば二度と受診するな」と言い放った。

もちろんあからさまに受付に大きな神棚が祀ってあり、これみよがしに「商売繁盛」を謳っている病院など、二度と受診するつもりはないが。

リウマチ内科の主治医にこのことを話したら、「せっかくだからもう1度、同じ病院の整形外科を受診できるようにしてもらえば」と言って来たので、私はあのとき。

身体障害者手帳に必要な診断書を書いてもらったときに思い切り嫌な思いをしたので、もう2度と口を利きたくないと思っていたが、優しい看護師さんのはからいもあり、もう1度だけ。

チャレンジしてみることにした。

看護師さんはまだ若そうだったので、20年前の出来事を話したら、とても驚いていたが。

いくら病院の建物が新しくなっても、人の中身と言うものは変わらないもので。

診察室へ入ると、先ほど撮ったレントゲン写真には一切目を通さず。

何故か2005年に撮ったレントゲン写真を見て、患者である私とは一切目を合わさずに「あなたの痛みはあなたの個性だからね」と言った。

これには診察室の奥で一緒に話を聞いてくれた看護師さんも目が点だった。

「だから言ったじゃん」と私は首をすくめてみせたが、すぐさまリウマチ内科へ行き、このことを主治医に告げると「僕が言うのもなんですが、なかなかエキセントリックな先生ですね。もう1度、この病院へ通えるように僕が言ったのが原因ですが、2度とこの先生を受診しなくて良いと思います」と言われた。

それ以来、私は整形外科を受診する際、難病(特定疾患)の手帳は持っていても、使っていない。

国保の3割負担は大きいが、2割負担で嫌な思いをするのであれば、3割負担で良医に診てもらった方が良いと言うのが私の方針だ。

まさに名医より良医である。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?