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読書録~金融危機下でFedを率いたBen Bernankeが振り返る21世紀の金融政策~21th Century Manetary Policy

生まれて初めて世界規模でのインフレーションを経験して、マクロ経済や金融政策の本を読みたいと思っていたので、本書を手に取りました。

著者は、Great Depressionの研究者であり、世界金融恐慌時にFedの理事長を務めたBen Bernanke氏です。

本書は、前半は20世期のアメリカのFedと金融政策の変遷を、後半は21世紀以降の経済状況の変化や、新たに行われるようになった金融政策のツールについて議論しています。

21世紀以降の経済状況の変化として挙げられていたのは、インフレ―ションと失業率の関係の変化、実質経済成長率の鈍化、それらに伴う、名目金利の下落。伝統的な金融政策の政策幅が限定的となってはしまったが、新たに行われるようになった量的緩和、経済、金利見通しに関するよりオープンで明確なコミュニケーションな等により、伝統的な金融政策が達成していたのと同程度の緩和的な効果をもたらすことは可能であると彼は言います。

個人的には、2000年代後半の金融危機以来の、歴史的な瞬間に今いるんだなあと思いました。2020年代コロナ開始時の急速な失業率の上昇とGDPの縮小、そこからの財政刺激策と金融緩和、Work From Home等の状況も相まっての住宅価格の急上昇、物流やコロナでの労働力不足を受けての物価上昇。。。

数年前にこんなことが起こると聞いたら信じられなかったと思いますが、今は、こういうことも起こるのだなと。

金融政策やマクロに疎い私には、途中、難しかったり眠くなったりしちゃったりもしましたが、総じて、普通の人向けにわかりやすく書いてあり、面白かったです。

https://www.amazon.com/21st-Century-Monetary-Policy-Inflation/dp/1324020466


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