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Episode 111 「パリへの出張」

Episode 110にて触れた出張は2012年における世界卓球関連の仕事だった。

尚、世界卓球の大会は毎年開催国が異なり、ドイツの翌年はパリ(フランス)で行われた。2013年の大会だったと記憶するが、この大会には一人でパリに行ったのだった。

フランス語は、全く話せません

この一年前にドルトムント(ドイツ)で世界卓球が行われた際に一緒に行ったサカタさんはスポーツ局から他の局に異動となっていた。

この出張では約2週間ほどパリに滞在したのだが、殆ど雨の日が続いたように記憶する。

雨は好かない。とはいえ、雨は必要。雨の日は、ビートルズの「Rain」でも聴くのが良い。または、R.E.M.の「I'll Take The Rain」なども、良し。または、奥田民生の「コーヒー」とか。

滞在地の具体的な場所は、パリの中心部の東南に位置するリヨン駅(Gare De Lyon)というパリにある6つの主要ターミナル駅の一つの近くのホテルだった。

読み方も、よくわからない。フランス語は難しい。
Gare de Lyonの駅

尚、滞在中、この駅のすぐ近くのレストランで食事(ステーキを注文した)をしたのだが、味は特別美味しい、という事ではなかった。もちろん、このレストランでの食事だけで、「フランス料理は、大したことない」等と言うつもりは全く持って無いのだが。

ステーキ。味は至って普通。尚、赤いナプキンの上にあるメガネはDragon Ashのkjのそれを真似て購入した。尚、とある日、仕事帰りに飲みに行き、酔っ払っていたのか、電車で無くした。確か、銀座線に乗った時だった様に記憶する。

ホテルでの生活をしていると、日頃の生活リズムが崩れるが故、なのかは分からないが、夕食を食べた後で、例えば寝る前などにお腹が空いてくる、という現象が起こる。

実際に、パリに滞在中もこういったことが起こったので、ホテルの近くのチャイナタウン(またはアジアの食材を売っているスーパー)を調べ、歩いて行ってみた。困った時は、チャイナタウンである。これ、或いはユニバーサルトゥルースな気がしてならない。

普遍的真実

そのスーパーにて、ホテルの部屋でも食べれる様な、(韓国の)カップラーメンを購入した。(尚、もちろんだが日本のカップラーメンなどは置いておらず、お店にあった多くは中国(韓国も少しあったかもしれない)の食材だった(カップラーメン含む)。

とある日、比較的遅めの時間に(卓球の大会が開催されている会場から)ホテルの部屋に戻った日の事なのだが、夕ご飯を食べる為に、一人ふらりとホテルの周りを散歩がてらに歩いてみた。

ホテルの近くにおしゃれな小道があった。

特にこだわりを持って食事をする場所を選んでいたわけではないのが、なかなかお店が見つからず、少し歩いてやっと一軒のお店を発見した。

こじんまりとした、ベトナム料理のお店であった。特にアジアの料理を探していたわけではないのだが、たまたま発見したお店がベトナムのお店だった(もちろん、ベトナムはフランスの植民地であった事から、この様にベトナム料理のお店もフランスには多くあったのだろう)。

お店に入るや否や、お客さんが一人もおらず(少し)心配になった。しかし、時間も遅かった事から、恐らく閉店間際または閉店したばかりのタイミングでお店に入ってしまったのかもしれない(しかし、“閉店”というサインがなく、またお店に入れたという事は、まだ営業中だったはずだ)。

お店の奥に目をやると、そこには(明らかに、お客さんではなく、そのレストランを経営している)家族で食事をしている姿があった。さすがに悪いと思い、店を出て行こうとしたのだが、「大丈夫ですよ」とそう言われ(多分フランス語で)、とあるテーブルに案内された。

着席するや否や、メニューを渡された。フランス語は読めないので、英語のメニューをもらえないかとお願いし、手渡されたメニューをみて少しがっかりしたのだった。

どうやら、このお店は、単なるべトナム料理のお店ではなく、ベジタリアンのお店でもあった。がっつりと(例えばお肉やシーフードなどを)食べたい気分だった事もあり肩を落としたのだったが、今更お店を出て行くのも悪いと思ったので(特に、家族で食事中に、息子と思われる男の子は食べるのを止め、仕事に戻った(つまり私の接客をしてくれた)という事もあったので)、仕方なくベジタリアンのメニューからオーダーをした。

尚、注文が終わると、そのベトナム人と思われる男の子(恐らく、高校生くらいだったと思われる。尚、彼は英語をあまり話せず、私もフランス語は話せなかったので、少々気まずい感じの会話になっていた)は厨房があると思われる、お店の奥の方に歩いて行き、ドアを開け、中に入っていった。

そのお店は、GMの音楽が掛かっているわけでもなく、無音だった。そして、数分後、男の子が奥の間(恐らく厨房だある場所)からドアを開け、出て来た。

手には、注文したベトナムの(そしてベジタリアンの)春巻きを乗せたお皿を持っていた。しかし、不思議なのは、厨房から音が全くしなかった事である。

レストラン特有の音(例えば、強火のフライパンで何かを炒める音、まな板と包丁が奏でるトントントンという音など)が全く何もせず、無音の状態で彼は登場した。いったい、あのレストランの構造はどうなっていたのか、今でも謎である。

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