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長腓骨筋, 短腓骨筋。筋トレ方法とその効果

📖 文献情報 と 抄録和訳

長腓骨筋および短腓骨筋に対する選択的筋力運動の急性効果

📕Arima, Satoshi, et al. "Acute Effects of Selective Strength Exercise on the Peroneus Longus and Brevis." Journal of Sports Science & Medicine 22.3 (2023): 397. https://doi.org/10.52082/jssm.2023.397
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

🔑 Key points
🔹腓骨筋に対する選択的筋力運動法を検討するために、長腓骨筋と短腓骨筋の筋形態に対する2つの異なる筋力運動法の急性効果を検討した。
🔹長腓骨筋-筋トレは長腓骨筋が筋断面積の大部分を占める近位25%を選択的に強化でき、短腓骨筋-筋トレは短腓骨筋が筋断面積の大部分を占める遠位75%を選択的に強化できる。
🔹長腓骨筋と短腓骨筋の形態学的変化を評価し、長腓骨筋、短腓骨筋、または両方の筋に対して選択的な運動を実施すべきである。

[背景・目的] 腓骨筋は主に足関節の外転に作用する筋で、長腓骨筋と短腓骨筋に分けられ、それぞれ足と足関節の機能において異なるが重要な役割を担っている。そのため、長腓骨筋と短腓骨筋の機能不全は足関節の問題につながる可能性があり、選択的な筋力強化運動が必要となる。本研究では、長腓骨筋と短腓骨筋の形態に対する2つの異なる運動法の効果を明らかにすることを目的とした。

[方法]

✅ 長腓骨筋, 短腓骨筋への筋トレ方法
・長腓骨筋:セラバンド®を母指球に装着し、コンタクトポイントから押し出す
・短腓骨筋:セラバンド®を第5中足骨の付け根から引っ張る

腓骨頭と外側踝を結ぶ線から近位25%(長腓骨筋形態を示す)および75%(短腓骨筋形態を示す)における腓骨筋の断面積(Cross-sectional area, CSA)および厚さ、ならびに足関節筋力を介入前および介入直後、10分後、20分後、30分後に測定した。長腓骨筋と短腓骨筋に対する介入の効果の差異を同定するために、反復測定二元配置分散分析を行った。

[結果] CSA、厚さ、足関節筋力に対する主効果および交互作用が観察され、介入実施直後の長腓骨筋介入では近位25%、短腓骨筋介入では遠位75%のCSAと厚さの有意な増加が観察された(p<0.05)。

[結論] 運動直後の肥厚による筋量の一過性の増加は、運動の急性効果を示している。長腓骨筋介入では近位25%、短腓骨筋介入では遠位75%のCSAと厚みが介入直後に増加したことから、これらの介入は長腓骨筋と短腓骨筋を選択的に運動させるために使用できることが示された。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

狙った箇所に対して、狙った介入を行い、狙った結果を出す。
それは、僕の抱くかっこいい理学療法士像の1つである。
それに対して、今回の抄読文献は大いに役立つことだろうと思う。

長腓骨筋、短腓骨筋のそれぞれに対する、効果が証明された筋トレ方法が示された。
起始-停止、負荷方法から考えた理論的な妥当性のみならず、しっかりと効果(筋断面積、筋厚の変化)が確認されている点が安心して、自信をもって介入を行える理由となる。
今後の理学療法介入、自主トレーニングの指導に役立てていこうと思う。

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