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読書録~ニューヨークでの偶然の出会い Rules of Civility by Amor Towles

Gentleman in Moscow Lincoln highwayの著者の小説家としてのデビュー作を読みました。


1938年、大恐慌の後のニューヨークを舞台に、中年となった主人公Katyが20代半ばの、その後の彼女の人生を影響づけたある一年を回想する形で語られる小説です。

作者は、本作が予想以上に売れたため、早めにリタイヤして著作に集中出来るようになったそう。


彼の他の作品と繋がるキャラクターやモチーフ(ニューヨークやロシア、文学作品や映画、社会階級)がありつつも、全く異なるスタイルに感じられる作品で夢中になって読みました。


20代のKateyではなく、中年になった彼女が回想するという設定だからでしょうか。読んでいて、時間という距離を隔てて昔のことを振り返ったときに感じるなんともいえない甘酸っぱいような気持ちを彷彿とさせてくれました。

主人公は、労働者階級の出身ですが、この1938年の一連の出来事を通じて、ハイソサエティ側に行きます。そして、その生い立ちのわりに、とても知的で教養深い女性として描かれます。

そういう設定だったり、互いに対照的な彼女を取り巻くキャラクターだったり、そして、1938年のニューヨークが、とても魅力的に描かれている小説でした。

著者のウェブサイトに行くと、Book Club向けの質問があります。読み終えて振り返るのも楽しいと思います。

https://www.amazon.com/Rules-Civility-Novel-Amor-Towles/dp/0143121162






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