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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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2021年10月の記事一覧

半月と猫と酒

半月と猫と酒

半月が高く夜空にありまして 酒を飲みつつ猫と居ります

今日の月齢は21。
半月より心もち太く、今はまだ東の空にあります。
古典では「長月二十日」の月がよく登場しますが、
太陽暦で言えばちょうど今頃になるのかもしれません(?)
空気が澄み、月がとてもきれいな時節です。
朝になっても空に残る有明の月でもあり、
古典における男女は、
逢瀬の後、二人で眺めたり、
来ない男を待って一人ながめたり、
恋歌に

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渋谷寸感

渋谷寸感

なにとなき倦怠もある街にして道玄坂はさらさら白し 

不思議なもので
それだけで「詩」になることばがある

夕暮れとか
半月・三日月とか。
俳句の季語などは
そういう詩情を背負ったことばなのだろう。

トトロの「さんぽ」には
いっぽんばし
でこぼこじゃりみち
まがりみち
・・とかあるが、
「道」なら
そうした魅惑的な色を持つことばに
多くの人は一本道を上げるかもしれない。

・・・まっすぐな道でさ

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十三夜

十三夜

わからないことばかりありわからないまま月の野を歩き続ける

僕は月はよく見ますが
星にあまり興味がありません。
星座でわかるのはオリオン座くらい・・
カシオペア座も怪しいくらいです。

日本の古典でも
そこに登場するのは
圧倒的に月であって
星に関心を払う異国との違いを
時々おもしろく思ったりします。

明日は十三夜だそうです。

十五夜はもちろんですが、
十三夜を賞でるのは
日本人独自の感性によ

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胃の中のブルドーザーと怪獣

胃の中のブルドーザーと怪獣

戯れ歌ながら、多忙を歌ってみました。

胃の中にブルドーザーがやって来てずかずかドカドカがたごと走る
胃の中に棲みついている怪獣が火を吹く暴れるでんぐり返る

秋空を飛ぶ机

秋空を飛ぶ机

白く鳴る風鈴鈴虫せせらぎのすがしさに似て孤独といふは

眠りゐる時のみわれは宥されて秋満つる野に輝く蜻蛉

テスト監督に教室に行くと
どのクラスの黒板にも
「机は空に」
と、当たり前のように書かれていて
もちろんそれは
不正行為防止の注意なのだが、

いつも僕は一瞬、
机が空を飛んでいる光景を
ふと思い描いてしまう

秋の青空を机が飛んでいる光景・・

秋は寂しいと言われる
それは、煩雑な夏を越え

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