BjörkとCocco。ふたりの歌姫が私にくれたもの。
こんなことがあって、いいんだろうか。
こんなにしあわせなことが。
大阪・神戸・東京・奈良と、
この4週間で4本ものライヴを観た。
もう、最高に贅沢すぎるでしょ!!!
こんなこと、たぶん一生に何度もあることじゃない。
もしかしたら、もう二度とないかもしれない。
私がこよなく愛する、ふたりの歌姫。
私にとって、Björkは神であり、Coccoは師だ。
そんな歌姫たちの、パターンの異なる貴重なライヴに参戦することができた。
どのライヴも甲乙つけがたい、間違いなく最高級のライヴだった。
アイスランドの歌姫・Björkは、約6年ぶりの来日公演を開催。
私にとっては、大阪城ホールで15年前に観た『Volta Japan Tour』以来のナマBjörk。
Björkの肉声と32人のオーケストラだけで構成された古典的な
『orchestral』
最新鋭のテクノロジーを駆使した壮大な総合エンターテインメント
『cornucopia』
Coccoのメジャーデビュー25周年を祝して開催された2本のライヴ。
おなじみバンドスタイルでの集大成ベスト盤ライヴ
『Cocco 25周年ベストツアー2023 〜其の2〜』
Coccoとギターとキーボードの3人編成での超プレミアムなマニア向けライヴ
『Cocco 25周年ベストツアー2023 〜其の3・アコースティック編〜』
東京ガーデンシアターでBjörkの『cornucopia』を観てから、
私はなんとなくモヤモヤしていた。
あんなにすごいライヴを目の当たりにしたのに。
とってもとってもしあわせな気分だったのに。
大阪に帰ってからしばらくは、アルバムを聴きながら、ひたすらライヴの余韻に浸りまくった。
やっぱりすごかったなぁ・・・
やっぱりBjörkって人はすごいよなぁ・・・
ますます好きになっちゃうなぁ・・・
って、胸がいっぱいだった。
なのに、なんでだろう?
まるで魂を抜かれたみたいな気分は。
別に体調が優れないわけでもないのだけれど。
なんとなく、モヤモヤが続いていた。
好きなアーティストのライヴにいっぱい行けて、
こんなに楽しいことがいっぱいなのに、
なんでやねん、って自分でも思う。
これでもじゅうぶんしあわせなのに、欲張りだなぁって思う。
人間って、ないものねだりだからね。
たしかに楽しいんだけど。
それは間違いないんだけど。
なんだろう。
このモヤモヤは、いったい何なんだろう。
「モヤモヤ」って、怒りの感情なんだってよ。
だったら、私は何に怒ってるの?
何か不満でもあるの?
やりたいことがたくさんあるのに、スムーズに進められないから?
そのせいで、やりたいことがどんどん溜まっていくのがしんどいの?
休職して10ヶ月になるけれど、まだ思うようにいかないことがあってしんどいのが嫌なの?
自問自答してみるけれど、頭のなかも、上手くまとまらない。
焦りとイライラが募っていく。
余裕をもって毎日を過ごしたいのに。
相変わらず、時間とタスクに追われている感じがするのが嫌だ。
結局、仕事をしててもしてなくても、大して変わらないのかな。
そして昨日。
『Cocco 25周年ベストツアー2023 〜其の3・アコースティック編〜』を観てきた。
ここんとこ続いていた「なんかモヤモヤした気分」。
それがバカみたいに、この日はほんまに楽しかった。
心の霧がぱーっと晴れて、一気に視界が開けたような。
そんな晴れ晴れとした気分だった。
こんな立て続けに、大好きな歌姫のステージを観ることができるなんて。
本当に私はラッキーだ。
そして、気づいた。
やっぱり私は、音楽が好き。
音楽は、私にとって、なくてはならないものなのだ。
だから、まだまだ諦めたくない。
私ももっと、レベルの高いところを目指そう。
もっと上手く歌えるようになりたい。
もっともっと声を磨かなきゃ。
「もっと音楽と向き合いたい!」
モヤモヤの原因は、たぶんこれだったのだ。
ここ数年はずっと、仕事が私の人生の時間の大半を占めていて、じゅうぶんに趣味を楽しめていなかった。
それだけ私は、仕事という名の呪縛から逃れられずにいた。
こんな働きかたをしていては、ダメだ。
私は、なんのために仕事をしているの?
私は、仕事をするのも好きだったじゃないか?
そして、好きなことを楽しむために仕事をするんじゃなかったの?
私はこれから、どんなふうに仕事をしていきたいのか。
どんな仕事をしていきたいのか。
つまり、「どう生きたい」のか。
私は心の声と向き合い、考えた。
とにかく無理しない。我慢しない。頑張りすぎない。
もう二度と、しんどいことして生きたくない。
しっかりと、めいっぱい人生を楽しみたい。
時間やお金に余裕をもって、
好きなことを好きなときに好きなだけ楽しみたい。
自分が楽しい・気持ちいい・面白いと思うことをやりたい。
贅沢な望みかもしれない。
だけどこれが、私の望み。
休職したおかげで、せっかく体調もメンタルもフラットな状態になれたんだ。だから、なんとかこれを維持していきたいんだよね。
楽しいことを、これからは最優先に考えていくんだ。
よし!
仕事のことが落ち着いてきたら、
本腰入れて本格的に再始動だ!
ヴォイトレにもまた通いたいな。今度は上級者向けでね。
ライヴもやりたい。
曲もつくりたい。
早く実現できるよう、がんばってこ、私!
BjörkとCoccoのふたりに、いっぱいパワーを注入してもらった気がする。
うん、めっちゃいい気分だ。
だからきっと、私は大丈夫。
夢のような時間は終わり。
だけど、私の夢はこの先もずっと続くんだ。
あぁ、あの日からちょうど9年が経って、
いま、こんなにしあわせを噛み締めてるなんて。
あのときの私には、想像もつかなかったよね。