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不思議の国のアリス

ルイス・キャロル 1865

少女アリスが懐中時計を持ったシロウサギの後を追いかけ、穴に落っこちて「不思議の国」で冒険をするお話。『鏡の国のアリス』とあわせてのシリーズ全二巻となります。

不思議の国の住人が語る言葉は、一見でたらめに見えても、独自の理論を持っています。ただの無秩序な幻想世界ではありません。作者ルイス・キャロルは数学者。言葉遊びを論理的に組み立てて、読者の視点をひっくり返し、驚きを与えています。また、マザーグースの主人公を大胆かつ巧妙に登場させており、これになじみ深い読者を喜ばせたのでした。「ハートの女王」「トゥイードゥルダム・トゥイードゥルディー」「ハンプティーダンプティー」などなど。

翻訳は現在流通しているものだけでも20数種あり、装丁、挿絵、訳、など自分好みに応じていかようにも選べます。テニエル卿が描いた定番の挿絵を一応抑えたうえで、お気に入りの絵を新たに探すのも楽しいもの。また、言葉遊びの訳や原文はどのようになっているのか、と興味が湧いてきたら「アリスマニア」に近づきます。不思議の国へも行くことができるかも知れません。

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