私を中国のスキーに連れてって 〜後編〜
電光石火のチャイニーズガール鄭さんの願望にちゃっかり乗っかり、中国のスキー場へ連れてってもらうジャパニーズクールガイの私。
前半では上海からスキー場までの行き方と、スキー場の紹介をおこなったが、後半では民宿や村の様子、村グルメ、費用詳細を簡単に紹介していく。「日本で楽しんでいたウィンタースポーツだけど中国では躊躇しちゃうわ」と悩んでいる在中邦人の皆さんも、今回の記事を参考に、来シーズンはぜひ中国文明旅行でスキーを楽しんでもらいたい。
想像していた民宿と違う
「民宿」と言われると老夫婦が経営する木造古民家で畳敷きのアットホームなイメージ。夜にはオーナーが強い酒を片手に地元の歌や踊りを披露してくれる、そんな情景を想像していたのだが
ピッカピカのホテルだった。
「改装したばかりなんだ、部屋もシャワールームも綺麗でしょ、外出の際にはカードキーはフロントに預けてね」若くて愛想の良い夫婦兄弟が、楽しそうに民宿の設備やスキー場の利用方法を教えてくれる。冷蔵庫は設置されていないが、ベランダに出しておけば勝手に冷える。多少のデザインは変わるものの、鄭さんの部屋も基本的には同じレイアウトとなっている。
のどかな浙江省安吉県山川村
ここ安吉県山川村は、村名の通り綺麗な山と川が特長の静かでのどかな村である。空気も澄んでおり、上海の喧騒を忘れさせてくれ、目と心の濁りを洗い流してくれそう。天然のアイボンだ。
近年では観光業にも力を入れているようで、川沿いには綺麗な別荘や民宿が立ち並んでいる。整備中の路地なども目立つが、あと数年で綺麗なリゾート地が完成しそうな雰囲気だ。
のどかな村でもここは中国、共産党施設もしっかり稼働している。「優秀な青年は軍から志しを立て、熱血男子は忠誠をもって国に報いる」スローガンはのどかさゼロの豪傑スタイル。
だいたい何でも美味しい村ご飯
もうひとつの旅の楽しみといえば現地の食事。それほど大きな村ではないのでお店の数も限られるのが、村ならではの味わいがある。
初日の昼は時間も限られているので、スキー場近くの食堂で簡単に2品で済ませたが、どちらも強烈にご飯が欲しくなる美味しさ。竹が特産なので当然タケノコも美味しい。ご飯を注文すると巨大なお椀でフードファイター並みによそって来られる、いわゆる中国田舎盛り。都会っ子の二人には荷が重い。
楽しくて美味しい二層焼肉
夕食は二層焼肉。上は鉄板、下は竹串焼きというエンターテイメント性の高さでとにかく楽しくて美味しい。具材は牛豚鶏、野菜に海鮮と幅広く、特に豚バラの串焼きが野生味あふれる美味しさでもうたまらない。
二層焼肉の映像はこちら。
地元の特産を活かした「竹ビール」と「茶ビール」もオススメ。竹ビールは竹の葉を使用した爽やかな味わいで、茶ビールは白茶とジャスミン茶を配合した香り高いビール。近所のスーパーでも売っているのでお土産にも良い。
おやつとドリンクはスーパーで
民宿の前には村の中では大きめのスーパーがある。村にコンビニは無い。薄暗い店内には食料品や雑貨がぎっしり詰まっている。お店の半分では縫製店も営んでいるようだ。
実は虹橋駅で飲みかけのサントリー角瓶を没収されてしまった。開栓済みという点がNGだったようで、新品ならOKらしい。夜の民宿でゆっくり飲みたかったのにケチって損をするタイプだ。
仕方ないのでスーパーで購入したのが「中国劲酒」というお酒。漢方エキスを配合させた健康志向のお酒で疲れた体を癒す作戦だ。味はかなり特長的で慣れずに飲むとなかなか喉を通らない、白酒版養命酒といえば分かりやすいだろうか。癒すどころか自爆した。
仕方ないのでビールを買いに再度スーパーへ向かったが、21時には民宿の入り口が施錠されていた。スーパーも閉まっている。すでに村は就寝時刻なのだ。部屋に戻り我慢してストロング養命酒を飲み続ける。
翌朝の民宿の朝食は水餃子と牛乳。昨晩の健康酒で荒れかかった胃が泣いて喜んでいる。
今回の予算をまとめてみるとこんな感じ
なかなかの出費であるが、早めの予約や週末をズラすなどすれば、もっと価格は抑えられるはずだ。今回は四日後に出発だったので、次回は前もって準備したいが、電光石火の鄭さん次第だ。
スキー場の洗練さと村ののどかさ、このコントラストが楽しめるのも中国国内旅行の醍醐味なのかもしれない。また来シーズン、未開栓のサントリー角瓶を持って訪れたい浙江省安吉県の山川村だった。
村にもキャッシュレス決済がしっかり普及されており、念のため持って来た現金は出番がなかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?