ジェネラティビティー。“次世代育成能力” が中高年者の孤独を保護
📖 文献情報 と 抄録和訳
日本の高齢者におけるジェネラティビティーと社会的非対称性の関連性
[背景・目的] 孤独と社会的孤立は、日本の高齢者における公衆衛生上の大きな問題である。ジェネラティビティー(次世代への関心とコミットメント)は、高齢者を孤独から緩衝する可能性がある。本研究では、日本の高齢者におけるジェネラティビティーと社会的非対称性(社会的孤立と孤独の間の不一致)との横断的および縦断的関連を検討した。
[方法] データは、首都圏在住の30~79歳の成人645人を対象とした全国代表縦断研究であるMidlife in Japan調査の2波(2008年と2012年)から得た。ジェネラティビティーは6項目のLoyola Generativity Scaleを用いて測定した。社会的非対称性は、孤独感を社会的孤立感に回帰した残差スコアとして計算した。正の残差は、孤立レベル (つまり、社会的脆弱性) を考慮すると、予想よりも孤独であることを示す。負の残差は、孤立を考慮した場合(つまり、社会的回復力)、予想よりも孤独ではないことを示す。
[結果] ジェネラティビティーレベルが高いほど、社会的非対称性スコアは低値 (B=-0.21, SE=0.04)であったが、4年後のジェネラティビティの変化は社会的非対称性を予測しなかった(B=-0.04, SE=0.06)。
[考察] ジェネラティビティーは、高齢者を社会的孤立による孤独への悪影響から緩衝する保護的役割を果たす可能性がある。高齢者のジェネラティビティーを促進することは、日本における高齢者集団の孤独感を軽減し、幸福感を改善するための潜在的な介入戦略であるかもしれない。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
僕は、坂本竜馬が大好きだ。
特に司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の中には、キラキラと輝く金言が満ち溢れている。
その中の一説を引用したい。
この一節を読んで、僕も死なぬ生き方をしてみたい、と感じた。
自分自身の経験や知見を、後世に繋いでゆく、そして後世がそれをさらに発展させてゆく。
人類の文明の発展。
それに寄与しようとする能力を『ジェネラティビティー』という。
今回の抄読研究は、そのジェネラティビティーが高いほど、孤独への悪影響から保護されることを示した。
死なぬ生き方をするものは、孤独からも保護されるらしい。
ますます、死なぬ生き方をしてみたくなった。
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