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違和感

中学に入ると、色々な違和感に気が付いていった。

うちの両親は、夕方から仕事で居なくなる。
夜に友達と電話で話してる時にお腹空いたーって言ったら、晩ごはん食べてないの?って聞かれ、当然食べてないし食べる物もないよと答えると、今日の晩ごはんの残りだけどって、急いでおにぎりとおかずをもって来てくれた。
それが温かくて美味しくてビックリしたのと同時に、そんな心配して夜にわざわざ急いで来てくれた事にも驚いた。

その後、だいたいの人は晩ごはんがあって家族とはこんな話してるんだよとか、色んな事を教えてもらい、よくその子の家でご馳走にもなった。
あたしには、食事が温かいのも親兄弟が、仲良く話してるのもお互いを傷つけないのも当たり前ではなかったから、外の世界が新鮮で楽しくて居心地がよかったんだと思う。
そしてあたしは、なかなか家に帰らなくなり、夜、街を彷徨いては悪い事も覚えていった。

それでも家にいるより学校が好きだったから学校には行ってたなぁ。

ただ学校でも若い先生が多かったからか、タバコをくれたり、告ってくる先生もいたりと今思えば変な世界だった。
若い男の先生と食事した後、そのまま家に泊まる事もよくあったし、初詣でとかドライブとかも行ってて、今だと問題だよね。

そんな世界でも当時のあたしには、我が家より家族より必要としてくれてる感じがして誘われればついて行った。
けど、孤独感や自分は居なくなってもいい、いつ死んでもいいって感覚は増幅するばかりで、怖いものはなくなってた感じ。

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