松井創斗|松井創斗建築設計事務所

松井創斗建築設計事務所代表 一級建築士 大学院卒→10年間組織設計事務所→独立 「そこ…

松井創斗|松井創斗建築設計事務所

松井創斗建築設計事務所代表 一級建築士 大学院卒→10年間組織設計事務所→独立 「そこでしか生まれない風景・その建主だからこそ生まれる建築」を目指します。https://www.sotomatsui.com

最近の記事

予算200万円台でのDIYマンションリノベ8 ~竣工写真編~

それでは、ビフォーアフター形式で竣工写真をあげていこうかと思います。 なんということでしょう。 それなりに住めるようになったかと思います。 いろいろ、思惑が外れたこともありました。 特に子供部屋。 こどもはこんなところに収まることなく、リビング全体を使って走り回って遊びます。なので、キッチンの方に柵を付けることにしました。

    • 予算200万円台でのDIYマンションリノベ7 ~費用編~ 

      カーテン選び カーテンの生地を選びたい。カーテンって結構お高いですよね。 安いのって何故か柄物が多い。安い服もなぜかヘンな柄のやつが多い。 最近はそうでもないけど。 庭の植栽を選びにホームセンターに行くと、農業用不織布が売っていました。 不織布と言うだけあって、織ってない。それがなんだか綺麗でした。 外部用に使うくらいだし、結構丈夫なんですね。 自宅なんで、実験的に使ってみることにしました。ゆったりと風に揺蕩って、部屋の空気の流れがぼんやり見えるのがとっても面白い素材

      • 予算200万円台でのDIYマンションリノベ6 シロアリの棲家から人間の棲家へ

        壁は塗装にすることにしました。汚れるからという理由で、前職ではなかなか使えなかった艶無し塗装です。自宅なら、汚れたらホワイトのように上から塗れる気軽さで採用! 教わった通りに、既存のクロスをぺりぺりと剥がしていきます。 超楽しい。簡単にはがれていきます。 出来ないと思っていた領域に踏み出すのは何とも言えない高揚感があります。小さなころに遠い町まで自転車で行った感動は、大人になっても味わえるものです。 クロスの薄皮まで剝いでしまったところが気になったので、綴組の麻子師匠に

        • 予算200万円台でのDIYマンションリノベ5 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          大体全体的に整理したあたりで、もう一度スケッチを描いていってみました。 この家は、変に壁の角が丸かったり、壁がずれていたりしたのですが、すべて直していたらどんどん増額していきます。 そこで、中央にアーチの開口をつくることで、アールの空間を前向きに捉えてみました。子供のために棚や机の角を落としたりするし、柔らかい空間でこれはこれでいいんじゃないかと思います。 もうひとつ、マンション感丸出しの図太い梁と、アルミサッシの野暮ったい感じをなんとかしたい。 私は片付けが苦手です。

        予算200万円台でのDIYマンションリノベ8 ~竣工写真編~

          予算200万円台でのDIYマンションリノベ4 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          収納をかんがえる さて。こだわりは置いといて、ボロボロになった収納をどうにかしないといけません。 どんな家具をつくっていこうか。 でも、家具工事ってすっごい高いんです。技術も要るしそんなお金もない。 なんなら、将来どんな棚が必要になるか、わかりません。 とりあえず、思い切って全て解体して、壁に棚受けレールだけを仕込むことにしました。服屋さんとかにあるやつです。 子供が大きくなったら、棚を増やせるつくりにすることで、使い勝手と風通しの良さの両立を目指しました。 ホ

          予算200万円台でのDIYマンションリノベ4 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          予算200万円台でのDIYマンションリノベ3 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          床材について 相当に悩みました。 素材の話をしてみたいと思います。 とても長くなります。 面倒くさいと思った人は読み飛ばしてください。 要約すると「今の自分にちょうど良いから塩ビタイルを使うことにしたよ」です。 なんでもそうですが、素材には無垢のものと、化粧をしたものがあります。デザインをやっている人は、無垢のものって美しいと思う人が多いです。 僕もやっぱり、感覚寄りで生きてしまっているので、触ったときに嘘っぽいものって苦手です。 皆、すっぴんが美人な素材を求め

          予算200万円台でのDIYマンションリノベ3 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          予算200万円台でのDIYマンションリノベ2 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          何やら柔らかい壁 湿気で痛んでいるのでしょうか。 バールで解体していってみます。 うぎゃ~~~~~~!!!!!!! 解体してみると衝撃の事実!一面シロアリにやられておりました! 「関東の鉄筋コンクリートのマンションでしたら、白蟻被害なんて、まずないと思いますよっ☆」以前の私ならこう話したと思います。 しかし、どう見てもこれはシロアリです。 調べてみると、収納から和室の掘りゴタツまで、徹底的にやられていました。 原因は、マンションが構造的に隣の部屋と別棟になって

          予算200万円台でのDIYマンションリノベ2 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          予算200万円台でのDIYマンションリノベ1 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          こんにちは 一級建築士の松井創斗と申します。 今回は、自宅のマンションリノベーションについての記事を書かせて頂きます。 はじめてのdiyセリフリノベ。 右も左もわからず、さまざまなトラブルや楽しい出来事を経験しました。 誰かの目に触れて何かのきっかけになれば幸いです。それではどうぞお楽しみください。 序章 10年間勤めた組織設計事務所を退職し、故郷の川口市に移ってまいりました。 集合住宅は、設計も現場監理も、一応経験してきたつもりです。 しかし、これが自分で

          予算200万円台でのDIYマンションリノベ1 シロアリの棲家から人間の棲家へ

          自己紹介

          こんにちは 松井創斗建築設計事務所の松井と申します。 組織設計事務所に10年勤めて、この度独立することになりました。 自己紹介をさせていただきます。 【幼少期】 幼いころから昆虫や魚が好きで、「どうしてこんなかたちをしているんだろう」と、延々とスケッチしたり、その場所を観察して答えを探したりする子供でした。 レストランの紙ナプキンにびっしり虫の絵を描いては、店員さんに誇らしく見せていたそうです。足のトゲとかリアルに描くタイプなので、店員さんはだいぶ笑顔は引きつっていたと

          上勝の農泊施設 6/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          山挨には、町に数少ない食堂があります。 以前から、町の人たちの大切な場所でした。小さいこどもがご飯を食べさせてもらってたり、それを地元のお年寄りが見守っていたり、今でいうい地域食堂みたいなことが自然と行われていました。 そこに、遠い国からゼロウェイストの視察に外国の方々が訪れる、不思議な空間でした。 設計者としてそういう施設を創造した、と言いたいところですが、私がこの町に来る前からそんな日常が在りました。 前オーナーのおばあちゃんが一時廃業を考えていた時に、この場所がな

          上勝の農泊施設 6/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          上勝の農泊施設5/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          空間に宿る命 今回の計画では、手に入る古着や端材の状況を十分に調べて設計したつもりでした。でも、近所の方から綺麗な帯や昔の鯉のぼりを頂いたり、新たな端材が貰えたり、想定外のことが沢山あって、結局手探りで現場を進めていいくことになりました。 もちろん、現場で変更のない設計図を作る重要さは理解しているつもりです。しかし、もらった着物や端材を捨てる勇気は無かったし、現場からでてくる楽しいアイデアはどんどん生かしていきたいと思いました。 このように進んだのは、単なる幸運ではなく

          上勝の農泊施設5/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          上勝の農泊施設 4/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          上勝杉の端材ブロック 上勝は元々林業が盛んだったこともあり、急斜面の杉の山林が広がっています。「凄い景色だなぁ」と感激する横で、地元の木こりの方が「何も採れない放置林や」と、溜息のように呟いたのが印象的でした。 もし林業が豊かに成り立っていれば美しく見える風景かもしれないし、「美」の概念なんて案外そんな単純なことで左右されるのかもしれないと感じました。 「ぜひとも地域の木材を使いたい」という話になったのですが、当然費用も上がります。陳さんからの「節がある端材では、美しい

          上勝の農泊施設 4/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          上勝の農泊施設 3/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          古着の断熱 ゼロウェイストセンターには、13種45分類に分別されてたゴミが並んでおり、興味深く拝見させていただきました。その中で、たくさんの古着が目につきました。 リユースイベントの余りが集められていて、最後は固形燃料に使用されるととのことです。限られたコストの中で、無料の素材を手に入れました!これを客室の断熱材に使用すれば、材料費はタダ。想像は膨らみ、古着断熱の建物をイメージしました。 でも、これが開けてみると、大部分がババシャツとかジャージとかで、なかなか美しくない

          上勝の農泊施設 3/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          上勝の農泊施設 2/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          椎茸ハウスの続きの物語 「お父さんが元気やったころ、ここでい~っぱい椎茸を育てとったんよぉ~。」 前オーナーのおばあちゃんが懐かしそうに語ってくれました。 元々ポリカの椎茸小屋だった施設なので、とにかく熱いし寒いです。でも、ポリカの壁をじっと観察していると、春は桜色 夏は濃いすだちの色、雪の日は真っ白といった具合で、一年でぼんやり空間全体の色が変わるのが綺麗だと思いました。 壁を頑丈にしっかり作りかえれば、温度は安定するかもしれませんが、お金もかかるし上勝の豊かな環境と

          上勝の農泊施設 2/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          上勝の農泊施設/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる

          秘境のまち 上勝 コンビニは無く、町に信号は一つだけ。 急傾斜の山々と棚田の風景は江戸時代からほぼ変わらず、まさに秘境と呼べる地域。近年脚光を浴びるようになったのはこの町のゼロウェイスト宣言、つまり、ゴミゼロ宣言によるもので、現状8割のゴミを再利用することに成功している。町はIターンの若者が集い、中村拓志氏設計のゼロウェイストセンターが出来てからは一層、世界各国からの視察が絶えない。その視察の拠点となる簡易宿泊施設の改修計画を行うこととなった。 灼熱の小屋 「…本当にこ

          上勝の農泊施設/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる