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『鏡の孤城』感想

不登校になってしまったこころ。同じような子どもたちが集められた城。城に隠された鍵を見つけたら願いを一つ叶えてくれる。

そんなふうに始まったお話。

オズの魔法使い、シンデレラ城、ナルニア国物語、不思議の国のアリス、オオカミさまに赤ずきんちゃん…

幼い頃に連れて行ってくれた作品たち。幻想するには十分すぎる説明だ。これから始まる話に期待を膨らませページをめくる。あっという間に読み終わり下の本(二幕)にうつる。


始まった話はパラレルワールド。少しの恐怖を覚えながらめくるページはゾクゾクさせた。

後半に攻めたてる結論。そうか、そうだったんだ。オオカミさまがヒントを与えてくれていたのに、自らヒントを述べてくれていたのに…なぜ気が付かなかったんだ!!と悔しくなるほどほんとに素敵なお話。


学校だけが領域。学校にいかなければならないという罪悪感。学生にとってはそう思ってしまう世界。だからこそふとした拍子に死が直結に連想される。

子どもたちにとって他にも世界があること、選択肢が無限に存在することが当たり前の世界になってほしいと願う。

オオカミさまが用意した城は彼らにとって生きる希望であったのだろう。


そして人は変われない、言葉が届かない人には届かない。そういう世界。ということを身にしみて感じた。


この本から幻想される世界をこの目で見てみたい。はやく映画を見てみたいと感じた作品でした。



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