主体と客体の間。洞窟で道に迷うということ。
その日は木曜日だった。まさに木曜日という感じの木曜日だった。空には色紙を貼り付けたいみたいな雲ひとつない青が広がっていて、鳥がチョキチョキとうるさく鳴いて、隣の部屋のきちがいおじさんはお経を唱えている。僕と狐島(きつねじま)さんはなんとなく、そんな木曜日に嫌気がさしていたような気がする。僕には狐島さんの気持ちなんて毛一本すらわからないけれど、その時はなんとなくわかったのだ。だから2人とも機嫌はすこぶる悪かった。セックスに始まって暴力に終わるような、学生が作った意味のないショー