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#カーボンシューズ

アディダス「Adizero Adios Pro Evo 1」のレビュー【アディゼロアディオスプロエヴォ1】

アディダス「Adizero Adios Pro Evo 1」のレビュー【アディゼロアディオスプロエヴォ1】

2023年9月のベルリンマラソンで2:11:53の女子マラソン世界新記録を樹立したティギスト・アセファは、Adizero Adios Pro Evo 1を履いていた。その後にオンラインで521足限定発売があり、第100回箱根駅伝では2区と3区で区間賞を獲得した選手がこのシューズを着用していたことも話題になった。

東京マラソン2024で優勝したベンソン・キプルトもこのシューズを履いて、日本国内レー

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現代における高性能カーボンシューズの寿命 / マラソン世界記録を更新したスーパーシューズのハイパーレスポンダー

現代における高性能カーボンシューズの寿命 / マラソン世界記録を更新したスーパーシューズのハイパーレスポンダー

著書「持久系アスリートのための耐久力(エンデュアランス)の科学」でお馴染み、科学ジャーナリストのアレックス・ハッチンソンさんが執筆した最新のカーボンシューズに関する記事が面白かったのでシェアします。

この記事の内容を要約すると以下。

現代におけるカーボンシューズの寿命

ランニングにおける各カーボンシューズでは、カーボン自体の性能差はあまり差がなく、ミッドソールの性能差がパフォーマンスに影響を

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【厚底カーボンシューズの最新論文】世界トップクラスのケニア人+欧州のアマチュアランナーのランニングエコノミーのばらつきと厚底カーボンシューズに関するメタ分析

【厚底カーボンシューズの最新論文】世界トップクラスのケニア人+欧州のアマチュアランナーのランニングエコノミーのばらつきと厚底カーボンシューズに関するメタ分析

2023年3月にオープンアクセスとなった、以下のカーボンシューズに関する最新の論文を紹介する。

【タイトル】
Variability in Running Economy of Kenyan World-Class and European Amateur Male Runners with Advanced Footwear Running Technology: Experimental a

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LI-NING(リーニン)のランニングシューズについて

LI-NING(リーニン)のランニングシューズについて

LI-NINGのランニングシューズについて以下に紹介します。なお、私はこのブランドのシューズを2019年から履いています。最近履き始めた / 興味のある人にこのnoteを見ていただければ幸いです。

なお、このnoteは結果的にLI-NINGブランドの宣伝になることはあっても、宣伝することを意図していない(宣伝の依頼があって書いたものではない)ということを記しておきます。LI-NINGのランニング

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各メーカーのカーボンシューズ計39足の比較(2022年新作23足+2023年新作:14足)

各メーカーのカーボンシューズ計39足の比較(2022年新作23足+2023年新作:14足)

前回は“2021年秋までのカーボンシューズ32足の比較”を書いたが、今回の記事は2023年最新版で2022年以降に発売されたシューズを中心に紹介する。

【更新履歴】
※ 2/22:飞电3 ELITE / 飞电3 CHALLENGERを追加し24 → 26足に
※ 3/2:UA Flow Velociti Elite / Deviate Nitro Elite 2を追加し26 → 28足に
※ 3

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多くのカーボンシューズを長期間履き比べながら考えたこと

多くのカーボンシューズを長期間履き比べながら考えたこと

近々、「各メーカーのカーボンシューズ計25足の比較(2022-2023年新作:21足)」というnoteを公開するが、その前にこれだけ多くのカーボンシューズを長期間かつ幾度も履き比べながら考えたことを以下に記す。

ヴェイパー4%とアルファフライの衝撃

この2つシューズを初めて履いた時(2017年秋と2020年春)は、衝撃的だったのを今でも覚えている。

ヴェイパーフライ4%が画期的だったのは、ミ

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第99回箱根駅伝で慶大・貝川裕亮選手が履いたアンダーアーマーのシューズ

第99回箱根駅伝で慶大・貝川裕亮選手が履いたアンダーアーマーのシューズ

第99回箱根駅伝で10区を走った貝川裕亮選手が履いていたシューズが一部のシューズマニアたちの間で話題になった。また、このUAのシューズは文春オンラインの記事で「箱根駅伝初登場の“謎シューズ”」として紹介された。

今回は、アンダーアーマー初のPebaxミッドソール+カーボンプレートシューズ「Flow Velociti Elite」の誕生までについてのストーリーとシューズの詳細を以下に記す(Flow

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2023年の各ブランドの新作シューズ:ヴェイパーフライ3, ドラゴンフライXC, ウルトラフライ, ロケットX2, キンバラプロ, SCトレーナー2、ゲルニンバス25など

2023年の各ブランドの新作シューズ:ヴェイパーフライ3, ドラゴンフライXC, ウルトラフライ, ロケットX2, キンバラプロ, SCトレーナー2、ゲルニンバス25など

2022年11月30日と12月1日に米国テキサス州オースティンにて、毎年恒例のランニング製品の展示会「THE RUNNING EVENT」が開催された。

以下に、2023年発売予定の新作ランニングシューズの動画や投稿をシェアする。なお、以下はリーク動画、画像ではなく、各ブランド公式の製品紹介なので安心して見ることができる。

ロードランニングNIKE:ZoomX Vaporfly Next% 3

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アディゼロ アディオス プロ3のレビュー

アディゼロ アディオス プロ3のレビュー

アディダスが7月に新発売した「アディゼロアディオスプロ3」についての簡単な実走レビューとスペックについて以下にまとめる。

アディオスプロ1 → 2 → 3アディオスプロは今回が3代目となる。オレンジがアディオスプロ1、パープルがアディオスプロ2、ブラックがアディオスプロ3と並べてみた。

重量は26.5cmでそれぞれ220g前後と大きく変わらないが、それぞれのシューズに対する現時点での私の印象は

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「ヴェイパーに自分の走り方をフィットさせていくか」 or 「ヴェイパーよりも自分の走り方にフィットするシューズがあるかどうか」

「ヴェイパーに自分の走り方をフィットさせていくか」 or 「ヴェイパーよりも自分の走り方にフィットするシューズがあるかどうか」

2017年にヴェイパーフライ4%が発売されて以降、駅伝やロードレースにおいて競技力の高い選手が着用するものが薄底シューズから厚底カーボンシューズに段々と変化していった。

そのフェーズにおいて、これまでの薄底シューズの「履きこなし」は次第に厚底カーボンシューズのバウンスに「乗っていく」という走り方に変わっていった。

ここで「(厚底カーボン)シューズに自分の走り方をフィットさせていく」というスタイ

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中厚底、厚底カーボンシューズの2021-22年にかけてのカットアウトの変化と傾向

中厚底、厚底カーボンシューズの2021-22年にかけてのカットアウトの変化と傾向

2021年の春にアシックスがメタスピードスカイを発売したことによって、さらに開発競争が激化している各ブランドの厚底カーボンシューズ(またはカーボンロッド、グラスロッドを挿入したシューズ)

各ブランドでミッドソール素材やアッパー、カーボンプレートの剛性などが微妙に違う。今回の記事では軽量化を目的としたミッドソールのカットアウト(くりぬき)が各ブランドのシューズによってどのような違いがあるのかをみて

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アディダスの2021年・ガチの新作ランニングシューズ。

2021年5月25日、アディダスオーストラリアの公式ホームページに2021年の新作シューズのラインナップが掲載された。

世界陸連の承認済シューズリストの最新版(5月21日)にもアディオスプロ2/タクミセン7等が掲載されていたので、それらはそろそろ発売が近そう。

そういえば、アシックスのメタスピードスカイの発売前(公式発表の3/30の前)にもアシックスユーロのサイトに先に公式情報が掲載されていた

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学生へのシューズプレゼント企画の経過と今後の予定

学生へのシューズプレゼント企画の経過と今後の予定

先月から陸上中長距離競技に取り組んでいる学生を対象に、シューズの無料プレゼント企画を行っている。

なぜそれを立て続けに”自費”で行っているかは以下の記事より。

今回の記事では、そのプレゼント企画の進行状況の記録と、今後のプレゼント企画の展開について記載していく。

1 / ドラゴンフライ(ナイキ)26.5cm ¥18,150(税込)新品・応募者940名:当選者1名
・note有料記事無料プレゼ

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みんな大好き🇨🇳厚底カーボンシューズで2020年最高の1足の"飞影PB"

みんな大好き🇨🇳厚底カーボンシューズで2020年最高の1足の"飞影PB"

以前、以下の記事で2020年発売の厚底カーボンシューズでパフォーマンス点ではネクスト%に肉薄する1足と紹介した乔丹(Qiaodan)改め、中乔(Zhong Qiao)の飞影PB(Fei Ying PB)。

このシューズは本国🇨🇳で8,000-12,000円の範囲で概ね販売されており、コスパも考慮した厚底カーボンシューズの総合ランキングでは2020年の厚底カーボンシューズでダントツの1位に躍り

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