【古事記まとめ&ツッコミ08】オオクニヌシの一生

(大黒様とも同体とされるオオクニヌシの話を一度さらっとまとめます)

あらすじ

スサノオの子孫のオオクニヌシは、兄たちが狙っていたヤガミ姫の心を射止めてしまいます。それがキッカケで兄たちに死ぬほどいじめられ、二回ほど殺されそうになります。

「ここにいては危ない!」と木の国へ逃げ、そこにも兄たちが追ってきたので、今度は根の国というスサノオのいた世界に避難します。

そこでスサノオの娘のスセリ姫と出会い、まぐわひ(男女が体をあわせること)をします。「来た、見た、交わった」という勢いです。

その後、姫の父親であるスサノオから数々の試練を与えられますが
スセリ姫の助けで無事に試練をくぐりぬけます。

最後には、無事に父神スサノオから祝福されてスセリ姫と夫婦になります。

そして、強くなって帰還したオオクニヌシは、悪い兄たちをやっつけ、海の向こうからやってきたスクナヒコナという小人の神様と一緒に、出雲の国作りを成し遂げます。

その後、アマテラスから「自分の子孫に地上の国を譲ってほしい」というと申し出をされ、巨大な神殿を建てることと引き換えに(※)、地上世界をアマテラスの子孫に譲って帰天します。


ツッコミ

最後の国譲りのところ、単に上から脅されて奪われたわけではなく、それなりの対価を要求して、それと交換したという話になっています。

この辺、商売人の神である大黒さんと同一視されるオオクニヌシだけあって、交渉事に強い神であるとみる事ができます。

「いや。別に戦ってもいいんですよ。ただ、そちらにもかなりの犠牲が出るでしょう。それよりは、平和的に交渉といきませんか。」

的なことを言ったという記録はありません。

ただ、「等価交換」的な交渉結果にまとまっているところをみると、スサノオ直系のオオクニヌシと、アマテラス子孫のニニギと、パワー的にはたいした差はなかったと考えることができます。

補足

「譲ってやるから、立派な神殿を建てるのだ」といった交換条件で国譲りをしたオオクニヌシですが、後にアマテラスやニニギの子孫である天皇たちが神殿の件を放置すると、皇子に祟って罰を与える話が後半で出てきます。

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