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ビジネスアジリティとは? ビジネスアジリティの基準や測定方法について
今回は、「ビジネスアジリティ」の基準とその計測方法に関する記事です。
昨今は、DXの追い風もあってか「ビジネスアジリティ」という言葉をよく耳にします。
どのような組織であれば、「ビジネスアジリティが備わっている」と言えるのでしょうか。そして自分が所属している組織の「ビジネスアジリティ度合い」が気になりませんか?
今回は、「ビジネスアジリティ」の”基準”と”測定方法”を”SAFe”というアジャイルのフレームワークを用いてご紹介します。
ビジネスアジリティとは
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市場や環境の変化に生産的かつ費用対効果の高い方法で迅速に適応する組織能力のことを指します。
しかし、この説明では具体性に欠けています。何を根拠にビジネスアジリティと判断すればよいのでしょうか。
明確な基準であれば、ビジネスアジリティを理解する手助けにもなります。
ビジネスアジリティの基準、測定方法
「SAFe」というビジネスアジリティを実現するためのフレームワークがあります。具体的には、リーン、アジャイル、DevOpsを導入する際のフレームワークであり、ナレッジベースで構成されています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
このSAFeにビジネスアジリティを測る「ビジネスアジリティ・アセスメント」というものが存在します。
いくつかの項目に答えることで現状を表したレーダーチャートが出来上がります。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58379384/picture_pc_1898e971428c5cdc87be435e2bdd5a7d.png?width=800)
このビジネスアジリティ・アセスメントは、SAFeの中で定義された7つのコアコンピテンシーをベースとして作られています。
コアコンピテンシーが満たされていたら、SAFeを実施できている組織=ビジネスアジリティな組織、つまりビジネスアジリティの基準と言えます。
SAFeのコアコンピテンシーは以下の7つです。
・Team and Technical Agility (TTA)
・Agile Product Delivery (APD)
・Enterprise Solution Delivery (ESD)
・Lean Portfolio Management (LPM)
・Lean-Agile Leadership (LAL)
・Organizational Agility (OA)
・Continuous Learning Culture (CLC)
各コアコンピテンシーの詳細については以下のサイトを参照ください。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58379550/picture_pc_5d45e6042844b0e0ac1fa630abe2bffe.png?width=800)
アセスメントのチェック項目は以下のようなものです(原文を意訳したもの)
・社員はアジャイルのトレーニングを受けている
・顧客中心に提供するソリューションを定義している
・定期的にソリューションのビジョンについてコミュニケーションが行われている
・プロジェクト単位の資金調達から脱却している
・リーダーは、個人的な支援と関与を通じて新しい働き方への変革をリードしている
・組織は、イノベーションを起こすための時間を提供している
【原文】
・People are trained in Agile
・We adopt a customer centric approach to defining our solutions
・A vision describing the future state of our solutions is regularly communicated
・We are moving away from project-based funding
・Leaders lead the transformation to the new way of working through personal advocacy and engagement
・The organization provides time for innovation
チェック項目は他にもありますが、上記であげた項目だけでも単にスクラムなどが実施できていればビジネスアジリティというわけではないことが分かります。
顧客中心のアプローチや今後のビジョンについて共有されていたりすることがビジネスアジリティを高め、ビジネスアジリティに必要な要素であり、基準ということです。
ビジネスアジリティ・アセスメントのチェック項目一覧
全チェック項目をご紹介します。以下の6つの選択肢から回答して点数を算出する仕組みです。実際のアセスメント表(EXCEL)のダウンロードURLは、記事の最後に載せております。そちらからご確認ください。
・当てはまる(5点)
・どちらかといえば当てはまる(4点)
・どちらでもない(3点)
・どちらかといえば当てはまらない(2点)
・当てはまらない(1点)
・どれにも当てはまらない(0点)
チーム&テクニカルアジリティ (TTA)
・アジャイルの理念が身に付くよう人員をトレーニングしている
・人員を組織して機能横断的なアジャイルチームを編成している
・チームはアジャイルプラクティスを適用している
・高品質なソリューションを構築している
・ソリューションを中心とする複数のアジャイルチームからなるチームを組織している
・複数のアジャイルチームからなるチームにはエンドツーエンドのバリューをデリバリーするために必要な機能が含まれている
Team and Technical Agility (TTA)
アジャイルプロダクトデリバリー (APD)
・ソリューションの定義においてカスタマーセントリシティに基づくアプローチを採用している
・開発全体を通じてカスタマーと共にソリューションを検証している
・複数のアジャイルチームからなるチームは共にケイデンスに基づいて計画している
・複数のアジャイルチームからなるチームは統合済みソリューションのデモを定期的に行う
・必要に応じてソリューションをリリースできる
・デリバリーインフラストラクチャの改善のために継続的に投資している
Agile Product Delivery (APD)
エンタープライズソリューションデリバリー (ESD)
・複数のプラニングホライゾンにわたる将来の成果物を伝達するためにロードマップを使用する
・開発プロセス全体を通して要件を許容し設計を行う
・ソリューションアーキテクチャはインテンショナルで、かつ進化している
・コンプライアンス活動をインクリメンタルに実施している
・サプライヤーは我々のアジャイル開発プロセスに参加している
・デプロイ済みのソリューションをオンデマンドで更新できる
Enterprise Solution Delivery (ESD)
リーンポートフォリオマネジメント (LPM)
・ソリューションの将来を示すビジョンを定期的に伝達している
・ビジョンに合わせて作業のベクトルを揃えている
・定義済みの経済的フレームワークに基づいてイニシアティブの優先順位を付けている
・プロジェクトベースのファンディングから脱却しつつある
・ケイデンスに基づいてファンディングの意思決定をレビューおよび調整している
・成功の度合いを測定するために成果ベースのメトリクスを使用する
・成功したプログラム実行パターンを組織全体で共有している
Lean Portfolio Management (LPM)
リーンアジャイルリーダーシップ (LAL)
・リーダーは説得力のある変革のビジョンを伝達している
・リーダーは信頼性をもってチームをリードしている
・リーダーはアジャイルな働き方に対してオープンな姿勢を示している
・リーダーは、リーダー個人としての支持やエンゲージメントを通して新しい働き方へのトランスフォーメーションをリードしている
・リーダーは情報があるところに意思決定の権限を委譲している
・リーダーは組織的な障壁をプロアクティブに排除している
Lean-Agile Leadership (LAL)
オーガニゼーショナルアジリティ (OA)
・組織は機会や脅威に応じてストラテジーの変更を迅速に実行できる
・大規模な投資では、仮説をテストするために実用最小限のプロダクト (MVP) の構築から始めている
・バリューをデリバリーするために必要なエンドツーエンドのワークフローを可視化している
・ワークフローにおける遅延の特定および対処を行っている
・ビジネスチームはアジャイルプラクティスに従って業務を進めている
・年1回のパフォーマンスレビューに代わり、従業員は継続的なフィードバックを受けている
Organizational Agility (OA)
コンティニュアスラーニングカルチャー (CLC)
・弛まぬ改善はカルチャーの一部となっている
・改善を先導するためには、意見よりもデータを使用する
・組織はイノベーションのための時間を提供している
・否定的な結果を恐れることなく実験を行うというカルチャーがある
・組織は個人の成長に投資している
・学んだことを組織全体で目的意識を持って共有している
Continuous Learning Culture (CLC)
ビジネスアジリティの基準、測定方法のまとめ
今回は、「ビジネスアジリティ」の基準と測る方法としてSAFeの”ビジネスアジリティ・アセスメント”をご紹介しました。
単にアジャイル開発をしていることがビジネスアジリティではなく、顧客中心のアプローチや今後のビジョンについて共有されていたりすることがビジネスアジリティを高め、ビジネスアジリティに必要な要素であり、基準ということです。
ぜひ一度、ご自身が所属する組織のビジネスアジリティを計測してみてはいかがでしょうか。以下のリンクから実際のアセスメント表(EXCELテンプレート)をダウンロードすることができます。評価方法や評価後の具体的なアクションなどが記載されていますので、是非ご確認ください。
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※本記事の内容は個人の見解であり、私が所属する組織とは一切関係ありません。
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