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#児童文学
アニメになった児童文学から見えてくる世界<11>:心の闇を描く「わたしのアンネット」
1983年(昭和58年)の世界名作劇場作品「アルプス物語・私のアンネット」。
子供の頃にテレビ放送で毎年続けて見ていた世界名作劇場だったのですが、この作品は当時は途中から興味を失ってしまい、最後まで見ることができなかったものでした。2022年になってインターネットで39年ぶりに見ることができました。
ちなみにアンネットという名前、英語版原作ではAnneteで、英語圏ではよく知られたアネットとい
アニメになった児童文学から見えてくる世界<6>: 沈んだ都の物語
子供のために書かれた物語で一番面白くないものは、教訓的なもの。
良い子はこうあるべきとか、予定調和的な勧善懲悪もの、修身的なものはつまらない。
最も面白いのは、やはり冒険物語。
子供を冒険に連れ出す一番手っ取り早い方法は、親と引き離すこと。
そうすることで否応なしに、保護者のいない日常生活は冒険世界へと変容するからです。
子供の頃に見たアニメのエピソードで忘れられないものがあります。
アニメになった児童文学から見えてくる世界<3>:児童虐待が虐待ではなかった時代
1975年より毎年テレビ地上波で放映され1990年代後半には視聴率低迷に苦しんでいた「世界名作劇場」は1997年の「家なき子レミ」を最終作として終了。
しかしながら10年間の空白期間を経て2007年には「世界名作劇場」は二十一世紀らしいデジタルアニメとして復活。
満を期して登場した二十一世紀の第一作目は、十九世紀フランス・ロマン派最高の詩人である大文豪ユーゴーの畢生の大作「レ・ミゼラブル=惨め
アニメになった児童文学から見えてくる世界<2>:働かされる子供たち
十九世紀から二十世紀までの児童文学に顕著なのは、働く子供たちの存在。
先日紹介したエクトル・マロ原作「家なき娘」をアニメ化した「ペリーヌ物語」には、当然ながらたくさんの働く子供たちが登場しました。
旅中で出会う子供たちは誰もが働いていて、学校などには通ってはいません。十九世紀後半のヨーロッパの有様です。十三歳のペリーヌが辿り着いた工場のあるマロクール村の女工たちもペリーヌと同世代の少女たち。