忍原富臣

自己表現を文字で行う、甘いものが好きな生き物です。 「人に流されない自分を心の中に、周…

忍原富臣

自己表現を文字で行う、甘いものが好きな生き物です。 「人に流されない自分を心の中に、周囲に合わせる自分を人前に」 世界は変えられない。けれど、自分の世界は変えられるから、私は私を貫くために、人前用の私を作り出した。 人に左右されない「自分らしさ」は自分の中にあればいい。

マガジン

  • 日記

    自分の生活内容であったり、個人的な価値観であったりというものを適当に書いていきます。

  • エッセイ・ニュースなどについての個人的な考え方を述べてみます

  • 詩の詰め合わせ

    なんとなく、頭に浮かぶものを文字にしていく場所です。 あまり細かくは書かないため、抽象的な雰囲気になる作品が多いかもしれませんので、ご了承くださいませ。

  • 小説『幸凶死編』

    この小説は薄暗く、抽象的で、読んだ人からは不思議な感覚だと言われるものです。全10話、10万字前後の作品です。  きっと万人受けではないです。暗い作品ですので、読み手には不快感を与えてしまうかもしれません。  けれど、その奥にある「なにか」を感じてもらえることが出来たのなら、私のこの小説に込めた想いは伝わったのだと思えます。  優しい人、脆いのに頑張ってしまう人に読んでほしい。  他者への思いやりを無駄にされた人も、誰かのために頑張ったのに何も残らなかった人にも。  この作品に込めた感情、喜怒哀楽、恨みも辛さも喜びも、空虚なものも。  すべては私と言う人間の感じたものを書きだしています。  一人の人間の価値観を詰め込んだもの、経験してきたものや感じたものを詰め込んだ作品です。  ご興味あれば、ご一読いただければ、小説家という私の夢が叶います。

最近の記事

見えているはずの境目が失われていく人々

 この世で、正しいことと悪いことの区別は難しい。  片方から見る正義は、反対側から見れば汚れていたりもする。 「ほら、自分でやりなさい」 「誰かに頼ることも覚えなさい」 「いつまでも成長しない奴だな」 「時には立ち止まることも大事だぞ」  ねえ、どこに立てば、この二つを達成できるの……?  なにを見せれば、あなたは満足するの?  この世界は簡単なのに、人がそれを難しくしている。  悩みも苦痛も、他者からのストレスによって引き起こされていく。  関われば関わるほど、絡

    • 個人的なもの「自民党とそれ以外」について

      菅政権が終わり、岸田さんへと政権が移りましたね。 安倍首相の森友学園の問題から考えると、国民からすれば「汚いことをしていなければ、もう誰でもいいや」という感じです。 なら、なぜ自民党の政権が動かないのか。 誰でもいいなら、民主党でもどこでも構わないはずなのに、国民の諦めから、自民党の政権は続いているように思えます。 なぜ、野党に支持がいかないのか。 日々のニュースや演説を見たり聞いたりしていると、そのほとんどが 「自民党はコロナ対策を疎かにした」 「森友問題を解

      • 搾取する側とされる側、

         私の時間は、眠ること、食べること、働くこと。そして、細かな小用に趣味で埋まっている。ほとんどの人間がそうだろう。  誰かの発信した内容、動画……。  今の世界は、知らないうちに自分の時間を誰かに奪われている。数分から数十分、一時間以上……。  気が付けば画面に捕らわれている。  働くこととは、「時間を割いてお金をもらうこと」としよう。  時間が切り抜けるようになったこの世界。  時間を分割してお金を貰えるようになったこの世界。  働いたあとに、誰かの割いた時間

        • 精神的な嘔吐感

           自分のやりたいことがある。  自分の叶えたい夢がある。  なのに、私は自分の時間を無駄に消費していく。  私は、やるべきことを見過ごして、己の惰性に従ってしまう。  そうして時々、腹の底から何もかもを吐き出したくなる。  もう生きたくない、動きたくない、考えたくない、誰とも関わりたくない、しんどい、面倒くさい、怖い、嫌だ、人が怖い、なんで、どうして、どこで、誰が、どうしてなの、どこなの、分からない、感情が制御できない、気持ち悪い、なにこれ、辛い……。  言葉にす

        見えているはずの境目が失われていく人々

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        記事

          今日の思考回路

           何も変わらない、普通の日々が過ぎていく。  でも、時々ふと思う。 「この世界ってなんだっけ」  と。  考えれば考えるほどに、思考が沼に埋もれていく。  テレビで見ている光景も、ニュースも、人間も、  すべてが作り物なのではないかと。  すれ違う人々でさえ、そこをすれ違うように作られたものではないのかと。  自身の無意識の意識が作り出す現実。  自己目標を掲げ、そこへと前進していく者たち。  なぜ彼らが失敗と成功を成しえるのか。  それは失敗するという

          今日の思考回路

          憂い

           君を想いてむせび泣く        幾年の時を経ても  君の笑顔が目に浮かぶ…………  秋の空 遠くに浮かぶ羊雲      そこに君は 紛れているのだろうか  君は消えて私の心も消え去った…………  空っぽの心に晴れた空     遠くの方から灰色雲が流れ来る   涙を流すには丁度いい…………  曇天が、濡れゆく地面に水滴を垂らす     落とし去ってく雨雲に    隠れて流すは涙かな…………  君は居ない 私の心もここにはない     ならば、どこ

          不安

           贅沢な暮らしは別にいらない。  普通に過ごせればそれでいい。  多少の苦楽は仕方がない。  誰かと関わるたびに、感情は左右されるから。  肉体的な疲労も、精神的な疲労も、できればあまりしたくない。  そのあとには心が傷つくから。  乗り越えるたびに、人は成長するという。  なら、乗り越えられなければどうなるのだろう。  私は超えられない壁は、見上げるだけ。  脇道、別の道を探すだけ。  世界の真実になんて、興味はない。  だって、そんな大事に私は関わっ

          8年ぶりに友達同士が会話した日

           中学生から今までずっと遊んでいるD。  そして、時々だけ連絡をとりあうK。  もともとDとKが仲が良かったんですが、大学生時代の時に、女性関係によって友人関係が破綻。  それから、私はどちらか片方と遊べば、どちらか片方とは遊べない時が続きました。  女性の方も悪ければ、Dも悪かったというよくある恋愛話ですが、私からすれば非常に面倒くさかった……。  片方に遊びに誘われて、もう片方と被ったら、それとなく「ごめんね、その日は用事が……」みたいな文章を送る。  これが

          8年ぶりに友達同士が会話した日

          時々、無性に消えたくなることがある(駄文につき話の流れが曖昧かもしれません)

           働いている時とか、独りで考え事をしていたりすると、不意に、 「あれ、なんで生きているんだろう」  ってなることがあるんです。  別にこんな内容はありふれたもので、どこで誰がどうしていようと、周囲には何の関係もないわけで。これはただの戯れ言でしかなくて。  でも、そう思うと、余計に自分が生きている理由が分からなくなるんです。  一方的な苦しみを与えてくる世界が鬱陶しくて、無駄な反骨精神が働いて「片方だけが苦しむのは不平等だ」と考えて生きてきました。  でも、よくよ

          時々、無性に消えたくなることがある(駄文につき話の流れが曖昧かもしれません)

          化粧をした文章に価値はない。ただ、その裏に価値があるというこの世界。

           なかなか偏屈なタイトルですが、そのままの意味なのです。  アフィリエイト、ブロガー、商品紹介、エトセトラ……。  文字を並べてできたものに誰かが共感して、お金を払って試してみる。  買って良かったと思えれば、どちらも得をして。  買って微妙だと思えば、片方だけが得をする。  いかに買いたくなるような文章を並べるか。  そこに重きが置かれるのは、社会としては当然のこと。  でも、なぜか嘘くさいと思ってしまう。  哀れだと感じてしまう。  どれほど良い文章を並

          化粧をした文章に価値はない。ただ、その裏に価値があるというこの世界。

          最終話「終点」下

          「どうしたんだ?」 「いや、何でもないよ」  大樹の言葉に返事をして、軽くため息を吐いて彼は続ける。 「青年は相談者の様子をすぐに理解した。自分には彼を説得出来ないってね。だから青年は年上の友人に依頼したんだ。僕にはどうすることも出来ないから相談に乗ってあげてって。すると、相談者はすぐに納得して万事解決。青年の友人は見事に相談者を救ったんだ」  彼は腕を上げて、目に見えない風を手で掬い取ろうとした。偶然、風で流れてきた木の葉が一枚、彼の手に掴まれ、指先でその木の葉をくる

          最終話「終点」下

          最終話「終点」上

           美しい燦爛たる秋の山々が並び、少し肌寒く感じるそよ風が吹きつけている。  けれど太陽に当たれば、その暖かさによってとても過ごしやすい天気ともいえた。  そんな山道をゆらりふらりと、木漏れ日の下を一人で歩く若者がいた。  二十歳前後といった所だろうか。  紅葉を見に来たにしては軽装、リュックも背負わず手ぶらで歩く彼を、すれ違う人達は不思議そうに見つめながら通り過ぎていく。  若者が今居る場所まで来るには、麓から最低二時間程はかかる地点だった。そのため、周囲の人々は変わり

          最終話「終点」上

          第9話「幸凶死篇」下

           大学生活が終わり、就職して五年が経ったある冬の日の事です。生まれてから此の方、仮面を着けて過ごしてきたのに、どういうわけでしょう。帰り道、同僚と別れて独りきりになった瞬間、私は初めて仮面を落としてしまいました。  落ちたというよりは仮面の真中にヒビが入り、半分に砕けたような印象、感覚を受けました。半分に砕けた仮面は地面に当たると、硝子のように辺り一面に飛散しました。  自分でも何故取れてしまったのか、今も尚、理由は解っていませんが、強いて原因を挙げるとするなら、当時は精

          第9話「幸凶死篇」下

          第9話「幸凶死篇」上

           父上、母上、兄弟達へ。  これが貴方たちとの、この世界との最後の繋がりになることを、どうか、どうかお許しください。  三十路を境に旅立つ自分をお許しください。  こんな烏滸がましい事、私の口から直接言えず、このような形で伝える事、大変心苦しく思います。  自分はただ、人生に疲れただけですから、「ああ、あいつは死んでしまったのか」と他人事で終わらせてください。そして、自分がこの世を去った後には、綺麗さっぱり自分の事をお忘れください。  縁や情などは切り捨ててください。

          第9話「幸凶死篇」上

          第8話「食欲不振な人間不信」下

           自殺未遂者達への取材をした番組がテレビ画面に映っている。自分がこういう状況になって初めて、自殺する人間を尊敬の眼差しで見る事が出来る。  首吊り、リストカット、睡眠薬、飛び込み飛び降り、焼身と。どれ程の苦痛が伴うのかも分からないのに、そこへと向かっていく意志の強さはどこからくるのだろう。  意志が強いのに何故死んだのだろうか。死ぬ事が出来るのなら、生きる事もまた可能なのではないだろうか。向く方向を間違えたんだろうか。一度死んでみれば気持ちが分かるんだろうが、自分には死ぬ

          第8話「食欲不振な人間不信」下

          第8話「食欲不振な人間不信」上

           一週間前、親友に裏切られたことを知った。  ――――親友が自分のことを騙していたと知った時、そこまで落ち込むことはなかった。そして、自分が人を信じていなかったのだと自覚した。  六日前、食べる事が少なくなった。  ――――食べる事の意味を理解して最低限の食事になった。食べることは生きることに繋がり、それは、私にとって不必要なことだった。  五日前、職場で胃が痛くて仕方がなかった。  ――――何もない胃袋が可哀想になったけれど、それでも食べる気はしなかった。生への欲求は、

          第8話「食欲不振な人間不信」上