【古事記まとめ&ツッコミ03】死と再生
イザナギの黄泉降り
イザナギとイザナミ、この男女二人の神は、たくさんの子供達を産んでいきましたが火の神を産んだ所でイザナミは生殖器をやけどして死んでしまいます。
大事な奧さんを失ったイザナギは、大声で腹ばいになって泣き、「子供の一人と引き替えに母親を失うなんて・・・」と怒って火の神を切り殺してしまいます。
諦めきれないイザナギは、黄泉国(よみのくに)、死の世界へ、地下深くへと降りていきます。
イザナギは、黄泉国の扉が閉ざされた地下宮殿の前で、イザナミに「戻ってきてくれ」と頼みます。
するとイザナミは
「既に黄泉国の食べ物を食べてしまったので、難しいです。でも、せっかく来てくれたから黄泉国の神に相談してみますね。ただ、私がいいと言うまで、決して明かりをつけてはいけませんよ」
と言い残して奥へと去っていきます。
長い時間がたち、待ちきれなくなったイザナギは、こっそり火をつけて奥をのぞいてしまいました。
すると、そこにあったのは体が腐敗した状態のイザナミでした。体のあちこちには怖い雷の神がすくっていました。びっくりしたイザナギは全速力で地上世界へと逃げ帰ってしまいます。
「よくも恥をかかせたな!」
と怒ったイザナミは黄泉国の鬼の軍隊にイザナギを追わせます。
イザナギは、後ろ手に剣を持ちつつ髪飾りを投げたり、櫛(くし)をなげたり、桃を投げたりしながら、地上へと逃げていきます。
そうして地上まで逃げて地上世界と黄泉国の扉を閉めたところでイザナミが自ら追ってきます。そうして怒ったイザナミは
イザナミ「お前の国の人間どもを1日に1000人殺してやる」
イザナギ「なら、1日に1500人の人間が生まれるようにしてやる」
(こういう神々のケンカがあってから、人間に寿命というものができたのだそうです)
イザナミと別れたイザナギは
「筑紫の日向(つくしのひむか)」という場所で裸になって水中に入ってミソギをします。
すると、イザナギが左の目を洗った時にアマテラス(太陽神)が、右の目を洗った時にツクヨミ(月神)が、鼻を洗った時にスサノオ(海神)が生まれました。
「私はたくさんの神々を産んできたが、最後に三人の貴い子を得た!」
と大いに喜んだイザナギは
アマテラスには高天原を治めるように
ツクヨミには夜の国を治めるように
スサノオには大海原を治めるように
それぞれ言い渡して引退することに決めました。
ツッコミ
黄泉の国へ下っていく神話は、ギリシャ神話でもシュメール神話でも、世界各地にありますが、【逃げるイザナギ。追うイザナミ。】、ここはとても躍動感があって面白いところです。
古事記の神々の物語から、どれか1つだけ、好きなストーリーを選べと言われたら、多分コレにします。(冒頭の造化三神のくだりも好きなのですが、あれは物語というより詩に近いと思っているので。)
ちなみに、筑紫の日向は、現実世界の地名だとどこになる可能性が高いのだろう問題は下記で考察しています。
古事記って、「人間の寿命期限の神話」が2つ入っていて、1つは今回の話で、もう1つは、コノハナサクヤ姫とニニギの話が、人間の寿命起源の話になっています。
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