カフェの入った3階建ての複合型福祉施設『Sorahiro Connect』がオープンします。

ソラヒロ

こんにちは。障がい児通所支援事業を中心に、地域の方々や子どもの未来の場づくりを行なっている株式会社ソラヒロです。

私たちの運営する児童発達支援・放課後等デイサービス『そらひろ』は、障がいのある未就学児童および、小学校1年生から高校3年生までを対象に受け入れています。

そんな私たちが、今年10月に成人の方を対象とした部門をスタートすることになりました。現在、カフェや就労支援サービスの入った3階建ての複合型福祉施設『Sorahiro Connect』を熊本市北区に建設中です。

今回は、『Sorahiro Connect』に込めた私たちの想いや、この場所で出来ること、建物へのこだわりなどをお話しできればと思い、専務の髙木 美奈、Sorahiro Connect統括責任者の髙木 佑佳のインタビューをお届けします。ソラヒロに興味を持ってくださった方や、福祉に興味がある方々に、ぜひ読んでいただければ嬉しいです。

髙木 美奈(たかき みな)
株式会社ソラヒロ 専務取締役/
東京お茶の水女子大学 家政学部児童学科卒業後、学校法人駿河台学園入社。株式会社グランド 代表取締役を務めたのち、株式会社ソラヒロの専務取締役に。

髙木 佑佳(たかき ゆか)
株式会社ソラヒロ Sorahiro Connect統括責任者 兼 本社広報室 室長/
イギリスの高校を卒業後、早稲田大学法学部にて民事法を選考。東京の外資系金融機関で営業を務めたのち、株式会社ソラヒロ Sorahiro Connectの統括責任者 兼 広報室長に。

成長した子どもたちの、その後の支援を

-はじめに、『Sorahiro Connect』とはどんな施設なのか、ここではどんなことができるのかを教えてください。

髙木 美奈氏(以下、高木 美):『Sorahiro Connect』は、1階にカフェ、2階に就労継続支援B型、3階に自立支援・就労移行支援が入った3階建ての複合型福祉施設です。

大まかにお話しますと、1階のカフェでは、地域の方との繋がりの場、弊社福祉施設利用者へ研修の場の提供の役割を考えています。そして2階の就労継続支援B型では、障がいのある方が働く場所を提供し、3階の自立訓練・就労移行支援では、社会に出る前の準備や就職活動のサポートをする予定です。

-『Sorahiro Connect』を作ることになった経緯について伺えますか?

高木(美):弊社はこれまでの6年間、児童発達支援・放課後等デイサービスを通して、子どもたちの支援を中心に行ってきました。その中で、保護者の方々から「子どもが卒業した後も見守ってほしい」、「社会に出ていく上でこのままで大丈夫か心配」といった声をいただき、その後の姿も見守っていきたいという思いをずっと抱えていました。

ありがたいことに、この6年の間で、ソラヒロは熊本県内で広く認知していただけるようになっています。弊社のロゴマークを見て、「あ、ソラヒロさんだ」と言っていただくこともあり、地域や保護者の方々にソラヒロの活動を見ていただいてきた実感があります。そんな中で、子どもたちが成長した先での支援や手助けを可視化できる仕組みを作りたいと思っていました。

複合型施設であれば、様々な形で今後社会に繋がっていけることを利用者の方に感じてもらえて、そしてそれをご家族の方々にも理解していただけて、地域の方々ももっと応援ができるのではないかと思ったんです。そのため、複合型福祉施設という1つの建物の中に様々な事業態を入れて、社会と繋がり合いたいと思いました。

-ソラヒロが成人部門に着手されるのは初めての試みですか?

高木(美):これまでの成人部門としては、2年前から関連会社で作っている『グループホーム』というのがあります。現在熊本に4ヶ所、福岡に2ヶ所あり、障がいのある方々がシェアハウスという形でお住まいになっています。日中はA型作業所やB型作業所、一般の企業などでお勤めされて、夕方になると帰ってこられる居住地として活用されています(※)。

(※)障害者総合支援法に基づく福祉サービス・就労継続支援にはA型とB型の二種類があります。雇用規約を結び給料をもらいながら利用するのがA型、通所して授産的な活動を行いながら利用するのがB型です。

-これまでは居住場所の提供をされていたんですね。

高木(美):はい。障がいがある方は、住む場所を探すのに苦労をされる場合があります。ご自身で生活やお金の管理ができなかったり、残念なことではありますがオーナーさんの理解があまりなかったり。そういった方々に利用していただける“住居”としての支援を行なっておりました。

ただ、ソラヒロと一緒に支援計画を立ててくださる相談員さんに「働き先での生活と、家での生活の両方を見ていけるような環境があると安心なんですよね」とよく言われていたんですね。そういった意味でも、“仕事”と“居住”の両面を支援したいとずっと思っていて、障害児通所支援事業が二期(一期6年)に入る7年目のタイミングで、通所支援事業の成人部門をスタートすることに決めました。


利用者さんの選択肢を増やすための3つの事業

-障がい者支援の会社が3階建てのビルを作るのは珍しく、大変なことじゃないかと思うのですが、それでもやろうと思った理由はありますか?

髙木 佑佳氏(以下、高木 佑):夢は大きくということで、カフェ、就労継続支援B型、自立支援・就労移行支援の3事業同時スタートを掲げたものですから、純粋にやることが多く大変ではありました(笑)。

ただ、それでもやりたいと強く思った理由はいくつかあります。まずは、利用者さんの選択肢を増やすためです。先ほどもお伝えした通り、Sorahiro Connectには3つのサービスがあります。一ヶ所に3種類のサービスがあれば、ご本人にとってもご家族にとっても選択肢が増えると思うんですね。これが例えば就労継続支援B型だけであれば、Sorahiro Connectに来てくださった方の選択肢は1つになってしまいます。選択肢の多さは、その方の未来を広げることに繋がると思うので、できるだけ間口を広くご用意したかったんです。

-なるほど。

高木(佑):それと個人的に、会社に就職することはゴールではなく、始まりだと考えています。多くの方が、5年後、10年後に自分はどうなりたいか、どんな風にキャリアを積んでいきたいかを見据えて目標を設定するかと思いますが、これはもちろん障がいのある方も同じです。1つの建物にB型作業所や自立・就労移行支援があり、最終的に一般就労で外に出ていかれる方もいるかと思いますが、そういったステップアップをサポートする手立てが整っているので、目標を立てやすい環境にあると自負しています。

- 1つの場所で、目標に向かって段々とステップアップしていけるんですね。

高木(佑):はい。それと、障がい者支援施設には、広さや設備に関するルールなど、厳しい基準が様々あるんですね。基準を満たしていながら、自分たちの希望に沿う物件が賃貸ではどうしても見つからず、だったら利用者さんもスタッフも楽しく通える場所を自分たちで作ろう、それしかないという結論に至りました。弊社のような小さな会社にとってはとても大きな決断でしたが、これからソラヒロに関わってくださる皆様にとってベストな選択がしたいと思い、全員で頑張ることにしました。


東京のクリエイターとの“ご縁”に恵まれて

-実際に進めていく中で大変なことも多かったと思いますが、実現に至ったのにはどんな理由があると思いますか?

高木(佑):私たちが口を揃えて言っているのが、本当にご縁に恵まれて、周りの方々に支えられてきた7年だったということです。ソラヒロを客観的に見たときに、最大の強みは“ご縁”だと思うんですね。自分たちの力でここまで来たと思ったことは一度もないですし、今回の複合型施設の実現も、周囲の皆様の支えがあったからこそだと切に感じています。

建築デザイナーの方や、企業理念を考えてくださった方、カフェのメニューを考案してくださった方など本当に多くの方にご尽力いただいたのですが、ほとんどは東京にいらっしゃる方々なんです。コロナ禍で辛いこともたくさんありましたが、オンラインを通して、地方の会社が東京のクリエイターの皆さんと繋がれたことは、私たちにとって大変有難いことでした。

特に、クリエイターさんや複数の企業様との取り組みを取りまとめてくださったクリエイティブチーム・ONPHAさんの存在は大きいと感じます。ONPHAさんに入っていただいたお陰で、プロジェクトに関わるメンバーが横並びで情報を連携でき、同じ想いとやりがいを持って進んで来られたと思います。

- ONPHAのディレクター・高木公美子さんはお姉さんだとか。

高木(佑):はい、実は姉妹なんです。家族だからこそ遠慮なしに意見がぶつかることもありましたが、だからこそなぜ違う意見なのか、どうしたら同じ方向を向けるのか密に話し合えたところもあります。独特ではありますが、それも今回のプロジェクトの特徴の一つですね。


目指すは“福祉事業所らしくない事業所”

- では、『Sorahiro Connect』のコンセプトについて伺えますか?

高木(佑):昨今は「マイノリティ」の存在に関心が注がれる時代になってきましたが、発達障害に対するネガティブなイメージは完全に払拭されたわけではないように感じます。弊社がいうとおこがましいかもしれませんが、そういったネガティブなイメージを払拭するため、“福祉事業所らしくない事業所”を目指しています。

実際に今、1階のカフェのアルバイトに沢山の応募をいただいているのですが、「弊社は人にも環境にも優しいカフェでありたい」とお伝えして、障がいのある方へのサポートをお願いしています。

福祉の分野は業界としてまだ閉ざされた部分があるので、もっと明るくオープンに、風通しの良いものとして捉えてもらえる世の中になればいいなと心から感じます。私たちは熊本の小さな企業ではありますが、今後もその想いを胸に発信し続けていきたいと思っています。


福祉先進国・北欧の手法を取り入れた建築

- ソラヒロさんの想いが、そのまま『Sorahiro Connect』として形になっているんですね。では、建築に関するこだわりやテーマを教えてください。

高木(佑):ビルの建築には、福祉先進国といわれる北欧のデザインを1階から3階まで採用しています。アルヴァ・アアルトという北欧の有名建築家に倣って、窓や壁、ドアなどに丸みを帯びたカーブを取り入れています。作業所だけでなく、廊下やトイレなど要所要所に遊び心を取り入れているので、「こんな建物に通えて嬉しいな」と、利用者の方にワクワクした気持ちになってもらえたら幸せです。他にも、色を沢山使って楽しい雰囲気にしていたり、窓を多く作って光をたっぷり射し込ませたり、法律や建築のルールが許す限りのこだわりを散りばめています。

1階のカフェに関して言いますと、「広い空の、木の下で」をコンセプトに掲げていて、くつろげて、かつ訪れて頂いた人たちが繋がることのできる場所を目指しています。入りやすい雰囲気にすること、そして弊社の想いと利用者さんの夢が外に繋がっていってほしいという想いを込めて、ベンチシートを建物の中から外まで一繋ぎにしています。

それと、ソラヒロのコーポレートカラーが青色なので、カフェの顔であるカウンターを青色にしています。100種類ほどある青の中から選んだ一色なのですが、外を通りがかった方に「わー、青いカウンターが目立つね」と感じてもらえたら嬉しいです。自分たちで言うのはどうかな…と思いつつ、出来上がったら熊本で一番おしゃれなカフェであり、福祉施設になると思います(笑)。

-間違いないです! カフェのメニューについても伺えますか?

高木(佑):まだ開発中ではありますが、基本的には地産地消で、できるだけ熊本、ないしは九州の食材を使えればと思っています。例えば、阿蘇の名産品の高菜や、熊本のフルーツを使ったオープンサンドなどを考えています。


一人一人の個性がただただ共存する場に

-お食事も建物も本当に楽しみです。では最後に、この場所をどんな風に利用して欲しいか教えてください。

高木(佑):弊社は障がいのある方のための福祉サービスを提供する事務所として業種の登録をしておりますが、今回『Sorahiro Connect』を建てて1階にカフェを併設したのには、障がいの有無に関係なく、『Sorahiro』という施設を利用していただきたいという想いからです。障がいのある方が助けを求めなきゃいけない、気を遣わなきゃいけない世の中の造りがやっぱりまだあると思うんですね。だけど私たちが目指しているのは、一人一人が当たり前に存在している空間です。あなたも私も、一人一人の個性を発揮しながら、ただそこに存在する空間を目指しています。

月並みな回答になってしまうかもしれませんが、小さいお子さんから高齢の方までが、障がいの有無にかかわらず存在して、地域みんなで協力し合い、思いやりを持ちながら楽しく共存できる場所になれたらいいなと思います。ぜひお楽しみに、ご期待いただければ嬉しいです。


取材・文:大下杏子

そらひろホームページ https://sorahiro.jp/
Sorahiro Connect インスタグラム https://instagram.com/sorahiro_connect?igshid=YmMyMTA2M2Y=

Sorahiro Connect
営業時間:平日 / 9:00~18:00 土・日 / 休日

SORAHIRO FIKA
営業時間:10:00~18:00 毎週水曜日 / 休日
席数:50席(個室8席:予約可能)
敷地内禁煙

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