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こどもの読みもの

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こどもにおすすめの本。 かつて、こどもだった大人におすすめの本。
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2021年5月の記事一覧

水晶

水晶

アーダルベルト・シュティフター 1845

物語は世間から殆ど隔絶した盆地の村から始まります。靴屋が峠向こうの町の娘を嫁にして、兄コンラートと妹ザンナが生まれました。妻の実家、特に祖母は、孫達が峠を越えてくるのを楽しみにしていて、成長した兄妹は二人だけで数時間の道のりを往復するようになりました。ただこのこともあってか、母親も兄妹も村では幾分「よそ者」として見られていました。

クリスマスの前日、両

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三銃士

アレクサンドル・デュマ 1844

貧しい田舎貴族の青年「ダルタニアン」は、同郷の銃士隊長を頼ってパリに出て、銃士隊に入ることを夢見ている。銃士隊の名物隊士「アトス」「ポルトス」「アラミス」の三銃士と些細なことで争いになり、決闘することになる。決闘を禁じる宰相「リシュリュー」の命令に従って護騎士隊が彼らを逮捕しようとするが、三銃士とダルタニアンは護騎士隊を撃退し、四人は友情を誓い合う。ダルタニアン

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若草物語

オルコット

原題「LITTLE WOMEN」1868~1869

「贈り物のないクリスマスなんて、クリスマスじゃないわ」と15歳の男の子っぽいジョーが不平を言えば、16歳の長女メグは「貧乏ってほんとにいやね!」と溜息をつく。ちょっとおませな12歳の末娘エイミーもそれの応じて「美しい物をたくさん持っている女の子がいると思えば、何にも持っていない子もいるなんて不公平だと思うわ」それに対して13歳のベ

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不思議の国のアリス

不思議の国のアリス

ルイス・キャロル 1865

少女アリスが懐中時計を持ったシロウサギの後を追いかけ、穴に落っこちて「不思議の国」で冒険をするお話。『鏡の国のアリス』とあわせてのシリーズ全二巻となります。

不思議の国の住人が語る言葉は、一見でたらめに見えても、独自の理論を持っています。ただの無秩序な幻想世界ではありません。作者ルイス・キャロルは数学者。言葉遊びを論理的に組み立てて、読者の視点をひっくり返し、驚きを

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チョコレート工場の秘密

チョコレート工場の秘密

ロアルド・ダール  1964

イギリスのある大きな街のはずれにある、今にも崩れ落ちそうな木造のボロ家。
主人公チャーリー少年の家です。
両親とそれぞれの祖父母、七人で、飢えと寒さに耐えながらの極貧生活を送っていました。
ですからチャーリーが大好きなチョコレートを食べられるのは年に一度、誕生日に一枚だけでした。
その家の近くには、ワンカ氏の世界一有名なチョコレート工場があり、夢のようなチョコレート

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