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※この物語はフィクションです。登場する人物、団体等は、実在のものと一切関係ありません。 …
奏がレモネードの入ったグラスをそろそろ傾け過ぎるという頃合いで、渉が声を掛けた。数度名…
ガレージの研究所には、奏専用の真新しいパソコンがある。実はこの歳にして既に二代目だ。初…
「じゃあその当たったものって何?何処に行ったの」 渉はそこなんだよなあと呟きながら腕を…
この心臓を取り付け完了すれば、鼓動が聞こえるようになる。脳の中枢部分と連動を始め、AI…
二章 「夢の欠片」 どいつもこいつも立派にマスコミ気取りじゃないか。 誰かの立ち上げ…
洗い上がった洗濯物をカゴに入れて物干し台へ向かおうとする智恵美を呼び止めて、奏は後ろへ控えている人物を紹介した。 「母さん、紹介したい人が居るんだ」 「いやねえ改まって、お友達?」 「うん」 奏の背後からぬうっと現れたいちごうは、智恵美と目線を合わせる為にやや身を屈めて右手を差し出した。 「初めまして智恵美さん、いちごうです」 「えっ」 「うわっ、い、いちごう!お母さんでしょ、お母さん」 「これは失礼しました。お母さんこんにちは、奏の友だちのいちごうです」 「こんに
「いいじゃん奏!その調子じゃん?」 フレンドリーを参考にしたつもりだった。いちごうは上…
学生たちが軒並み夏休みに突入した七月下旬、リビングで渉は大相撲中継を見ていた。一場所十…
「私の動力源だとは重々承知の上で訴えているんだけど、充電の度に辛いんだよ」 「ど、どう云…
「口開けて見せて」 いちごうはお安い御用とばかり、あ、と素直に大きな口を開けて見せる。…
「いちごう、そんなに体ごと動かなくても曲がれるんだって」 「だって体が勝手に動くんだもん…
三章 「研究所の真実」 矢留世の足取りは軽快だった。あのマンションに落ちた隕石の分析が…
「えっ、ちょっと、三河さん!まだ台詞考え中ですって」 「ぐだぐだ考えたってつまらんだろう。当たって砕けろだ」 「そんな、ここは慎重を期すべきでしょう、ああーどうしよう、砕けたらおしまいですよ!」 「砕けたやつを探してるんだよ俺たちは」 何うまい事言ってるんですかと矢留世が慌てる間に、扉の向こうで「はーい」と呼び鈴に応じる人の声が聞こえる。少年らしい若い声だった。お、子どもかも。そう思った矢留世はこれで少し緊張を解いた。相手が子どもならその方が話を聞きやすく、親が出て