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ふわっと古事記 解説だかツッコミだかなまとめ

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古事記のあらすじをまとめて、その内容にツッコミを入れる連載。雰囲気重視。
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記事一覧

アテナやイシュタルの向こうを行くか?戦う女神としてのアマテラス

アテナやイシュタルの向こうを行くか?戦う女神としてのアマテラス

伊勢に祭られる天照大神のイメージというと、荘厳な女神、といった静かなイメージをもっているひとはわりと多いのではないでしょうか。

オンラインの勉強会で「アマテラス」をとりあげてみたのですが、実際やってみたら、意外と「男性的な戦う女神」というイメージが再発見されたのが興味深かったです。

戦う女神というとヨーロッパや中東だと

・古代バビロニアの「イシュタル( Ishtar )」
・ギリシャのアテナ

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【古事記まとめ&ツッコミ10】スセリ姫とオオクニヌシ

兄達の迫害にあって根の国に逃げてきたオオクニヌシは、そこでスサノオの娘、スセリ姫と出会います。

互いに眼を見るやいなや恋に落ち、身体を重ね、深い喜びを味わいます。

そして、手に手をとって父親のスサノオの所へ向かいます。

するとスサノオは、まず

「蛇(へび)の室(むろ)で寝ろ」

と言います。

オオクニヌシが困っているとスセリ姫がそっとヒレ(魔法のスカーフ的なもの)を渡し

「このヒレを3

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【古事記まとめ&ツッコミ09】ウサギ、海を渡る

因幡(いなば)のシロウサギ
隠岐の島(おきのしま)という離島に住んでいたウサギさん、ある時、本州の気多の前(けたのさき)に渡りたくなったけど、渡し船もないので、どうしようと思ってある工夫を考えます。

その方法はワニをダマして海に橋をかけるというズルい方法でした。

ウサギはワニを呼んで

「お前の一族と、私達の一族と、どっちが一族の数が多いか比べてみようじゃないか。」

「私がワニさんの頭の上を

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【古事記まとめ&ツッコミ08】オオクニヌシの一生

(大黒様とも同体とされるオオクニヌシの話を一度さらっとまとめます)

あらすじ

スサノオの子孫のオオクニヌシは、兄たちが狙っていたヤガミ姫の心を射止めてしまいます。それがキッカケで兄たちに死ぬほどいじめられ、二回ほど殺されそうになります。

「ここにいては危ない!」と木の国へ逃げ、そこにも兄たちが追ってきたので、今度は根の国というスサノオのいた世界に避難します。

そこでスサノオの娘のスセリ姫

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【古事記まとめ&ツッコミ07】大蛇(オロチ)を斬る

八俣大蛇(ヤマタノオロチ)退治

高天原から追放されたスサノオは、オオゲツヒメの所へ寄った後)地上世界に降りていき、出雲国(いずものくに)の鳥髪(とりかみ)という所へ
降り立ちます。

しばらくすると、川にハシが流れてきたことから、上流に人の住む家がある違いない、と少し歩いて行くと、家が見え、すすり泣く声が聞こえてきました。

スサノオが泣いているおじいさんおばあさんに事情を聞くと

「私にはもと

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【古事記まとめ&ツッコミ06】オオゲツヒメ(食物神の死)

高天原から追放されたスサノオはオオゲツヒメ(食物の女神)のところを訪ねて食べ物をもらおうとします。

ところが、彼女が尻の穴や口の穴などから食べ物を出して調理してもってきたので、これを見て「きたない!」と怒ったスサノオは彼女を切り殺してしまいます。

すると、死んでしまった女神の死体から、人間の食べる食べ物の種などが生まれました。

補足古事記によると、女神の死体からうまれたものは以下の通りです。

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【古事記まとめ・ツッコミ05】天岩戸(あまのいわと)

高天原に挨拶にきたスサノオは誓約(うけい)という呪術的な儀式に勝つと、調子にのってアマテラスを怒らせるようなことばかりをはじめます。

例えば、アマテラスの田を壊したり、食堂にクソをまき散らしたり、はたおり(織物)をする家に皮をはいだ馬を投げ込んだり、という具合です。

ついには、スサノオの乱暴がキッカケでアマテラスの部下のはたおり(織物)をする娘が一人、女性器にはたおりの尖った道具をさしてしまっ

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【古事記まとめ&ツッコミ04】誓約(うけい) スサノオの追放

あらすじ
黄泉の国と中つ国を往復したイザナギは、最後に三人の貴い御子を産みます。

アマテラスには高天原(たかまがはら)を治めるように、
ツクヨミには夜の食国(よるのをすくに)を治めるように
スサノオには大海原を治めるように

それぞれ言い渡して引退することに決めました。

ところが・・・

アマテラスとツクヨミは真面目に仕事をしていましたがスサノオはヒゲが胸まで伸びるくらいの年齢になっても、泣い

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【古事記まとめ&ツッコミ03】死と再生


イザナギの黄泉降り

イザナギとイザナミ、この男女二人の神は、たくさんの子供達を産んでいきましたが火の神を産んだ所でイザナミは生殖器をやけどして死んでしまいます。

大事な奧さんを失ったイザナギは、大声で腹ばいになって泣き、「子供の一人と引き替えに母親を失うなんて・・・」と怒って火の神を切り殺してしまいます。

諦めきれないイザナギは、黄泉国(よみのくに)、死の世界へ、地下深くへと降りていきます

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【古事記まとめ&ツッコミ02】イザナギ・イザナミの国産み神産み

あらすじ天つ神(あまつかみ)という神聖な神々は、イザナギとイザナミの男女二人の神様に、

「この漂える大地を、修(おさ)め理(つく)り固め成せ」

と「地上世界をよく整えてお前たちが治めよ」という命令を与え、天の矛を二人に授けます。

そして、イザナギとイザナミが、天の浮橋に登り、雲の上から矛でまだ混沌としていた大地をかきまぜて、矛を引き上げると、そこから塩がしたたりおち、おのころ島という大地がで

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【古事記まとめ&ツッコミ01】世界のはじまり

このシリーズは、古事記のあらすじをゆるくまとめて、それにかるくツッコミを入れる、というシリーズです。(正確さより雰囲気重視)

あらすじ
高天原(たかまがはら)という大宇宙空間にアメノミナカヌシという神様が生まれ、次にタカミムスヒノカミ・カミムスヒノカミという神様が生まれました。

この神様達は、造化三神(ぞうかさんしん)といって目に見えない神様達で、世界を作る力(フォース)そのものと言ってもよい

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