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2022ファジアーノ岡山にフォーカス40『 ココロヒトツニ 』プレーオフ1回戦 vsモンテディオ山形戦


1年越しのミサンガになると信じて。

 前日に車にかけていたキーホルダーのチェーンが切れた。不吉なものを感じたが、ミサンガと思い込み当日を迎えた。早朝に家を出て、現地に到着した。結果と内容は、岡山サポーターにとって、ショッキングなものであった。率直な気持ちと、前に進む気持ちをもって、この試合の激闘を振り返りたい。

 全文無料公開。スキーやフォローや、購読などをして頂ける記事を目指しています。一人でも多くの方に読んでいただけると嬉しいです。

J1参入PO1回戦 ファジアーノ岡山 vs モンテディオ山形

1、受け入れられない現実


 試合は、0-3の完敗に終わった。今季でのJ1昇格の夢、希望、全てが完全に潰えてしまった。岡山の選手達の表情は、険しかった。これが、現実なのか、これが、夢なら覚めてくれ。直ぐに受け入れることはできない。辛いが、これが現実なのだ。

 3位チームの早すぎる敗退。過去のプレーオフ一回戦でも多くの3位チームが、6位チームに敗れてきた。敗れた3位チームの気持ちは、3位でプレーオフに挑戦し、敗戦した時にしか経験できない。若い選手が多く、この悔しさを糧に成長に繋がるが、今季限りで岡山を去る選手の想い、J1昇格の願いを叶えることは、在籍時には、もう成就することは無いことを意味した瞬間であった。

 選手や監督は、悔しさよりは、自分達の無力さを痛感した試合となった。懸命にボールを追いかけ、懸命に空中で競って、懸命に球際で体を張って、懸命に戦った。しかし、サッカーという競技は、組織的にも戦わないと自分達に、ボールが回ってくる時間と回数は限られてしまう。

 試合終了間際のファジアーノ岡山の選手のプレーは、サッカーではなく、まるで断末魔の叫びのようであった。それでも選手は、組織的でなくても、最後まで可能性を信じて、戦いきった。「俺たちはまだやれる」「ここで終わりにしたくない」といった声が聞こえてきそうだが、無常にも時間が過ぎるごとに、岡山の運動量が増えて、プレー強度も上がったが、スコアは開いていくこととなってしまった。

 サポーターも選手の気持ちに応えるように、最後まで声を出して、手拍子を続けた。試合終了後に、失意で、茫然自失(ぼうぜんじしつ)となっている選手や監督に、来季に向けて、ファジアーノ岡山コールを届けた岡山サポーター。

 この日の完敗に、ブーイングを投げかけるサポーターは、いないように感じた。それは、選手がピッチで、苦しんでいる姿を最後まで、見届けたからだ。

 ラフプレーをしない7チアゴ・アウベスが、自分の感情をコントロールできずに熱くなって暴挙にでてしまう。23ヨルディ・バイスもファール覚悟で、球際で勝負するしかない。いつも熱くなる9ハン・イグォンが、他の選手達に触発されて、ゴールを目指して、ドリブルを仕掛ける、全力でスペースに走る、シュートを迷いなく打っていく、でもゴールに繋げることはできなかったが、とても頼もしかった。

 無情にも試合終了の笛が鳴った。あぁ、これが2022シーズンの終わりなのか。6喜山 康平、17関戸 健二の両選手の想い、そしてプレーオフの敗戦の悔しさを知る元選手が駆け付けた試合であったが、またしてもプレーオフで敗れた。

 項垂れ(うなだれ)ながらもファジアーノ岡山コールを、受け止めて、来季でのJ1昇格への誓いを新たに、この敗戦の感情を心に刻んで、ファジアーノ岡山の選手が下がっていく姿をみて、初めて負けたという現実が、突き付けられた。

 多くのサポーターは、選手が下がっていくのを見届けて、スタジアムから帰宅の途につくが、その足取り重く、人の流れは、勝利した試合の時以上に鈍い。まだ夢が見たい。受け入れられない現実を受け入れるように少しずつ、また1人とスタジアムを去っていく。

 電光掲示板の消えた残り時間。試合中に発表のなかった入場者数。言葉を詰まらせたダイナマイト・イシムラさん。もしかすると、試合中に泣いていたのかもしれない。本当に、ファジアーノ岡山にとって、ショッキングな一日になってしまった。

 樽募金は、流石に少なかったが、その分、グッズを買い求めるサポーターは多かった。今季の想い出を形として、残す事で、シーズンがここで終わってしまう現実を受け入れる意味もあったのかもしれない。しかし、選手が頑張って、辿り着いたファジ史上最高成績である3位という結果は消えない。それだけが、昇格できなかったファジアーノ岡山の今季の気持ちの拠り所である。

 岡山が、前に進むためにもこの試合を振り返る必要もあるが、辛いことである。そのため、いつもと違い敗因を簡潔に振り返るに留めることを許して頂きたい。

2、警戒と自信


 この試合の山形の戦いは徹底されていた。過去の対戦では、パスを繋ごうという意欲が見て取れたが、この試合の山形は、岡山の選手が一定の距離に近づいたらロングパス、もしくは角度をつけて、スペースへのパスを徹底していた。無理をしない。そこが合言葉のようにもみえた。

 これは、山形のサッカーなのかもしれないが、3度負けている岡山のリスペクト、そして岡山の雉プレスへの最大限のリスペクトでもある。しかし、もし岡山が、自分達の強みである高さと強さを活かすために、後のスペースを埋めて、ロングパスを蹴っていくという秋田のような戦い方を選択していると、流石に崩すのは難しくなる可能性はあった。しかし、岡山は、果敢にも雉プレスでの高い位置でのボール奪取する戦い方。それが、無理でもボール奪取後に、選手が前に残っていることで、カウンタ―を狙うという戦い方選択した。

 岡山は、あくまで先制点を自分達のサッカーで狙うという戦い方を選択したが、山形の徹底したリスク管理の前に前方での雉プレスでのボール奪取は難しい状況であった。もう1つの狙いの高速カウンタ―も38永井 龍の押し込むパワー不足が響き、攻撃に移れそうな場面で、チャンスの芽を事前に潰されてしまうシーンもあった。後半の山形のプレー強度や運動量が落ちた時間に、ゴール前のシュートの形の多彩で、守備にもパワーを出せる38永井 龍の方がまだ可能性があったかもしれないが、最後の切り札として7チアゴ・アウベスを残しておきたかったという気持ちは痛いほどよくわかる。どちらかが、正解であったかは難しい所ではあるが、勝利するためには、山形のように狙いを絞って戦う選択肢もあったのは間違いない。

 結果論から言えば、5バックでしっかりスペースを埋めて、15ミッチェル・デュークと7チアゴ・アウベスの個の力を活かすという戦術を選択した方が、勝機があったかもしれない。木山 隆之 監督が、金沢戦、秋田戦、そして、この山形戦のカウンターで失点しての敗戦を受けて、来季どう舵を執るのか。チームとしての勝利へのアプローチの甘さや隙、チームとしての未熟さが、最後の最後に出てしまった試合となった。

 少なくともこの試合でも、ボールを繋ぐ事を思い切って放棄するチームに対しての、雉プレスの背後の対応への答えは、この試合でも出せることなく、カウンタ―で、先制点を許してしまった。

 雉プレスの成功体験が長かったことで、雉プレスを回避、もしくは攻略された時のサッカースタイルを改善するための機会や期間というのは、非常に限られてしまった。そして、それが露呈してしまったのが、シーズンの最終盤の金沢戦であったことも痛かった。結果的に、その後の岡山は、同じ形で、堅守を崩されて失点している。

 これは、システム的な噛み合わせの悪さや明確な弱点であることもあるが、それ以上に、心理的なダメージが、今まで無失点や最少失点で粘って来た守備の1秒1センチの守りの堅さや粘りを支える気持ちの強さも奪ってしまうことにもなってしまっていたようにも映った。良い時には、守れていても状態が落ちてしまうと失点してしまう。まさにサッカーの難しさや怖さを感じたシーズン終盤とプレーオフとなってしまった。

 また、岡山は3位であるという”状況”を活かし切れず、厳しい言葉で表現すると、3位に相応しい”個の力”を過信し過ぎたことで、辛すぎる完敗に繋がったといっても過言ではない。それは、両チームの攻守のある内容の違いにあるだろう。

 岡山の選手が攻めた時には、その選手に山形の選手が複数人で囲い込むシーンというのが、圧倒的に山形の方が多かった。対して、山形の攻撃の時には、少ない人数でありながら、スペースがあり、そこを突いていくという事ができていたことで、岡山の選手が囲い込むというシーンは限られた。

 それでも、早い時間帯に失点していたもののカウンタ―狙いの山形であっても後半30分まで、僅差の試合であったのは、岡山の個の力に優れていて戦えていた証拠である。それだけに、もう少しメンバー選択やゲームプランの設定において、現実的な選択をしても良かったかもしれないが、やはり、これも結果論である。

 ただ、スコア以上の差は、両チームにあったとは思えない。岡山が弱いから負けた。未熟だから負けたという結論に至る事は簡単であるが、後半の30分(75分)の失点するまでは、果敢に前に行き戦う姿勢を鮮明に出していた。審判の判定には、色々と言いたいことがあるのも正直な所だが、判定の癖や傾向を読むというのもまた技術である。色々と力不足であった。それでも繰り返しになるが、0-3という結果の差が、両チームにあったまでは認めたくない。山形が、3点取れる力があったのは、もちろんそうであるが、色々な条件や展開で、こういった結果になってしまった。1点でも取れていれば、また違った展開になったかもしれない。そういった試合であったと個人的には、思いこみたい。

 そして、少なくとも最後は、感情をコントロールできない場面、チームとして組織的に戦えない場面も見受けられ、批判を受け手も仕方ないプレー、行動があったことは残念ではあるが、選手も監督も人間である。完全無欠の聖人君子のような人間は、存在しない。1つのプレー、1つの言動、1つの結果で、私は選手達、チームを突き放す事はしたくない。今日の試合混みで、一年間戦いきったチームを誇りに思いたい。批判を受けるなら、それも一緒に受け止めたい。それと同時に、選手が一日でも早く前を向けるように、この試合で悪かったことを色々な角度から検証し、反省し、改めて、また来季J1を目指すためにも、残酷かもしれないが、この試合の敗因を探り、強化方針を含めて、チームとして前進できるように戦って行かなければならない。長い様で短い来季への戦いは、既にもう始まっている。

 もっと言及したいところではあるが、今回のフォーカスではより具体的な部分は、控えたいと思う。しかし、来季に向けての課題は、別のフォーカスで行う予定で考えている。次の項では、監督や選手の言葉から今シーズンと来季に向けて想う所を語っていきたい。

3、相思相愛と誇り


 木山 隆之監督が、今季は、なぜこれだけ多くのシステムや選手、戦い方を選択してきたのか。それは、やはり就任一年目で、多くの主軸選手が入れ替わったことにあるだろう。

木山 隆之 監督(岡山)
「今年、クラブが外国籍の選手をたくさん獲得して、昨年からいる選手、新加入選手含めて新しいチームとしてスタートした。最初の頃は勝ちが遠い時期もあった。この選手たちの良さは何だろうと追及していく中で、今のスタイルにして、試合を勝っていくことに関しては選手たちは良くやってくれた。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

 プレーオフでは、敗戦したが、チームの勢いや完成度という点では、どちらかと言えば、粗が目立ったシーズンではあった。それでも勝てていたのは、木山マジックと選手の個の力。そして、チームが昇格という目標に向けて、1つに…ココロヒトツニなっていたからだろう。

 それが、イエローカードが飛び交う程の無理をしなければならない負け方をしてしまうとは夢にも思わなかった。ただ、繰り返しになるが、選手は最後まで良く戦い抜いた。そして、サポーターも絶望的な状況になっても声を出し続け、選手を鼓舞し続けた。

 ファジアーノ岡山という”スポーツ”クラブも好きだが、今だから言えることではあるが、ファジアーノ岡山サポーターの事も同じぐらい好きである。だから、ファジアーノ岡山というクラブをこれからも応援し続けたいと、より強く思えた。面識のないサポーターの方が、ほとんどだが、本当に今季も一緒に戦えて、一緒に応援できて良かった。貴方が岡山サポーターである限り、私と貴方は、サポーター仲間です。もし、岡山サポーターでなくなっても想い出は消えない。貴方の想いを引き継ぎ、戦い続けるだろう。子供達に夢を、100年続くDNA。これは間違いなく、次世代に引き継がれている。そこにファジアーノ岡山というクラブあり続ける限り、俺たち私たちは、岡山を応援し続ける。嬉しい時も辛い時も哀しい時も悔しい時も全ての感情を共有できる。それが、サッカー観戦、スポーツ観戦なんだ。ファジアーノ岡山というクラブを一緒に、同じ時に応援できる奇跡を噛みしめつつ、応援し続ける。それが、サポーターなんだ。今は、辛いかもしれない。前を向けないかもしれない。でも、また立ち上がれる時は来るはずだ。マイペースで良い。また、前を向ける気持ちになったら、スタジアムに足を運んで欲しい。貴方の一歩は、チームを救える。前進できる。さぁ、一緒に進もう。その一歩の先のために。

5柳 育崇 選手(岡山)
「1年間たくさんの応援をいただき、感謝の気持ちでいっぱい。シーズン終盤にかけて観客の数もどんどん増えて、岡山という場所が熱気に包まれる実感があった。その中で皆さんとJ1に上がって、来年J1という景色を一緒に見たかった。僕たちの力の足りなさがすべてで、申し訳なさと感謝を、ファン・サポーターの皆さんに伝えたい。」

 選手からこういった言葉が毎シーズン、多くの選手や監督から聞く事ができる。この重要な試合で、負けてしまったが、有馬 賢二 前監督、椎名 一馬 選手が、岡山を去る時に届けることができなかったファジアーノ岡山コールを、スタンドで応援していた6喜山 康平 選手や17関戸 健二 選手へ届けることできた。私は、声出しエリアではなく、手拍子での応援のみではあるが、岡山が戦った記録・記憶を書き残すために、集中して見る事を選択している。

 岡山サポーターは、優しすぎると言われるかもしれないが、10年以上岡山を見ていると、想いも強くなり、選手に厳しいブーイングや厳しい眼を向けることはできないほど、感情移入しているが、色々な考えのサポーターの方や観戦スタイルの方の目指す所は、勝利であり、その先にJ1、その先に世界があり、その高みを見据えるほど、厳しい眼で、岡山を見てしまうだろう。私は、今、勝利も敗戦も喜怒哀楽の全てを楽しむためにスタジアムに足を運んでいる。これは、あくまで私のスタイルである。今日の試合もプレーオフでしか体験できない悔しさや絶望があった。応援しているサポーターだけが、体験できる感情だ。エンターテインメントは、喜びや楽しいことだけではない。ホラー映画があるように、色々な形がある。ただ、サッカー観戦には、台本はない。だからこそ、心を動かされる。だからこそ、喜べる、怒れる、哀しめる、楽しめる。それがサッカー観戦、スポーツ観戦だ。私たちは、形式上は、ファジアーノ岡山の試合を観ているのかもしれないが、実は、選手1人1人の人生を観ているのかもしれない。スタジアムにいる全ての方の人生が、そこにある。人の数だけ、試合の数だけ、そこには人生という名のドラマがある。だからこそ、心が動かされるのだ。だから、喜んでいいんだ。怒って良いんだ。哀しんで良いんだ。楽しんで良いんだ。それが、人生だ。

 リスペクトの上の行動であれば、真意はきっと伝わる時は来るはずであるる。椎名 一馬 選手が言っていていた時には、厳しい言葉を選手にかけて欲しいとも語っていた。本当に、どんな時もファジアーノ岡山というクラブは、ファジアーノ岡山の事を一番に考えて戦って来た。

 これからも1人1人の想いを大事にして、前進できるクラブであって欲しい。100年続くDNAを残すために、子供達の夢のために、ファジアーノ岡山という一つの親が、サポーターという子供に、語りかける背中。ファジアーノ岡山というクラブなので、人のように言葉を発することはないが、子供を愛する親のように、子供のために、喜ばせようと戦ってくれている。私は、そんなファジアーノ岡山というクラブを応援して行く中で、人として成長できた気がする。娯楽なのかもしれないし、今後も同じように応援出来なくなる可能性もある。ただ、応援し続ける限り、ファジアーノ岡山というクラブは、親のような存在として、私たちサポーターに寄り添ってくれるだろう。

15ミッチェル・デューク 選手(岡山)
「自分たちのクラブ規模を考えれば、皆さんが思っていたよりはいい結果が残せたと思うし、実際にクラブ史上、最高位で終えることができた。シーズンが始まる前に「ファジアーノが3位になるよ」と言えば、きっと多くの人に笑われていたと思うので、我々が成し遂げたことについては誇りに思う。
ファン・サポーターの皆さんにはシーズンを通して、ホームでもアウェイの試合でもたくさんの方に来ていただき、素晴らしいサポートをしていただいた。皆さんは、J2でナンバー1のサポーターだと思う。」

 プレーオフの結果は、残酷で辛い結果であったかもしれないが、3位という結果と、ファジアーノ岡山のサポーターである事を誇りに思いたい。ファジアーノ岡山に出会えて良かった。異国のオーストラリア国籍のワールドカップに選手される可能性の高い15ミッチェル・デューク選手に、「J2でナンバー1のサポーター」だと思うと言ってもらえるサポーター。それが、ファジアーノ岡山というクラブの選手とサポーターの関係である。

 今回の敗戦により、今季でのJ1昇格は、完全に潰えた。何度も繰り返し、書いてしまう辛い現実である。ただ、またファジアーノ岡山というクラブは、チームとサポーターの絆はより深くなり、より「ココロヒトツニ」にできたことは間違いないだろう。

 ストーブリーグに、岡山も間もなく本格的に突入していくこととなる。チームが、前進するために、強くなるためには、避けては通れない道かもしれないが、別れと出会いの先に新たな戦いが待っている。

 ファン感謝祭を経て、この辛さを来季に繋げてくれると信じて、オフでまた戦えるように、その時に備えて、一歩ずつまた歩いていこう。0-3という現在地0-2、0-1、0-0、1-0と一歩ずつ勝てるチームになれるように、これからも変わらず、ファジアーノ岡山というクラブを応援していきたい。

 前述した通り、来季に向けての補強ポイントや強化方針についての考察は、またの機会にしたいと思います。次項では、今季の最後になってしまった試合を写真での振り返る今季(22シーズン)の試合レビューのフォーカスは、この試合が最後です。

 書きたいことは、まだまだ多くあるので、できるだけ多く皆さんにお届けできるように長いオフを活かして、ファジアーノ岡山をまた笑顔で応援できるように、今は時々涙を流してしまうほど、辛い時かもしれませんが、ゆっくり、ファジアーノ岡山と共に進んでいけたらと思っています。

 文章のレビューに最後までお付き合いいただき有難うございました。写真の方も、最後まで読んで頂けると嬉しいです。1年間お疲れさまでした。そして、有難う。ファジアーノ岡山を愛する全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです。来季もまた一緒に戦えることを心より願っています。有難うございました。

 最後に、モンテディオ山形ファミリーの皆様。勝利おめでとうございます。この試合の山形は、本当に強かった。そして、岡山に0-3で勝利したという結果を、喜んでいただけた事を光栄に思います。強いチームは、勝ちたいと思ってもらえる。勝って当たり前のような反応をされると、サポーターとしては、より悔しい。山形の選手、サポーターは、試合後にとても喜んでいた。毎試合、敗戦した時に思いますが、岡山も喜びたかったと。でも、ファジアーノ岡山というクラブに色々な歴史や想いがあるように、モンテディオ山形にも様々な歴史や想いがある。同じようにクラブの歴史と想いを背負って戦っている。それが、勝負の世界です。ただ、私の考えですが、その山形の勝利に祝福する気持ちを持てなければ、勝利を否定してしまえば、それは、そのクラブの歴史と想いも否定してしまうことにもなってしまう側面もある。綺麗ごとや八方美人と言われてしまうかもしれませんが、私はファジアーノ岡山というクラブが、1人でも多くの方に応援していただきたいですし、歴史や想いを否定されて、傷つくことだけは、嫌なので、私のためにですよ。負け惜しみや自暴自棄になっているわけではないですよ。心からこの試合の山形の勝利に対して、「おめでという」言葉を贈りたい。山形としては、まだ何も手にしてないので、まだ早いと言われるかもしれませんが、この勝利が、この先に繋がることは揺るぎありません。最後まで、走り切る山形のサッカーに、勇気を貰い。ファジアーノ岡山というクラブが一歩前進できるように、この敗戦の悔しさを胸にしっかり心に刻み、勝者である山形に最大限の賛辞を贈ると共に、今後の健闘を心より祈りたいと思います。本当に有難うございました。

引用した選手・監督コメントの引用元のHPとURL
ファジアーノ岡山公式HP
【10月30日J1参入プレーオフ1回戦】監督・選手コメント
は、こちら(別サイト)。
URL:https://www.fagiano-okayama.com/news/p1473057986.html

4、激動の一日


2022シーズン、試合に向けての今季最後の私のファジロード
限定ファジフーズのおこわ
限定のファジから。ファジからの語呂が好き。
鶏肉のボール?凄い数だ!
加地さんトークは、場を和ませてくれる。赤嶺さんのトークは、どこか安心感がある。
木山ファジ世界で一番熱かった。目頭も熱くなった。
クールなチームカラーだが、応援は熱かった。
太鼓と書道で、盛り上げて下さり、サポーターの1人として感謝。
タイトル画像に使ったコレオ。奇麗に浮かび上がった。
全てが一枚の中に。
記者の数もいつも以上に多い気がする。
アウェイチームとしては、いつもよりかなり多い記者の人数。
失点直後。こうしてみると山形も1つになっていることを感じられる。
後半での逆転を信じて・・・
山形のイレブンも気持ちでは負けない。
後半に解禁のロングスロー。終盤戦に激減したセットプレーとクロスからの得点。
得点を喜ぶ山形の選手と、最後まで諦めず鼓舞しようとする岡山の選手達。選手は最後まで諦めなかった。
茫然自失の岡山イレブン。流石にメンタル的にきつかったが、私は少なくとも戦い抜いた選手を誇りに思う。
全員で、喜ぶ山形の選手達。
最高の敗者であるために、強い気持ち、姿勢を示す岡山。全力で戦い切ったのだから何も恥じる事はない。
健闘を労う両チームの選手や監督、この写真にはないが、岡山と山形の選手との交流する場面もあった。
今季最後の木山塾。来季に向けて、岡山は前進してくれると信じたい。
サポーターに挨拶する山形のイレブン。逆の立場だったら最高の勝利であったと思う。
敗戦直後は、ほとんどのサポーターが帰宅の途につくことが多いが、この試合では、多くのサポーターの方が残った。選手や監督にとって、きっと救われた部分もあった筈。
結果や不満や悔しさより、申し訳ないという気持ちとサポーターへの感謝の気持ちの方が強くが伝わって来た。
選手や監督にエールをおくるゲート10のサポーターの選手を後押しする熱量。私もレビュワーとして、文字に籠める魂の熱量で負けないように、気持ちを強く持ちたい。
寒いのに気持ちを落ち着かせて、冷静になるために、飲んだフラッペ。レビューの内容通り、私は全然クールになれていなかった。気持ちは表示に出辛いかもしれないが、文字に籠めた気持ちが、文字から溢れ出す。それが、私の応援スタイルのようだ。

文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・Photo=Masaaki Sugino

アディショナルタイム(おまけ)

ファジ造語

チアゴ・タイム
 7チアゴ・アウベスのプレーの一つ一つにサッカーを楽しむという遊び心があり、そこに技術が伴った左足の凄さを称えて「悪魔の左足」と、呼ばれている。その左足を活かして、何処からでも何時でも狙っていて、7チアゴ・アウベスが出場している時間帯は、岡山の大きな得点源と言える。

本山丸(イメージは真田丸)
 大阪の陣で、大阪城に迫る徳川の軍勢に対して、真田丸は、大阪城の弱点を補う出城として築かれた。23ヨルディ・バイスと5柳 育崇の弱点は、釣り出されたときや、スピードであるが、26本山 遥かが主に、そういった守備対応をすることで、3選手の良さをお互い引き出すことで、守備が安定して、堅守を構築に繋がっている。

参考
2022ファジにデータでフォーカス2
「中盤の真田丸(本山丸)」
2022 J2第2節 岡山 1-1 徳島 レビュー
は、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6905499896963403777

ヤバス要塞
 語呂を意識して、5柳 育崇の「ヤ」と、23ヨルディ・バイスの「バとス」の二文字を抽出して、「ヤバス要塞」と、表現した。防衛において重要な地点の砦。砲台もある砦のことも指す。高い対人守備だけではなく、ロングパスの精度やセットプレーの得点力があり、まさしく要塞と言える。攻守で強みを発揮できる「ヤバス要塞」として、難攻不落を目指す。

梅田アウォール
 ファジの最後の壁。ファイアウォールに比喩した表現。戦術や個の力、連動性といった攻撃で、ゴールを狙ってくる様々な攻撃をシャットアウトする。そして、バックパスの受け手として、フィードや組み立てる一人として、パス交換(情報通信)。後方からの冷静なコーチング(情報の発信)。多くの情報を整理し、最的確な決断ができるGKである1梅田 透吾の良さを表現したファジ造語。

0バックシステム
 攻撃的で積極的なオーバーラップや得点力のあるCBである5柳 育崇や23ヨルディ・バイスのCBの2選手と、SBが本職である26本山 遥といった流動性のあるDFラインを形成することで、攻守において、自由に動くことで、攻守での手厚い状態を作り、数的不利になりがちな局面で、数的有利の攻撃シーンを演出し、守備でも積極的なアクションで、事前にピンチの芽を摘み、流動性から生じる集中力と緊張感から、カバー&フォローで、リズムを作り出す戦術システムのファジ造語。

木山ファジVer1
 2022シーズンの開幕からトライした新システムの4-3-3。超攻撃的なサッカーで、7チアゴ・アウベスを軸とした、自由と個の力を前面に展開していく。選手のコンバートやルーキーの積極起用で、勢いと爆発力があった。攻撃だけではなく、前からの守備でも効果的で、嵌める・奪うから得点に繋げることのできた試合もあった。ただ、対戦チームの対策が進む中で、勝ち点3が遠く、順位を下げて行く中で、4-3-3の戦術的アップデートの一時中断からの路線変更を余儀なくされた。

木山ファジVer2
 10節という節目で採用された4-4-2。4-2-2-1-1とも言える形で、4-2-3-1とも言えるが、ダブルボランチを採用することで、攻守での安定感が高まった。有馬ファジの4-4-2とは違い攻撃的な選手と、ロングパスの得意な選手が多く、速攻を主体として、速さ・強さ・高さを前面に出して、ゴールに出したことで、今季のメンバーに寄せた4-4-2。効果的なサイド攻撃やカウンター攻撃は切れ味鋭く、中央ラインの強固さで、J2屈指の堅守となった。

ヤバスギタ山城
 柳の「ヤ」、バイスの「バ」と「ス」、喜山の「キ(’’)」、堀田と梅田の「タ」、そして本山と喜山の「山」。まさしく攻略の難しい山城。そしてセットプレー=飛び道具が効果的な組み合わせとして、岩政 大樹時代を彷彿させる高さと強さを感じる。今後も色々な選手や形を試して行く中で、より強固にして欲しい。

木山ファジVer2.5α
 現状の個の力に赴きをおいたサッカーに組織力を強化することで、攻守でのより高みを目指す。特に重視するのが、「主導権を握るサッカー」。ただ、現状は、後で回すだけに留まり、プレスを受けてしまうことやパスコースが限定される中で、前線の選手の自由が制限されてしまうことで、パスがカットされたり、ゴールに向かってシュートに行く前に奪われたりと、逆にカウンターを受ける事が多くなってしまっている。もしかすると、別の形を模索することとなるかもしれないが、現状は明確な方向性のサッカーを体現できていない。

木山ファジver3
 前半は、15ミッチェル・デュークを軸としたサッカーを展開し、7チアゴ・アウベスの投入を皮切りに、パスに赴きを置くサッカーに展開して行く中で、22佐野 航大のプレーの変化や15デュークと7チアゴの連携、SBの関与、セットプレーの回数を増やす事で、ゴールに迫るスパークをかけることで、90分間での得点機会増に繋がっている。ただ、自分達が主導権を握るサッカーという点では、依然として課題が残っている。そこを残り約10試合で、カバーできるかどうか。

雉プレス(ファジアーノプレス)
 90分間のフルタイムの間、岡山式のハイプレスを続けること。2トップ、2列目、アンカーの7選手が積極的に、前からプレスをかけて、相手の組み立てを大きく牽制し、ボールを奪えれば、強力な2トップと2列目の選手が襲いかかる。そのプレス網を抜けても最終ラインの選手が、前に出て対応し、プレスバックで、自由を与えない攻守一体の岡山式プレス。

木山ファジBEST Ver1
 木山ファジの完成形。岡山が採用してきた3バック、4バック、5バックを1つのサッカースタイルとして体現。時間帯によって形を変える事で、対戦チームの対策を許さない。個性豊か選手を巧く起用することで、個の力を最大限引き出す。チアゴタイム、本山丸、ヤバス要塞、雉プレスと組織と個を融合した攻守にアグレッシブな完成形の1つ。

木山マジック
 あらゆる選択肢と可能性にセオリーや絶対はない。挑戦から修正、そして正解に近づいて行く中で、サッカーの完成度、総合力を高めていく。チームとしての戦術の幅は広がり、対応できないサッカーにより近づく。徹底した個人戦術と、組織的に戦術を兼備。予測不可かつ大胆な起用や策は、実は最適格。正攻法もしっかり採用し、その本質を見抜く慧眼と決断する豪胆さを持った勝負師でありながらリアリスト。その一手で、勝利を手繰り寄せる。

岡山一体
 輪笠 祐士が「秋田一体」のDNAを岡山に持ち込んだ。その時と同時にチームは、コロナで主軸に陽性者が続出の危機的状況に陥った。ただ、「秋田一体」のようにチームの総力戦で、新加入の輪笠を含め、横浜FCにこそ敗れたが、結束して2勝1敗に乗り越えた。こうした経験がチームを一つにし、粘り強さと勝負強さを兼ね備えた結束力が、今の岡山にはある。

「岡山一体」のファジ造語の由来は、もちろんブラウブリッツ秋田の「秋田一体」

Okayama Style
「ハードワーク・堅守・デュエル」の3本柱をベースに4バックと3バックのメインシステムを軸にしつつ、攻守や状況に応じて変化する可変式を採用しつつも、システム自体も変更できる点が武器で、戦術の幅が広い。自由な発想をベースに個の力も躍動。自由と組織が一体となった新しいKIYAMA STYLEとも言える2022シーズンのファジアーノ岡山のサッカースタイル。

マリオネットストラテジー
 操り人形という意味ではなく、操り人形の構造をイメージしたファジ造語。選手と監督が意図(糸)で繋がっているが、選手と監督に主体性が存在して引っ張り合っても、切れない意図(糸)。それが、絶妙な組織力として強さに繋がっている。2022シーズンのJ2においては、試合の意図したように操る。この戦い方を極めていくことで、岡山の土俵で戦える術を岡山は、磨いてきた。対戦チームには、異質(別の競技)のサッカースタイルにも映るかもしれないが、これが、Okayama Styleの完成を目指すマリオネットストラテジー(主導権を握る戦略)によって、作り出されたサッカーなのだ。

ウルフシステム
 後方の守備のバランスとパスの選択肢を増やす事で、攻守でより手堅く戦える受けの守備スタイルカラーを強めた形。スペース(隙)を少なくして、距離感を良くすることで、安定が生まれた。その結果、前線の1トップ2シャドーは、攻守でより自由に動けるようになった。中盤からのインターセプトからのカウンターの切れ味や中盤から前に出て行く推進力もこの形の武器であり、魅力。今後のオプションの1つで、雉プレスも新たなフェーズに突入した。

岡山の矢(3本の矢)
 試行錯誤の経て3-1-4-2をベースとした3バックと4バックの可変式に辿り着いたOkayama Styleで得た3本の矢。1本目は、右サイドの全権を握る16河野 諒祐の攻守の上下動からの右足で生み出される攻撃の矢。2本目は、左WBを任せられるタイプの違う選手達の仕掛ける自由と崩す自由のゴールへ向かって行く攻撃の矢。3本目は、41徳元 悠平がCBを兼任することで負担を軽減し、90分間ロングスローをする可能とする攻撃の矢。

雉語録
 ファジアーノ岡山も歴史を歩むごとに多くの人がそれだけ絡んで来た。監督や選手だけではなく、スタッフやサポーター、ボランティア、記者の方々など。その1人1人想いは、歴史として語り繋がれる。中でも木村元社長、岩政先生や椎名選手、バイス選手の言葉は、人の心を掴んで来た。その言葉は、記事のように多くの人に伝わり、多くの人の心を動かした。そして、その言葉の数々は、雉(ファジアーノ)の言葉として、将来の世代へと羽ばたいていく。そうした言葉の1つ1つは、岡山の力となる。それが、雉語録である。

代表作


2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」
は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907

筆者紹介

杉野 雅昭
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。