ひろのしん

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演歌はしみったれてるから良いんだよぉ

年をとるにつれて、演歌の良さがわかってくるのは、 演歌が「しみったれ」ているから、なんだろうなァ。 にんげんなんて、ひと皮むけばみんな、ぐっちょりシミだらけですよ。 #3行日記

    • よわくて、ゆがんで、よごれていても。

      にんげんは、フクザツなのです。 じぶんの「よくないところ」が、別のなにかを発達させて、 じぶん「いいところ」が、生まれたりするのだから。 #3行日記

      • 32.東京は星が見えないから

        ここ最近は、帰宅が夜12時近くになる日が続いている。平日はどっぷりと仕事をしているからだ。誰もいないオフィスで黙々と仕事を続け、それが済めば、PCの電源を落とし、ぐっと伸びをした後に、荷物をまとめて施錠して会社を後にする。 独り身であることと、会社から徒歩10分程度の場所に家があるのは、労働時間が長い僕にとっては幸いである。いつ帰宅しようと、パートナーに対して気を遣う必要も無く、くたびれた身体を終電に預けることも無いのだ。ただ、会社から家までの道をテクテクと歩き、家に着いた

        • 31.呪いのマクラ…?

          あぁ、やってしまった。 飲酒運転だ。 少なくとも2台は車をぶつけてしまった気がする。人を撥ねてはいないだろうか。パニック状態になった僕は、T字路の突き当りをそのまま直進し、ガードレールを突き破って、茂みの中へ入っていった。数秒走った後、車を急停止させ、今に至る。 頭が痛い。視界が歪み、指先の感覚は鈍い。空調も入れていない、じっとりと蒸し暑い車内で、僕はイヤな汗でシャツをべったりと濡らしながら、どうしてこうなってしまったのか、おぼろげな記憶をたどっていった。 夜中1時頃

        演歌はしみったれてるから良いんだよぉ

          30.ひとりじゃ生きて、いけないよ。

          過去を振り返らないように生きてきた気がする。 もっと言えば、過去を切り捨てて生きようとしていた気がする。 過去の心地よい思い出に浸かることなく、必死に今を生きること。自分を取り巻く環境がガラリと変わって、着実に未来へと進んでいる。その感覚が好きだったし、それで正しいのだと思っていた。 けれども最近はなんだか、それはちょっと違うんじゃないかと思い始めている。 いま僕は、新卒で入った、知り合いも全くいないベンチャー企業で働いている。ガチガチに志望動機を固めて・・・というわ

          30.ひとりじゃ生きて、いけないよ。

          29.ばあちゃん、バイバイ。

          最近、家に帰ると泣きそうになる。 仕事のストレス…ではなくて、今現在の家の匂いが、僕にある出来事を思い出させるからだ。 家の匂いと言うのは、お線香の香りである。なぜお線香の香りがするのかというと、先日、渋谷の東急ハンズ裏にあるアジアン雑貨店「仲屋むげん堂」で購入した、インドのお香のせいに他ならない。 「仕事で疲れて帰っても、ドアを開けた瞬間良い匂いがしたら疲れも吹き飛びそう!」との思いで買ったのだが、たしか僕の記憶では石鹸の香りだと書いてあったはずである。しかし、これが

          29.ばあちゃん、バイバイ。

          28.これ以上非モテが苦しむ姿なんて見たくない

          男に生まれたからにはやっぱりモテたい。 モテるとは、僕たち男にとって永遠の課題なのです。 本屋やネットを検索すれば、「ゼッタイ恋人ができる10の方法!」「モテる店選び」「最強のナンパ術」などなど、実にたくさんの情報があふれています。 ですので、モテるための情報にはまあ困らないんですが、ちょっと冷静になってみてください。 これらの本を読んで、モテるようになりましたか? たぶん、ほとんどの人がNoと答えると思うんです。僕だってそうです。おっかしいなーと思って数十年、僕が

          28.これ以上非モテが苦しむ姿なんて見たくない

          27.私をどこかへ連れていって

          社会人になってからは、会社の近くなら家賃補助が出るということで、恵比寿に住んでいます。恵比寿というと、恵比寿ガーデンプレイスをはじめとするお洒落スポットに、美味しいレストラン、はたまた恵比寿横丁のような出会いの場まで、オトナの娯楽が詰まった街で有名ですね。 引っ越してきたばかりの頃は、「あの恵比寿に住めるんだ!」ということで嬉しさいっぱいで、休日はやたらと近所を歩き回ったり、銀座や表参道などのおしゃれエリアに出かけて行ったものでした。中央線の奥地から出てきた僕にとっては、何

          27.私をどこかへ連れていって

          26.懐かしさの引力

          「夕日は人を振り返らせる。」 映画クレヨンしんちゃん『オトナ帝国』の名セリフですが、いざ自分も大人になってみると、この夕日のようなものが日常のあらゆるところに潜んでいることに気づかされます。 日曜夕方の笑点⇒ちびまるこちゃん⇒サザエさん。Youtubeにアップされているおジャ魔女どれみやデジモン。本屋で目にする、昔読んだ小説やマンガ。これらは強烈な引力を持って、今の忙しい生活から、心地よい過去の懐かしい思い出の中に引き戻そうとしてくるのです。 そんな過去の誘惑に負けた次

          26.懐かしさの引力

          25.中伊豆のアイドル

          小学校高学年の頃、秘密基地を作ることに夢中になっていた時期がありました。幸い、中伊豆という緑豊かな田舎町で育ったため、秘密基地になりそうな場所はたくさんあり、神社の裏や、原っぱのど真ん中、森の中、山の洞穴など、いたるところに秘密基地を作っては飽きて、壊して別の場所に移動する、といった遊びを繰り返していました。 ある日のこと、僕は新しい秘密基地の候補地を探して、友だちのゆうや君と町を歩き回っていました。すると、山のふもと辺りに、ちょうどよい木々の茂みがありました。分け入ってみ

          25.中伊豆のアイドル

          24.バランス

          仕事をすると、心が疲れるけど身体は疲れない。 運動すると、身体は疲れるけど心は元気になる。 睡眠をよく取ると、心も身体も元気になる。 心身共に健康であるためには、このバランスがだいじだよなぁ。 (趣味とか私生活の充実とかは、どこに入れていいのかわからない。)

          23.GOEMON

          僕が中学2年生くらいの頃、『GOEMON』という映画が放映されました。主演は江口洋介。かの有名な江戸時代の大泥棒「石川五右衛門」をモチーフにした作品なのですが、いわゆる時代劇というよりは、当時最先端のCG技術ををふんだんに使った作品で、CGならではのアクロバティックな表現や幻想的な風景が、まるでゲームの中の世界にいるような気分にさせる、非常にエキサイティングな作品です。 ある日の夕食中のことでした。この『GOEMON』のテレビCMが、家族だんらんの食卓の中流れたのです。時間

          22.生贄になっても構わない。

          ラクロスの育成コーチ時代の教え子たちが、いよいよ4年生になりました。 個人的にとってもリーグ戦を楽しみにしていたのですが、このコロナ騒ぎの中、なかなか思うように練習ができないようで、何人かの教え子に連絡を取ってみると、みな口をそろえて「ラクロス全然できてないです」とのこと。 ラストシーズンなのに思うように練習もできず、シーズン当初に計画していたスケジュールもままならないままリーグ戦に臨まなければいけないと思うと、もし自分が今の4年生だったらすごく不安になるのは間違いありま

          22.生贄になっても構わない。

          21.コウ、停学になる。

          前回の話では弟のコウが小学校の時、全裸でプールに入ったという話をしたが、他にも小学校時代のコウはいろいろとやらかしている。 朝、家を出て学校に行ったと思ったら、自宅の車庫の裏にずっと隠れていたりしたこともあったし、親指をしゃぶる癖がエスカレートして、ずっと親指をチューチューとしゃぶっていたら、しゃぶりすぎて親指にタコができてしまい、お医者さんに取ってもらった、なんてこともあった。 そんなコウの奇行も成長と共にだんだんと落ち着いてきて、中学に上がってからはだいぶ大人しくなっ

          21.コウ、停学になる。

          21.全裸弟

          僕の家は4人兄弟。しかも全員男。みな年も近いので、おかげでケンカに遊びと、少年時代に退屈した記憶はあまりない。 3番目がコウという奴なのだが、こいつがなかなか変わり者で、時折おかしな行動をとることがある。小学生の頃、当時コウはスティックパン(コンビニで6本入りとかで袋に入って売っている、細長い菓子パン)が大好きで、どこに行くにもムシャムシャとスティックパンを食べていた。 ある日、家の便所(当時はまだ和式便所だった)を開けると、コウが尻をこちらに向けて大便をしている最中だっ

          20.比喩のちから

          恥ずかしながら、名作アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』を、今になって初めて観た。めちゃくちゃに良いアニメだった。最終話を観終わった後は胸がジンジンして、ボーっと天井を見つめながらしばらく感傷に浸っていた。 ストーリーを頭の中で振り返ってゆくと、『あの花』が伝えたかったメッセージのようなものが次第に見えてくる。だぶんそれはすごくシンプルなもので、「友達を大切にしよう」とか「自分のことだけ考えてちゃだめだよ」とかそういったことだと思う。すごく当たり前のことなんだけ

          20.比喩のちから