見出し画像

アテナやイシュタルの向こうを行くか?戦う女神としてのアマテラス

伊勢に祭られる天照大神のイメージというと、荘厳な女神、といった静かなイメージをもっているひとはわりと多いのではないでしょうか。

オンラインの勉強会で「アマテラス」をとりあげてみたのですが、実際やってみたら、意外と「男性的な戦う女神」というイメージが再発見されたのが興味深かったです。


戦う女神というとヨーロッパや中東だと

・古代バビロニアの「イシュタル( Ishtar )」
・ギリシャのアテナ(Athēnā)やアルテミス(Artemis)
・北欧神話に出てくるブリュンヒルテたちヴァルキューレ(Die Walküre)

あたり有名な所でしょうか。

戦う女神ってわりとマンガなどに登場することも多くて、聖闘士星矢のアテナ、銀河英雄伝説のアルテミスの首飾り、FGO(fateシリーズ)のイシュタル、などが、ぱっと思いつくところでしょうか。

アメリカ海軍のイージス艦の語源は、アテナの持っている盾(アイギス Aigis )からきています。Aigisを英語読みするとイージス。

どこか聖性を帯びた戦う女性、という区切り方をすると、ベル薔薇のオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(フィクション)、英仏百年戦争時のジャンヌダルク、なども入ってきます。


さて、アマテラスがどのあたりが「戦う女神」なのかというと、

古事記の天岩戸神話の話の前に、スサノオが高天原にやってくるシーンがあります。

ここで、スサノオが高天原を乗っ取りに来たと勘違いをしたアマテラスは、

すぐに髪型を活動的なものに切替え、マジックパワーアイテム的にたくさんの勾玉でできた宝具を装備し、大量の矢と弓でしっかり武装して、オラオラな感じで「スサノオ、貴様、何しにきやがった!」と出迎えます。


現代のマフィア映画の抗争シーンみたいなものに置き換えるなら、

(弟の殴り込みと聞くや否や)髪をまとめて、お守りをつけ、服の下にボディーアーマーをまとい、手に自動小銃、予備弾倉を数点ベルトから吊り下げ、背中には対戦車バズーカを背負い、マイクごしに「なにしにきやがった!」とドスをきかせて警告した。

というところでしょうか。(装備は適当に盛ってみた)


この「スサノオ、襲来」を迎撃しようとするシーンって「戦う女神様としてのアマテラス様」イメージがわりと出てきやすいところなのかなと思います。

あとは国譲神話でも高木神と一緒に「国よこせ!」と交渉していくわけなので、ここもわりとバトルな交渉をしているシーンになります。



参考

古事記の該当シーン(wikisource)


即解御髮。纏御美豆羅而。乃於左右御美豆羅亦於御鬘亦。於左右御手。各纒持八尺勾璁之五百津之美須麻流之珠而。〈自美至流四字以音。下效此。〉曾毘良邇者負千入之靫。〈訓入云能理。下效此。自曾至邇者。以音。〉附五百入之靫。亦臂佩伊都〈此二字以音。〉之竹鞆而。弓腹振立而。堅庭者。於向股蹈那豆美。〈三字以音。〉如沫雪蹶散而。伊都。〈二字以音。〉之男建〈訓建云多祁夫〉蹈建而。待問。何故上來。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?