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変かなわたし

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2018年6月の記事一覧

存在

いつまで自己と云う小さな枠の中に閉じこもっているのか。
いつまで目に見える形に捕らわれ、手を離さないのか。

生死の境を生きて 弱肉強食と云う格言を抱かされ
豊かさを望み、 安全を 安定を 誰もが望むのは当たり前だ。
当り前の事を当り前と思え
そこに嘘はなくても 中身が違う。

良いも悪いもない。
総て同じ世界の心模様なのだから
総てその上に立つ バランスなのだから。
敵対視し 目には目を 左の頬

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母は必要とされていた。
親からも兄姉からも、相談事も頼まれ事も
何かと云うと電話が掛かってくる。
根気よく話を聞き、自分の事のように一緒になって考えていた。

最後にはそれぞれの看病に明け暮れ、
親を送り 兄姉を送り 夫を見送った後
元々寂しがりやの母は 一気に一人ぽっち感を募らせている。

よくこれ程に面倒見れるんだ と思うくらい
差し入れのお弁当を作り、洗濯物を請負い、
買い物から 連絡から 

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紫陽花

紫陽花の季節です。

お日様の光を遮る雲の断層と、
雨を透過する光を感じ

お日様と庭を結ぶ虹の架け橋。

そんな虹色の光の玉が
あちらにもこちらにも輝いています。

「明日は晴れるかな」
そんな希望が咲いているのです。

ただ視野に入る情景としてだけでなく
同じ生命体としての存在を
大切に尊重し、感じとれるような自分でいられたら。

ほっと一息。
雨音を聞きながら ぽっと咲く
ぽぽっと咲く 明日

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心の居場所

心の居場所を探している

雨風を遮り、暑さ寒さから身を守り、
安らかな眠りと 身も心も安らげる空間の、
「ただいま」と、帰る事の出来る「家」がある。

当たり前の様で当たり前ではない。
無数に立ち並ぶ家並みの中から、
これが私の家です。と間違わずに帰って行く。
私の為の私の身の隠し場所。

私の好きなお茶を淹れ、料理を作り、
寝ても立っても座っても、許される空間がある。

そんな私の家の様な 心の

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自死の選択

オーストラリアの科学者が自死を選択し、スイスで最期を迎えた

好きだったフィシュ&チップス
チーズケーキと御茶
”歓喜の歌”を聴きながら眠りに入っていった。

人一倍臆病な私は、”死”に特別な恐怖感を持っている。
人の死の気配を感じる――それだけで押しつぶされそうになる。

意識の種

お花が好き。

命あるものを 育んでいくって 大変なことだと思う。
土の寝床をこさえ 種を撒き 水をやり 見守り 世話をする。

花のポットがあれば買ってくる。
一つ また一つ・・・

そうして増えていく 色とりどりの 幾種もの
名も知らぬ花が 所狭しと花開いていく。

そして その一つ一つの命がどんな性格なのか
何度聞いても素通りして行くその名前も 母はちゃんと覚えている。

私はそんな花々の花

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母 黄金の手

母の手が作る料理は ふっくらと温かい
レンジでチンしても 何か美味しく感じてしまう。

「有り難いね 便利になって」 母は感謝する。
「有り難いね 簡単になって」 と レトルトを温める。

あまり感心できないよ と思えるけど
家族6人分の家事を一手に引き受け
かまどに火をつけ 薪を焚き付け お風呂を沸かし
農作業を手伝い 内職もし・・・
生きることに 生活することに精一杯だった。

「皆 そうだっ

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だいじょうぶ

思いっきり大きく腕を振って
思いっきり大げさに腕を広げ
大きな声で叫んでみたり

思いっきり頬が攣りそうなほど笑ってみたり
思いっきり声上げて泣いてみたり

すると 何かが抜けていく
何か抜けて あ~ すーっとして軽くなる

私は大丈夫!!
私は大丈夫!!

まだ泣ける
まだ笑える

生きてみようよ

自分の重みに耐えられなくなって
どろどろととぐろを巻いて
滞っている 錘のような 重圧で

歩くことも 顔を上げることも出来ない

その重みで バスも走れない
電車さえ止まってしまいそうだ

アスファルトの地面さえ
亀裂が入り陥没しそうだ

いつだって 裏目に出ちゃう
いつだって 情けない

それなのに まだ生きてるよ~
それなのに 生きてるからだが まだあるよ~
それなのに まだ私の何かが「うん

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ひとり

木々はいつもそこにあるのに
見上げれば空はいつもそこに広がっているのに

孤立して離れ離れになっている

木の幹にもたれ樹液の流れる鼓動を聞くことも無い

星空の輝きを思い出せない

遠い世界の景色となり
眼に映るだけの絵画となり

私の感覚は麻痺してしまう。

原っぱに大の字になって、寝っころがって 空と向かい 
大きな樹にもたれ掛かって 枝を揺する風に吹かれたい

離れ離れはもう嫌だ
孤立する

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意識して

身体と心がそれぞれに
独自に営みを繰り返している。

他方を認識しようともせず、
強調しようとも思わない

脳は脳だけで回転し
臓器は臓器だけで回転し続ける。

どの歯車とも咬み合わず
どの歯車からも孤立している。

意識を向けなければ 二つは互いの存在を意識しない。
意識を留めなければ二つは分離したまま。

そんな気がする。

そのうち各器官は独り歩きを始め
内部分裂を始めるのかも知れない。

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君は 上手いね

君は”自分がやりました”アピールが得意だね。

自分のお陰で”良くなったでしょう”の前面主張に 全力だね。

信じ込ませる言葉のあやを 勉強家の君は良く知っている。

思い込まされる人が居る事も、
価値基準があやふやで 判断依存の人たちを
次から次へと汚染していく。

自己満足ではないのかい?
欲望からではないのかい?
不安や 恐怖からではないのかい?

そうしていつも煙に巻く。
そうしていつも真

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闇鍋

何でもあり?
あるのだろうか?

性も年齢も、他人も自分も、
危険も安全も、生も死も…

当たり前と思える事と
可笑しいでしょ と思う事と

何もかもが入り乱れ、
一つ鍋の中でごちゃ混ぜにかき回される。

何が起きるか判らない。
何が当たるか判らない。

絶えず新しい味を見付け
絶えず違う匂いを創りだす。

大なべの中に持ち寄った具材を入れて
明かりを消した暗闇の中で、
何が当たるか判らない
その

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失言

あっ 言っちゃった!! と 思います。

後の祭りです。

つるっと口から滑り出た一言。
相手を無視していたんだろう
そんな時のぺらぺら口から出てくる言葉は
平気で相手を傷つけてしまったり 
思わぬ結果を招いてしまう。

どうして繕ったらよいのだろうと思うけど
取り繕おうと思うほどに するほどに
自己弁護 弁解の上塗りになって
余計に相手の傷を深めてしまう。
・・・自分の傷も・・・

自分が惨めで

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