ひじり

お話が好き。 特に小説、お芝居!!宝塚歌劇団!! 備忘録。 好きな世界ががたくさんの人…

ひじり

お話が好き。 特に小説、お芝居!!宝塚歌劇団!! 備忘録。 好きな世界ががたくさんの人に繋がりますように…

最近の記事

『余命99日の僕が、死の見える君と出会った話』感想

『自分がいつ死ぬか、知りたいと思う?』 どちらも人の死が見える。僕は余命が、彼女は死期が、という面白い展開から始まるお話。 余命が見える僕に訪れた僕の余命。余命が見えるからといって救える命などないと痛感している僕にはその死を受けいれるしかなかった。最悪なことに僕の親友にも訪れた余命。そんなときに人の死を救いたいと現れた彼女。彼女と僕とで人の死を変えようと言い出す彼女。 彼女と出会い、親友の余命を前に、僕の余命が近づいていくなかで僕が歩んだ結末にしみじみとしました。 『

    • 『今夜、世界からこの涙が消えても』感想

      「今夜、世界からこの恋が消えても」のスピンオフ作品。彼女と彼を見守る友人Aのお話。 本作から、だろうな…思っていた友人A、泉ちゃんの気持ち。彼女が抱えていた悩み、迷い。彼女は作品のなかで一番強く、優しい人であった。 彼女に告白してきた年下の後輩による告白から始まる。“私を本気で好きにならないこと”から始まる恋人ごっこ。 この作品は本作で語られることない世界も見られる。記憶をなくしてしまう彼女と友人Aの泉ちゃんしか知らない世界。彼と泉ちゃんしか知らない世界も。そして、泉ち

      • 『今夜、世界からこの恋が消えても』感想

        一度眠るとその日の記憶をなくしてしまう彼女。そんな彼女に仕掛けた嘘の告白から始まる恋物語。よくあるパターンの始まり。だが、どの作品よりもあたたかく優しいお話でした。 彼女と出会ったことで変わっていく彼、そして彼によって変わっていく彼女。 一度しかない時間。それは誰にでもある時間。 そして、思い出を紡ぐ彼と未来を作る彼女。 当たり前のことが当たり前でない二人の世界は互いに思いやり、愛あふれる世界。 そして、衝撃的な展開が訪れる。愛する人のために……それでいいのかともや

        • 『鏡の孤城』感想

          不登校になってしまったこころ。同じような子どもたちが集められた城。城に隠された鍵を見つけたら願いを一つ叶えてくれる。 そんなふうに始まったお話。 オズの魔法使い、シンデレラ城、ナルニア国物語、不思議の国のアリス、オオカミさまに赤ずきんちゃん… 幼い頃に連れて行ってくれた作品たち。幻想するには十分すぎる説明だ。これから始まる話に期待を膨らませページをめくる。あっという間に読み終わり下の本(二幕)にうつる。 始まった話はパラレルワールド。少しの恐怖を覚えながらめくるページ

        『余命99日の僕が、死の見える君と出会った話』感想

          花組公演「巡礼の年」

          今回のお話。一冊の本を読んだ。そんな感覚に陥りました。色々場面が変わり、いろいろな人の目線が入る。幕が下りた時、裏表紙がパタンと閉じた音が心の中で聞こえました。そんな風に感じました。個人的にはとても面白いお話でした。そして何より歌が、音楽がとてもいい。好きでした。 ジョルジュ・サンドキラキラピアスのサンド様 指輪たくさんのサンド様 足を組んで座っているサンド様 タバコを持つサンド様 タバコをくわえるサンド様 ポケットに手を入れてるサンド様 壁にもたれかかるサンド様 足を机の

          花組公演「巡礼の年」

          ガイズアンドドールズ6月18日夜公演感想

          ガイズアンドドールズを観に行きました!! 初東上!初一人旅!開幕!! なにの知識もなく、ネタバレを避けながら、やってきました!帝国劇場!! 床がフワフワ、素敵なロビー、踏み入れた劇場は広々していて、とても観やすい!! さて、本題へ。と言っても最初で最後の一回観劇。あまり何も感じす見てたのでぼやーっと… 映像から始まったお話。出演者の名前がでてきて…あぁ、これから始まるんだ。名前がある。やっと出会えるんだ。どんなお話か知らず。ワクワクとドキドキで始まる。あっという間に一

          ガイズアンドドールズ6月18日夜公演感想

          メリー・ポピンズ 観劇感想

          梅田芸術劇場、6月2日、17時公演 お席は5列目。学生にはチケット代が高いお席だが色々たまりかねていたので奮発して買ったチケット。5列目、近いよね。と、久しぶりにとことんおしゃれをしていざ入場。 まぁ、13列目あたりで足が動かなく。え、私この先行くんだね。え、進み、、、え、オーケストラボックスあるじゃん ということで、、、、5列目が2列目となりました。2列目、人が1人前にいてその次の席、、、むっちゃ近いじゃん!!! と幸せに浸りながらパンフレットを読み込んだ。 メリー・

          メリー・ポピンズ 観劇感想

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーまとめ-

          台詞 「私から大切なひとを奪った」 一幕はじめの母さんの台詞。事実がわかるのは二幕に入ってから…そこでこのセリフが来るとはね。母さんやりよる。 「何か大切なものを忘れておる…」 ジャコブさんのこのセリフがラスト姉さんの 「それだけではなかった」 に繋がるんだよね。 シルヴァンの「あんなやつ気にするな」「そろそろ仕掛けようぜ」、そしてヴァランタン。 この二人の関係はポーの一族のアランとエドガーみたいでとても面白い。きっとシルヴァンはアランと同じでヴァランタンがエ

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーまとめ-

          花組公演「冬霞の巴里」感想ー地上と冥界-

          「きっと冥界も地上と変わらない」 「地上に上がれない。一人では寂しいから人間を引き込むんだ」 地上と冥界を意識し、人間とセイレーンに分けて、みる。 一幕はじめ オクターヴは人間、姉さんも人間、ヴァランタンはセイレーン。 オクターヴ登場からのアンブル登場。オクターヴは姉さんに手を伸ばしている。憎しみの傷を抱いた手を伸ばし姉さんを求めている。そこにヴァランタン登場。ヴァランタンはその手を取り上げる。オクターヴを姉さんから離す。冥界に誘う。 プロローグおわり オクター

          花組公演「冬霞の巴里」感想ー地上と冥界-

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーオクターヴとヴァランタン-

          オクターヴとヴァランタン 私はオクターヴに覚悟を与え、冥界へと連れて行ったヴァランタンがちと憎い。 ヴァランタンファン側からはヴァランタンを殺したオクターヴがちと憎い。 オクターヴ側とヴァランタン側と視点を変えたらこんなにも変わる。 ヴァランタンとオクターヴの過去を考える。   きっとヴァランタンのお父さんが殺されたときと、オーギュストが殺されたとき、同時期あたりであったのだろうと思う。同じ子供のころ、同じ時期に、同じ憎しみを抱いた二人。同じ復讐心を持ち孤独と共に生き

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーオクターヴとヴァランタン-

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーオクターヴ編-

          オクターヴ私がこのオクターヴを観て感じたことは 怖い だった。 あの人が何を観せようとしたのかがわからない。考えれば考えるほどいろんなオクターヴが見える。きっとひとこさんは、こう!と決めて演じていないと思う。決めてたこともあるはず、伝えたいこともあるはず、だけど、大部分は観客に解釈を委ねたのだろう…  わからない何もわからない。 わからないが怖い。答えがないのが怖い。 考え歩きいろんなオクターヴに出逢い、彷徨い、ふと見たげたらそこは深い霧。呆然としているとだんだん

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーオクターヴ編-

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーアンブル編-

          アンブル アンブルのお芝居はすべてを覆す。私が初めて冬霞を観たとき、なにが誰がどう考えどう思ってるかまったく分からなかった。言葉にできなかった。アンブルがいたからこそ私はこの作品に踏み入れられた。そんな気がする。 アンブルのお芝居も大好きだ。 まず、冒頭、影絵の話から。オクターヴの憎しみの持ち方はじわじわゆっくりであったのに対してアンブルはグサッと刺さる感じであった。 きっとこの時から二人は二つで一つになったのだろう。 登場シーンから彼女は溢れんばかりの憎しみを抱いて

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーアンブル編-

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーヴァランタン編-

          ヴァランタン ヴァランタンは衝撃的すぎました。白い薔薇の精があんな悪党に… ヴァランタンの本心ヴァランタンはよく「本心に従うと命取りになる」と言っている。 では、彼の本心はどこにあるのか? 私は彼の言葉の裏が本心であると考える。 彼のセリフはかっこよく、一匹オオカミみたいに感じるがもしかすると全て反対なのではないのか。彼は本心に従わないように逆の台詞にとりつかれているのではないか。 「やられたらやり返す」 「お前らがやらなかったら俺がやる」 そんなことを言いな

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーヴァランタン編-

          花組公演 「冬霞の巴里」ーモーリス-

          モーリスこの人はお芝居が好きな人だと感じた。だってモーリスのお芝居はほんとに細かくて観ていてとても面白いのだから。 少年シャルルの「悪党になるんだ」という台詞からのお芝居はもちろんのこと、オクターヴの家にエルミーヌを連れてきたあの場面。モーリスはちゃんと潜入捜査している。初日近くはあからさまにしっかりと、楽に近づくにつれてどんどん細かく、観客の私たちにもわからないように…とても面白い。焼き栗売りの場面も興味深いお芝居をする。ここはオクターヴに夢中であったのでまた観て、考えて

          花組公演 「冬霞の巴里」ーモーリス-

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーミッシェルとエルミーヌ編-

          ミッシェル オクターヴを観ているとミッシェルが映り込んでくる。ミッシェルは真正面から私たちに向かってくる。 ミッシェルはすべてを知っていたのではないのか。オクターヴがすること、ギョーム達の罪。それらは知らなくても、オクターヴの心の中は見えていたのではないのかな。 ミッシェルがオクターヴに向ける目、オクターヴにかける言葉。 無力だけど、何もできないけど、この世界は素晴らしいと、この世界にも救いがあると伝えようとしていたのではないのか。 ミッシェルの優しい目、声。好きで

          花組公演「冬霞の巴里」感想ーミッシェルとエルミーヌ編-

          宝塚花組公演「元禄バロックロック」感想クラノスケ編

          クラノスケ復讐についてクラノスケの復讐のシーンが一番好きである。 まず、目。復讐を語るときに生まれる、あの生き生きとした目が好きである。まっすぐ前を向き、きらきらと揺らぐことない瞳。さすが復讐のプロ。 次に、声。「ヤスベエ」と呼ぶあの声は低く素晴らしいのだが、驚いたのはその前の復讐を語る声。少し抑揚のついた声。まさに声の魔術。どこであんな技を身に付けたのか。もう一度聴いてみたい。 この声の違いに感じたのは宝塚大劇場千秋楽近くであった。VISAの配信でひとこさんは話し方、

          宝塚花組公演「元禄バロックロック」感想クラノスケ編