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Vol.002 「体制」との渉り合い(前篇) 〜ひよこクラブの基本精神《6 ムキになれ》 について〜

①ひよこクラブの基本精神《6 ムキになれ》 について

 若い先生が「○○をやりたい!」というときに、大ベテラン大先生は、

「かける労力に対する成果が望めない」とか

 「それで学力が上がるとは思えない」とか

「慎重にやらねばならない。今はまだだ!」とか

「定着させきれなかったらかえってマイナスになる」とか

「具体的なプランは? 戦略は? 勝算は? ビジョンは? で、どこを着地点にするの?」

などと、おっしゃいます。

 こうしたセリフの本音は往々にして、めんどくさい、または恐い、です。
 でもこれまでの実に多くの苦労や経験に裏打ちされた「めんどくさい」「恐い」なので説得力があります。
 たとえば、担任の協力が必要だけど乗り気じゃない担任がいるとか(なかなか横並びで「よっしゃ、やろうぜ」にならない)、指導に乗らない生徒がぽろぽろ出たとき(自分のクラスならどうにでもできても、他のクラスで出たとき)担任はもちろん学年団も対応できず、結果的に全体が形骸化してしまうのではないかとか、これはこれで、もしやるんだったら本当にうまく運用していきたいという思いがあればこその「めんどくさい」「恐い」だったりします。
 ですから決してみなさんのやる気を全否定したくて言っているとは限りません。また、大ベテラン先生が思考停止しているから若いみなさんの提案をとりあえず潰そうとしているわけでもありません(そういう場合もありますけど)。

 「厳しい現実」を突きつけているんです。みなさんのやる気を「甘い妄想」だと言わんばかりに、です。実際、まあ苦労人(ベテラン)たちから見たら、たしかに若い人たちの「ちょっ、やろうぜ!」はアマアマの甘い夢なんですけどね。

 さて、ここからが大切です。
 では、だからといって、みなさんは、「ぜひやりたい!」と思っていることをひっこめてしまいますか? それとも、ぶつかって闘い抜きますか?

 どちらもうまい方法ではありません。ひっこめたらきっと生徒の不利益につながります。闘えばストレス抱えるだけで、多くの場合よけいに実現は遠のくでしょう。

「体制」は常に慎重で保守的です。そんなときにはどうしますか?

 私にはおいしい話はできません。
 ですから私からの提案は、「時間をかけましょう」ということだけです。みなさんが教育活動で本当に大切だと思うことは、時間をかけてでも実現するべきです。けれどここで大切なことは、「実現すること」以上に、「時間をかけてでも」のところです。子どものようにすぐに成果や結果を欲しがるのは、断じて教育ではありません。
 今すぐには理解されなくても、また今すぐには誰からも見向きもされなくても、時間をかけて説明し、何度も起案し、スタンドプレーにならない範囲で1人で実践できることは実践しましょう。本当にみなさんがそれを大切な教育だと思うならたとえ何年かかっても、です。

 それが、保守的で動こうとしない旧態依然とした「体制」との唯一の渉り合いの方法です。ひよこクラブの基本精神《6ムキになれ》が大切なのはこれが理由です。

 最後まで読んでくださりありがとうございました!

 あと、もし実際の事例や経験話などをお聞きになりたい方がもしいらっしゃいましたら、守秘義務に抵触しない範囲で、必要であればフェイクも交えて、でもできるだけ事実に即して、本質は曲がらないように気をつけてご紹介いたしますので、お気軽におっしゃってください。

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