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運動-呼吸カップリング。持久力パフォーマンスに影響

📖 文献情報 と 抄録和訳

運動-呼吸カップリングはリズミカルな等尺性ハンドグリップ運動中の持久力パフォーマンスを改善する

📕Li, Zhibin, et al. "Motor-Respiratory Coupling Improves Endurance Performance during Rhythmic Isometric Handgrip Exercise." Medicine and Science in Sports and Exercise (2023). https://doi.org/10.1249/MSS.0000000000003329
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

[背景・目的] 本研究では、リズミカルな等尺性ハンドグリップエクササイズにおける運動-呼吸連関の有無と、それが持久力パフォーマンスに及ぼす影響を評価することを目的とした。さらに、運動-呼吸連関率が高いほど持久力パフォーマンスが向上するかどうか、観察された効果の基礎となるメカニズムを検討した。

[方法] 11名の被験者が3回の等尺性ハンドグリップリハビリテーションを無作為に実施した。個人的な握力頻度を決定するための事前トレーニングセッションを1回行った後、1回は呼吸を必要としない試行を行い(CON)、2回は運動-吸気カップリングまたは運動-呼気カップリングを用いた試行を行った。最大随意収縮(MVC)の変化と筋電図を用いて神経筋疲労を測定した。試験中の力データは運動強度の評価に用いられた。別の被験者10名は、通常の吸気、通常の呼気、速い吸気、速い呼気、および息止めの状態で、電気刺激による指の屈曲と伸展を行った。異なる呼吸条件における力の変化を比較した。

[結果] 疲労困憊するまでの正規化運動時間は、運動-呼気カップリング(0.82±0.18)およびCON(0.91±0.18、P<0.001)と比較して、運動-吸気カップリング(1.27±0.23)で有意に長かった

ΔMVC、握力頻度、力、およびEMG指標は、条件間で差はなかった(すべてP>0.05)。電気刺激による指伸展力は、通常呼吸(1.00±0.05)および急速呼気(0.94±0.08、P<0.05)よりも急速吸気時(1.11±0.09)に有意に高かった。

[結論] 運動-吸気カップリングは、リズミカルなハンドグリップ運動の持久的パフォーマンスを向上させる効果的な方法である。これは、異なる条件における同様の末梢疲労および呼吸による皮質脊髄興奮性の調節から明らかなように、運動制御のエネルギー消費の減少によるものと考えられる。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

これ、ぜひやってみてほしい!
吸気と把握動作(hand-grip)を組み合わせると、確かに疲れにくい気がする。
患者さんへの運動指導の際、呼吸との組み合わせを指導することが多い。
特に、体幹筋部分に対する筋力トレーニングなどはわかりやすいところだろう。

今回の抄読研究を読んで、体幹筋だけではなくて、四肢末端の運動ですら呼吸に影響を受けることを知って驚いた。
では、膝伸展ではどうだろう。
股関節外転ではどうだろう。
カーフレイズではどうだろう。
運動-呼吸カップリング、大きな大陸を見つけた気がする。

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