花組公演「冬霞の巴里」感想ーオクターヴとヴァランタン-

オクターヴとヴァランタン


私はオクターヴに覚悟を与え、冥界へと連れて行ったヴァランタンがちと憎い。

ヴァランタンファン側からはヴァランタンを殺したオクターヴがちと憎い。

オクターヴ側とヴァランタン側と視点を変えたらこんなにも変わる。

ヴァランタンとオクターヴの過去を考える。   きっとヴァランタンのお父さんが殺されたときと、オーギュストが殺されたとき、同時期あたりであったのだろうと思う。同じ子供のころ、同じ時期に、同じ憎しみを抱いた二人。同じ復讐心を持ち孤独と共に生きてきた二人。そんな二人が出逢ってしまった。似た者同士。

そして共に冥界に落ちた二人。

「俺には何もない」のヴァランタン

「とてつもなく一人」のオクターヴ

何もかもが無い二人が出会ったあの場面。よくアニメで見る、主人公ともう一人が向かい合っているシーンに見える。二人以外誰もいない、二人以外色がない、あのシーンが見える。

ヴァランタンにはオクターヴが、オクターヴにはヴァランタンが視えた。彼らは互いに何を感じ何を思ったのだろうか。

思うこと感じることおんなじだったのだろう。 

だからこそオクターヴはヴァランタンに心を許した。求めた。ヴァランタンはそれに気が付いた。そして、ヴァランタンのやさしさで包み込んだ。

オクターヴがいたからこそヴァランタンには終わりが見えた。ヴァランタンがいたからこそオクターヴには終わりが見えた。のかもしれない。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?