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※この物語はフィクションです。登場する人物、団体等は、実在のものと一切関係ありません。 …
奏がレモネードの入ったグラスをそろそろ傾け過ぎるという頃合いで、渉が声を掛けた。数度名…
ガレージの研究所には、奏専用の真新しいパソコンがある。実はこの歳にして既に二代目だ。初…
「じゃあその当たったものって何?何処に行ったの」 渉はそこなんだよなあと呟きながら腕を…
この心臓を取り付け完了すれば、鼓動が聞こえるようになる。脳の中枢部分と連動を始め、AI…
二章 「夢の欠片」 どいつもこいつも立派にマスコミ気取りじゃないか。 誰かの立ち上げ…
「最初に見つかった隕石、確かにそれなり大きなサイズですけど、大気圏突入時、幾つかに割れてると思うんです」 「まあそうだろうな」 「それなら僕は、その散らばったと思われる欠片を探してみたいんです。出来れば地球に飛来して来た当時の形を復元してみたいです」 「大それた夢だな。だが実現はほぼ不可能に近いぞ」 「ですからこういう民間人の情報サイトも洗って、火球の目撃情報と方角、それに隕石と、隕石と思しき物体の落下地点を地図にまとめて探してみるんです」 絶妙に噛み合わなかった。三河は
洗い上がった洗濯物をカゴに入れて物干し台へ向かおうとする智恵美を呼び止めて、奏は後ろへ…
「奏、この不定期にぱたぱたと鳴る音はなんでしょうか、ほらまた鳴った」 奏は周囲に耳を澄…
「いいじゃん奏!その調子じゃん?」 フレンドリーを参考にしたつもりだった。いちごうは上…
学生たちが軒並み夏休みに突入した七月下旬、リビングで渉は大相撲中継を見ていた。一場所十…
「私の動力源だとは重々承知の上で訴えているんだけど、充電の度に辛いんだよ」 「ど、どう云…
「いちごう、そんなに体ごと動かなくても曲がれるんだって」 「だって体が勝手に動くんだもん…
否定したくとも、奏の目にもただのシリコンにはもう見えない。いちごうから提出されたデータを分析すると、確かに把握している以上の水分が体内に入り、放出されている。つまり水分が機械に触れず体外へ放出されるルートが確立されているという事だ。AIが「眠気」と呼ばれる生理現象を関知した数値は、そのまま十代の子どもと変わらないかそれ以上だ。 「ところでいちごうってさ、どうやって用を足すの?」 渉の素朴な疑問が飛び出して、奏はいちごうの性別を決めていないままであった事を思い出した。そ