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何度でも読みたい。noteで読ませていただいた、そんな記事をまとめています。
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#読書

ゆったりと本が読めるお薦めのブックカフェ【7選】|本の棲むところ(番外編)

ゆったりと本が読めるお薦めのブックカフェ【7選】|本の棲むところ(番外編)

4月13日は「喫茶店の日」ということで、連載「本の棲むところ」の番外編として、ほんのひととき編集部がこれまでに訪れた都内近郊にあるお薦めのブックカフェをご紹介します。

── No.1 ──
PASSAGE bis!
(神保町)フランス文学者の鹿島茂さんがプロデュースする神保町のシェア型書店「PASSAGE by ALL REVIEWS」の3階にあるカフェラウンジ。
フランスから取り寄せた古書がデ

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【本で旅する Via】洞窟みたいな空間で、心ゆくまで読書を愉しむ大人の隠れ家(荻窪)|本の棲むところ(4)

【本で旅する Via】洞窟みたいな空間で、心ゆくまで読書を愉しむ大人の隠れ家(荻窪)|本の棲むところ(4)

荻窪駅から北西に向かって徒歩6分、読書するための居場所「本で旅する Via」さんを訪ねました。ここは旅にまつわる本が1,000冊近く揃う、いわゆるブックカフェです。

店主はもともと旅行会社に勤めていた伊藤雅崇さん。古書店で見習いを経験したのち、2022年6月にこのお店をオープンしました。

大通りから一本入った路地裏に構えていることもあって、“大人の隠れ家”と呼ぶにふさわしいシックな雰囲気です。

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冒険研究所書店は「不自由の牢獄」

冒険研究所書店は「不自由の牢獄」

ミヒャエル・エンデの作品のひとつ「自由の牢獄」は、ある男が無数のドアがあるふしぎな空間に落とされ、どれでもひとつのドアを自由に選ぶことができるが、結局どれを選ぶこともできずに永遠の時間をそこで過ごす、という話。

無限の自由を与えられると人間は不自由になってしまうという、文明批評的な童話だ。

なぜ際限のない自由を与えられると、不自由に陥るのだろうか。その理由の一つは「選んだもの」ではなく「選ばな

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冒険と読書

冒険と読書

昨年5月より「冒険研究所書店」を開設し、おかげさまでたくさんの取材などをしていただいた。

取材となると、インタビューを受ける訳だが、まず100%聞かれるのが「なぜ書店を始めようと思ったんですか?」というものだ。冒険家が書店を始めた、というのが皆さん相当に疑問のようだ。

例えば、私がもともと出版社に勤めていて、会社を辞めて書店を始めました、という人物であれば、おそらくここまで「なぜ書店を始めたん

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私は私ではない、だから私である

鈴木大拙「日本的霊性」を、この半年くらい読み返している。

鈴木大拙は、1870年に石川県に生まれた仏教学者。堪能な英語を駆使して、多くの英語著作も残し、欧米に広く「禅」「仏教」を紹介した。1963年にはノーベル平和賞の候補にもなっている、日本を代表する文化人と言える。

「日本的霊性」は、1944年(昭和19年)に出版された。日本が戦争で負けることを予期していた鈴木大拙は、当時盛んに叫ばれていた

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「勇気ある撤退」は誰のための言葉か

「勇気ある撤退」は誰のための言葉か

冒険家なんて肩書きで活動していると、よく言われる言葉として「勇気ある撤退」というものがある。

かつて、私も北極点無補給単独徒歩というかなり難しい課題に臨み、途中で撤退して帰ってきた時も「素晴らしい、勇気ある撤退ですね」なんて言われることがあった。

そう言われる度に、その返答に困る。大抵は、間抜けな顔をしながら「はぁ」とか「へぇ」と気の抜けた返事でお茶を濁すしかない。真面目に答えようとすれば面倒

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