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【生きづらいと感じている全ての人へ。連載②】普通

『普通』

私はずっと普通になりたいと思っていた。
言い換えると、幼い頃から自分は普通ではない事を自覚していたし、普通に見えるように振る舞う事に精一杯だった。これは決して、被害妄想なんて事は無く、これまでの人生で周囲の人と自分とを冷静に比較し続けてきた自分なりの統計結果である。それに、恐らく普通の人は普通の人を装う事なんてしないと思う。

では、普通とは何か。というありきたりな問いに、私はこれにも経験上から導き出した明確な答えがいくつかある。

・おどおどしていない
・何かと決断できる
・ここぞという所で最悪の判断を避けられる
・自由で自分中心
・いちいち深く考えない
・あっさりしていてしつこくない
・こんな事を考えず、もっと人生に必要な事を考えている

こんな感じだ。つまり、私は私の考える普通の人とは逆の事をしてしまい、人と接する中でこれらの事が足を引っ張って上手にコミュニケーションが取れないのだ。

そんな私も、30代になり、結婚し、子供の2文字が現実的になってきた。そのため、最近の心配事というと、普通の夫と普通じゃない私が子供を産んだら、どっちの特性が強い子供ができるんだろう。まず、自分の事で精一杯の私が子育てできるのだろうか。という事ばかり。
ああ、なんで普通の人として生まれてこなかったのだろう。一難去ってまた一難。周囲から生き方を学んで、復習して実践して、自分の物にして。それでも問題ごとは次から次へとやってきて、これが永遠に続く気がする。果てしなくて頭がくらくらする。

ああ、もうどうでもいいや。
とりあえず目の前の事を頑張ろう。
そのために今はコーヒーと小説に癒されよう。
そして、2ページ目から進んでいなかった小説をまた読み始める。


(つづく)


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