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不安

 贅沢な暮らしは別にいらない。

 普通に過ごせればそれでいい。


 多少の苦楽は仕方がない。

 誰かと関わるたびに、感情は左右されるから。


 肉体的な疲労も、精神的な疲労も、できればあまりしたくない。

 そのあとには心が傷つくから。


 乗り越えるたびに、人は成長するという。

 なら、乗り越えられなければどうなるのだろう。


 私は超えられない壁は、見上げるだけ。

 脇道、別の道を探すだけ。



 世界の真実になんて、興味はない。

 だって、そんな大事に私は関わっていないから。


 大きな世界の、小さな場所で暮らしているだけの私。

 羽ばたくことを夢見ても、大きな翼は体を隠すだけ。


 警戒、委縮、恐怖、不安……。

 世界のあらゆるものが、危険なものに感じてしまう。

 だから、私は必要最低限の生活をする。


 私の踏み出した一歩で、風が生まれる。

 その風が連鎖して大きな風になる。

 大きな風は人々の間をすり抜けていく。

 そこには、あらゆる要素が含まれている。


 タバコの煙が肩にぶつかることが嫌な人が居るように。

 私は、私が原因になるかもしれない事を嫌う。


 そうならないように注意する。

 行動すれば、その注意点がどんどん追加されていく。


 自分の自由を夢見ているのに、自由の先には足かせがついてくる。

 自分で自分を檻に閉じ込めて、心の解放を許さない。


 感情的な自分を嫌い、自由な自分を嫌い、馬鹿な自分を嫌い、不格好な自分を嫌い、薄汚い自分を嫌い、醜い自分を嫌い……。


 なのに、自分が優秀であると肯定する私が居る。

 けれど、自分は愚か者であると自負する自分も居る。


 心の安定を保つのに、睡眠が必要になる。

 心の不安を拭うために、別のことを考える。

 生活内で起こりえる不安要素が頭の中で駆け巡る。


 この不信感と不安は、どうすれば消せるのだろう……。

人を変えることはできないけれど、誰かの心に刺さるように、私はこれからも続けていきます。いつかこの道で前に進めるように。(_ _)