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読書録~金融危機下でFedを率いたBen Bernankeが振り返る21世紀の金融政策~21th Century Manetary Policy
生まれて初めて世界規模でのインフレーションを経験して、マクロ経済や金融政策の本を読みたいと思っていたので、本書を手に取りました。 著者は、Great Depressionの研究者であり、世界金融恐慌時にFedの理事長を務めたBen Bernanke氏です。 本書は、前半は20世期のアメリカのFedと金融政策の変遷を、後半は21世紀以降の経済状況の変化や、新たに行われるようになった金融政策のツールについて議論しています。 21世紀以降の経済状況の変化として挙げられていたの
読書録~ビッグデータの知見でつづられる自己啓発本~Don't Trust Your Guts by Seth Stephens-Davidowiz
Everybody Lies の著者の新作を読みましたが、本作も面白かったです。 前作は、著者自身のリサーチ(Goggle サーチ)からの知見を中心にしていましたが、本作は様々なビッグデータの研究成果を紹介していく形式になっています。 著者の新作を知ったのは、たまたま以下のPodcastの著者へのインタビューを聴いたからでした。 著者は、前作のKindleのブック―マークのデータを分析し、自己啓発をテーマにすることにしたとか。他にも、本作にまつわる面白い話が沢山出てきまし
読書録~お金や投資との向き合い方についてのエッセイ~The pshycology of Money by Mogran Housel
投資や金融は、一般には数学的に、アカデミックの世界で導かれた理論などに基づき教えられるが、心理学的や人生哲学に考えた方がいいのではないか、という筆者の考えに基づき展開されるエッセイです。 資産形成にあたって大切なのは、まず自分の選好をよく理解することであるというのが全体を通じての主張であると感じました。 筆者のお金や生活に対する考え方が自分自身に近いため、心に響くフレーズが沢山出てきました。 筆者がお金に求めるのは、好きなタイミングで、好きな人と、好きなことをする自由を
読書録~コンピュータサイエンスの知見を日々の生活へ Algorithm to Live By Brian Chritian and Tom Griffiths
アルゴリズム思考術として日本語への翻訳もされている表題の本を読みました。 コンピュータサイエンスの文脈での重要なアルゴリズムを、日常の場面の文脈で説明してくれて、それが凄く面白かったです。 何度も耳にして、普通に使っているけど、全然理解していなかったコンセプト(キャッシュ、パケット)なんかも、なるほどそういう風になっているんだと勉強になりました。 それから、今まで別の領域の学問で聞いたことがあるようなコンセプトに、コンピュータサイエンスの視点からの説明がされて、それも目
読書録~日系アメリカ人の強制所収容をテーマにした物語 When Emperor was divine by julie Otsuka
日系アメリカ人Julie Otsuka氏のデビュー作である、日系アメリカ人の強制所収容をテーマにした物語を読みました。 Wikiからの引用ですが、Horizon氏のSylvia Santiago 氏のOtsuka氏の文体に対する評価ー "scrupulously unsentimental", thus "creating a contrast to the sensitive subject matter"が私の感じたことをピッタリ表していました。 私の遠い親戚にも、何