メリー・ポピンズ 観劇感想

梅田芸術劇場、6月2日、17時公演
お席は5列目。学生にはチケット代が高いお席だが色々たまりかねていたので奮発して買ったチケット。5列目、近いよね。と、久しぶりにとことんおしゃれをしていざ入場。

まぁ、13列目あたりで足が動かなく。え、私この先行くんだね。え、進み、、、え、オーケストラボックスあるじゃん
ということで、、、、5列目が2列目となりました。2列目、人が1人前にいてその次の席、、、むっちゃ近いじゃん!!!

と幸せに浸りながらパンフレットを読み込んだ。

メリー・ポピンズ
一回も見たことなないお話。女の人が傘をもって降りてくる。そのイメージだけ。子供が出てきてメリー・ポピンズは家庭教師らしい。

配役を確認。濱田めぐみさん。一度見てみたかったお方のお芝居。ポーの一族に出ていた方もいる。笑う男に出ていた方も。そして、これから観に行くと決めているキングアーサに出演なさる方もいるのか。

開演五分前。携帯の電源を落とし緊張に走る時間。さて、どんなお話に連れて行ってくれるのか。このゾクゾク感がたまらない。

幕が上がる。煙突から煙突掃除屋さんが出てきた。彼がバートだ。そして、やんちゃすぎる子供たち。この子たちの子守りとしてメリー・ポピンズが来るのだろうか。

そして、場面は子供たちのお家。バンクス一家へ。家が出てきたんだよ。家が。そして、屋根までついてる家が開く。まるで、おもちゃの家みたいな造りで面白い。

やんちゃすぎる子供たちに手を焼いた子守り達が次々とやめていった。そんな場面。いたずらを仕掛ける子供たち、女優であったことを忘れられない母親になりきれていない母、王様の父。料理人兼家政婦のミセス・ブリルに何もできないロバートソン・アイ。なんとまぁ、へんてこりんの集まり家族。面白い。そんな風に感じていると、突然新しい子守りが、メリー・ポピンズが、舞台の中央に。え、どうやって、出てきた?見えなかった。凄い。

メリーポピンズはあまり癖がないみたい。話し方も、動きも普通。時々ふと癖が見えるが、大半は普通の子守りみたいだ。なんて、思ってたのだけど。

場面は変わり子供たちの寝室へ。ここは屋根が降りてくる。しかも、屋根裏部屋みたいな屋根が、凄い。

そして、メリーポピンズが歌い出す。【♪何もかもパーフェクト♪】なんだかパーフェクトな歌。それよりもびっくりしたのがある。メリー・ポピンズの鞄だ。なにが出てくるって、帽子掛け、植木鉢、時計、鏡、、、、何この鞄。魔法の鞄。何でも出てくる。そう、そうなのだ。メリー・ポピンズは魔法使いであったのだ。魔法使いの子守り。なんだかわくわくする。

場面は変わり、公園の登場だ。煙突掃除のバートは絵描き屋さんに。子供たちはバートを見て汚いという。メリー・ポピンズは外見ではなく中身を見るように子供たちに教えるのだ。大切なのは中身。確かにそうだけど、なかなかうまくいかない世界。とくにこの話の時代を考えるとね。

公園では彫像がある。彫像がある。彫像が動く。のだ。そして、舞台は色とりどりの世界へ。色が生れる、色が変わる。視覚からの情報が過多。パンクです。

そして、夢の場面は終わり、バンクス一家へ。さて、バンクス一家ではお客さんを呼んでティーパーティを行うみたいだ。お母さんは準備で忙しそう。ロバートソン一家の台所。料理人兼家政婦のミセス・ブリルはもっと忙しい。そして、なにかしでかすであろうロバートソン・アイさん。ポーのルイス・バードとは思えない芝居。最高っです。そして、子供たち乱入。こうなると何かなるよね。とは、分かったのだが、私はなめていたのだ。まさかあんなことなるとは…

突然吹き出し、棚が落ちての、机が割れての、お皿が割れる。なんとまあ、凄い仕掛けの数々。そしてパーティは台無しに。怒ったお母さんは子供たちに罰として苦い薬を飲ませようとする。罰が苦い薬。こういうところはこの時代ならでは、って感じがする。小さいころにこの時代あたりのお話を読んでいたことがあるのか、なんだか少し懐かしい世界観。そして、メリー・ポピンズが薬をもってきて始まる歌。【♪お砂糖ひとさじで♪】お砂糖ひとさじで苦い薬も飲めるのだ、と、この歌はとっても好きになった。お砂糖ひとさじで変わる。つらいこともちょっと加えてみると変えられるのだと感じた。そしてメリーポピンズが来たということは、魔法が使えるということだ。私はしっかりと観たぞ。台所のものがすべて綺麗になるのだ。元通り。

舞台は進み次はお散歩。お父さんの務める銀行へ。銀行のセットは凄い。なんだか次元が歪んでいるような異世界観。目の錯覚の操り人形。【♪規律と秩序♪】なぜこの歌い出しなのか。この歌い出しは懐かしい。あの舞台のこの部分の歌の始まりとおんなじ。この歌の始まりはとても好きだ。背筋がピシッとする。

そこでお父さんは融資の相談を受けていた。二人のお尋ね人。金から金を生み出す人と担保はまじめに働く従業員だという人。ここに乱入してきた子供たち。父親の邪魔をするなと怒るが、子供たちの一言に変えられるお父さんの心。お父さんの決断。こういうところは個人的にすごく好きだ。

子供たちは担保はまじめに働く従業員だという人から6ペンスをもらう。6ペンス。(私の記憶では6ペンス。)このお金をどう使うかが大事らしい。私は自分のお金をどう使っているのか。大半は舞台観劇だ。それがいいのか悪いのかはわからないけど今の私にとっては重要だと思うからいいかななんて思いながら…

銀行を出た子供たちは鳥の餌を売る女性に出逢う。鳥の餌を売る人なんて今の時代だとないね。あの世界のあの時代。世界観がとても素敵。外見に惑わされるか、中身を見るか。そんなこと言われても実際には実行はしにくいものだ。子供たちの選択はとても面白かった。女性が歌う【鳥に餌を】とても素敵だった。こういう歌が好きみたいだ。

場面は変わり、公園へ。おしゃべりの世界だ。おしゃべりを売るミセス・コリー。ちょっと変わった奇妙な世界。文字を選び、言葉にする。言葉はある物そして作る物。昔の人は言葉を使わず伝えていた。目の前に人がいたらちゃんと伝わるのだけど、言葉でしか伝えられないこともあるのが事実。違う意味に捉えられることもあるし、伝わらないこともある。けれど、伝えるための手段は言葉しかないから…だから私は願い言葉にする。届けと祈る。

【♪スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドジャース♪】この歌はもうついていけないです。メリーポピンズが作った新しい言葉。もうね、言葉すら把握できてないのに、いきなり手拍子始まりからのテンポが速くなって。なぜ皆手拍子できるのだ????視覚、聴覚、感覚、全てフル活動でしたが……ついていけなかったです。の割には覚えている歌。

話は進み……お家へ帰宅。お父さんが癇癪をおこし、子供たちは寝室へ。お父さんの気分に振り回される子供達。そだよね、大人って凄く勝手。ま、置いといて、子供たちは寝室で喧嘩をし、おもちゃが壊れ、おもちゃ達の怒りの場面となるのだが、おもちゃの時点で嫌な予感はしたよ。そうだよね。おもちゃに命が宿りの場面となると着ぐるみが出るよね。私は着ぐるみが大の苦手。なぜ苦手なのかはわからないけど。よく夢の中で追いかけまわされる。なので2列目からの着ぐるみ来るのはちとダメでした。ずっと目つぶってました。過去最高に近づいたかも。

気が付くと場面は変わり、煙突掃除屋さんの【チム・チム・チェリー】この歌はとても聞き心地の良い歌だった。煙突掃除屋はラッキー、握手をすれば幸せになれる。バートの歌声とても聴きやすく心に残る。

そして、メリーポピンズは子供たちのもとを去る。また会いましょうと残して。

ここで一幕の終わり。二幕に入る。二幕も語りたいが秘密に。

ただ、悪役が出るのだ。

そして、お母さんの歌声が素晴らしいのだ。お母さんはとても綺麗。本当にディズニ―のプリンセスみたいに綺麗。

掃除屋さんたちのタップダンスは本当に素敵。誰か様の影響でタップダンスの魅力に気づいてしまったみたいです。誰かがいつも見守っていてくれる。そばにいてくれる。天使がいる。この場面とても好きです。

本当にメリーポピンズは傘をもって上がっていく。メリーポピンズに頷かれたらなんでもできそう。


「どんなことだってできる。自分で邪魔をしなければ」


はい。

本当に面白いお話でした。舞台の仕組みや構造もとても興味深く、ダンスも歌も最高でした。

一番面白かったのはパンフレットに載っていた翻訳について。英語をどう日本語に訳すのか。音、台詞の長さ、そしてちゃんと伝わるのか。私たちがその世界に入れるように橋を作るプロ。素晴らしかった。

やっぱり、私は言葉が好きなのかもしれない。 

もう一度観劇に行けばもっと言葉が聴けたはずだ。また、観に行きたいです。



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