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雇用創出オムニバス法(8)-最低払込資本金額の増額?!
1 驚きの朝 4月29日(木)の朝、いつものようにパソコンを開き、メールチェックをしたところ、BKPM(インドネシア投資調整庁)側からのメールを見て、一気に目が覚めた。
そのメールによれば、雇用創出オムニバス法の細則の一つである「リスクベース事業許可実施に関する政令2021年5号」の細則として、いくつかのBKPM令が公布された、とのことだった。
ふむふむ。インドネシア法のあるあるで、法律の
雇用創出オムニバス法(7)-リスクベースの許認可の導入【アップデート】
1 はじめに 「雇用創出オムニバス法(4)」で、雇用創出オムニバス法によるリスクベースの許認可の導入を取り上げた。そこでは、「日本企業がインドネシアで事業を行う場合に、各種の許認可を得ることは避けて通れないプロセスである。そのため、この改正が日本企業のインドネシア投資に与える影響は大きい。もっとも、その詳細については、政令の制定を待つ必要があり、引き続き、今後の状況を注視していきたい。」と締めくく
もっとみる雇用創出オムニバス法(6)-ポジティブリストの導入
1 はじめに 「雇用創出オムニバス法(2)」で、雇用創出オムニバス法による投資法の改正を取り上げた。そこでは、「雇用創出オムニバス法によって、インドネシア投資の枠組みが大きく変更される。その詳細については、大統領令の制定を待つ必要がある。」と締めくくった。
その後、2021年2月16日、インドネシア政府によって、政令45本、大統領令4本の制定が発表された。これらの細則制定までの状況については、
待望の政令・大統領令の制定!しかし、制定日・公布日のバックデート?!【雇用創出オムニバス法・アップデート】
待望の政令・大統領令の制定 雇用創出オムニバス法による改正内容の詳細の多くは、政令、大統領令といった細則に委ねられており、施行日である2020年11月2日から3か月以内に、つまり、2021年2月2日までに、細則が制定されるとされていた(同法185条a.)。そこで、インドネシアビジネスに関心を持つ人達は皆、今か今かと細則の制定を待ちわびていたのである。
この3か月を過ぎて、現地でも、「3か月の法定
まもなく、政令・大統領令が成立!?【雇用創出オムニバス法・アップデート】
雇用創出オムニバス法について、「投資法の改正」「会社法の改正」「リスクベースの許認可の導入」「労働分野の法改正」といった個別具体的なテーマでコラムを掲載してきた。これらの改正について、肝心の部分は、下位法令である政令・大統領令に委ねられている。
同法185条a.によれば、施行日である2020年11月2日から3か月以内に、政令・大統領令が制定されるとされている。
すると、2021年2月2日で、
noteを始めました【自己紹介】
大川 恒星(おおかわ こうじ)と申します。大阪の弁護士です。
2015年1月から弁護士として働き始め、2019年夏から、アメリカのUCLA(University California Los Angeles)ロースクールに留学しました。コロナ禍で色々とあったものの、昨年5月に卒業し、10月にニューヨーク州司法試験を受験しました(なんとか無事に合格)。今はインドネシア・ジャカルタの法律事務所で
雇用創出オムニバス法(5)- 労働分野の法改正
1 はじめに 本コラムでは、労働法(労働に関する法律2003年13号)を含む、労働分野の法改正を取り上げる。インドネシアの労働法は、労働者保護に手厚い。その反面、使用者にとっては厳しい内容に頭を抱える、現地の日系企業の担当者も少なくないと思われる。
日本の労働法も比較法的には労働者保護に手厚く、例えば、筆者が留学した米国の労働法制と比較すれば、使用者にとって厳しい規制となっている(米国だと、例え
雇用創出オムニバス法(4)- リスクベースの許認可の導入
1 はじめに 本コラムでは、主に「リスクベースの許認可」を取り上げる。これは、雇用創出オムニバス法(7~12条)によって新たに導入されたものである。日本企業がインドネシアで事業を行う場合に、各種の許認可を得ることは避けて通れないプロセスである。そのため、この改正が日本企業のインドネシア投資に与える影響は大きい。
2 リスクベースの許認可(1)従前の許認可の仕組み インドネシアでは、2018年7月
雇用創出オムニバス法(3)- 会社法の改正
1 はじめに 本コラムでは、会社法(株式会社に関する法律2007年40号)の改正を取り上げる。雇用創出オムニバス法(109条)によって、会社法の一部が改正された。この改正は、零細・小規模企業の設立の促進に向けられたものであり、(零細・小規模企業には当たらない)日本企業のインドネシア投資に与える影響は小さいと考えられる。むしろ、日本企業のインドネシア投資の障壁の一つであった、最低投資総額と引受・払込
もっとみる雇用創出オムニバス法(2)- 投資法の改正
1 はじめに 前回のコラムでは、雇用創出オムニバス法の成立過程とその概要について取り上げた。本コラムでは、投資法(投資に関する法律2007年25号)の改正を取り上げる。雇用創出オムニバス法(77条)によって、投資法の一部が改正された。この改正は、日本企業のインドネシア投資にも大きな影響を与える。
2 投資法とは 投資法とは、インドネシアの国内・外国投資を規律する基本法である(全40条で構成される
雇用創出オムニバス法(1)- 雇用創出オムニバス法の成立過程とその概要
※ 筆者が所属する法律事務所のホームページ上で2020年11月初旬に掲載したものをnoteで再掲しています。
1 はじめに インドネシアのジョコ大統領が、2020年11月2日、「雇用創出オムニバス法」に署名したことで、同法は成立し、同日、公布と同時に施行された(186条)。同法案が同年10月5日に国会で可決されたのち、まもなく30日が過ぎようとしていたときだった。インドネシアでは、法案は、国会で
インドネシア法の概要
インドネシア法は、多元的である。オランダによる植民地支配の影響や民族的・文化的・宗教的な多様性を背景に独特な法体系となっている。
①制定法、②慣習法(アダット法)、③宗教法(主にイスラム法)の3つに分けられる。
※ 島田弦編『インドネシア 民主化とグローバリゼーションへの挑戦』旬報社(2020年)30~38頁の分類に従った。
<インドネシア史の概要> ※ 外務省ホームページより一部抜粋
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