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björk japan 2023 cornucopia @ 東京ガーデンシアター

とてもこの世のものとは思えないものを観た。
あぁ、ものすごいものを観てしまった。

すごい。
とにかくすごい。
すごすぎる。

そんな言葉しか出てこない。

すさまじい、とか。
とてつもない、とか。

うーん、これ以上、思いつかない!
結局、ありきたりな表現しかできない自分がもどかしい。

どんな言葉も、ビョークの前ではちっぽけすぎてかすんでしまう。
この世に存在する、どんな賞賛の言葉を並べても足りないし、追いつかない。

私はこれまで多くのアーティストの多くのライヴを観てきた。
だけど、私がこれまで観てきたなかで、間違いなく最上級のステージだった。

こんなライヴは、私の人生で、これが最初で最後かもしれない。

“cornucopia” のコンセプトとは

Lucrecia MartelとBjörkが監督し、James Merryを共同演出として迎え入れ制作された作品で、2019年春、NYのThe Shedで行われたワールドプレミア公演にてその幕を開けた。
ステージデザイナーのChiara Stephenson が生み出す環境デザインの中にメディア アーティストTobias Gremmler が創作するデジタルビジュアルデザインが映える。
NY誌はこれを「街のステージを飾る最も素晴らしい光と音の展示」と呼び、The New Yorker誌は「ファンタジーを変遷するための武器」として表現したビョークを称賛した。
Björk自身の音楽を今まで以上に深く掘り下げ追求したコーニュコピアが日本でも遂に披露される。

"björk japan 2023" 公式サイト(https://smash-jpn.com/bjork2023/)より


björk cornucopia ツアー日程

2023年3月28日(火)東京ガーデンシアター open 18:00 / start 19:00
2023年3月31日(金)東京ガーデンシアター open 18:00 / start 19:00

私が観たのは、最終日の3月31日。

“orchestral” で15年ぶりのビョークを堪能したばかりだというのに、“cornucopia” でまたビョークに逢える!
なんて贅沢な一週間!!!

“orchestral” のライヴレポもぜひぜひどうぞ♪

こちらは、私が初めて体験したビョークのライヴレポです♪ 


東京ガーデンシアターへの道

ライヴ当日の3月31日。
久しぶりに少し早起きして、ちょっと寝不足。
お昼前に新大阪から東京行きののぞみに乗る。

年度末とあってか、乗客がかなり多い。指定席が取れなくて自由席になってしまったが、なんとか座れてよかった。
14時前に品川駅に到着。山手線に乗り換えて大崎駅へ。大崎駅でりんかい線に乗り換え、国際展示場駅で降りた。

15時ごろ、予約していたホテルにチェックインし、手荷物だけ持ってごはんを食べに行く。朝から何も食べていなかったので、しっかりと腹ごしらえをしておかねばと、ココスでハンバーグを食べた。
後から思えば、この食事のしかたは失敗だった。

今回の会場「東京ガーデンシアター」がある有明ガーデンにたどり着いたのは、17時ごろ。絶望的な方向感覚を誇るこの私は、初めて行く場所だと99.9%迷う。友人にナビしてもらっておきながら、この日もやっぱり迷ってしまった。そのおかげで、貴重な時間と体力を大幅にロスしてしまった。

東京ガーデンシアターに到着したときには、グッズの先行販売が終わろうとしていた。
入口で係員にチケットを見せて、ガーデンシアター内のグッズ販売エリアへ入る。すでにいくつかのグッズが売り切れになっていた。PLUMのTシャツ、神戸でゲットしててよかった!

“cornucopia” のグッズラインナップ

他に欲しいものは特になかった。なんせお高いので…!
だけど、せっかく来たんだから現物は見ておきたい。人が少なくてゆっくりとサンプルを見れただけでも満足。

展示されていたグッズのサンプル

開場時間は18時。それまでまだ時間がある。

並んでいるわけではないのだが、会場の前でその時間を待つ。まわりにもそんなファンがちらほら。神戸ではしゃべりながら待つファンが多くてわりと賑やかな雰囲気だったけれど、東京のファンはやっぱりおとなしいのか、とっても静かだった。

ガーデンシアターはビョークだらけ

会場前のスクリーンには、“cornucopia” のグッズリストが映し出されていた。スクリーンの両横にはスピーカーが設置されていて、初夏のような心地よい風に乗ってビョークの歌声が流れてくる。とっても気持ちがよかった。

ガーデンシアター前のスクリーン

開場予定時間の15分くらい前だっただろうか。係員の誘導に従って会場入口前に整列する。予定より少し早く開場し、ふたたびガーデンシアターに足を踏み入れた。グッズ販売に並ぶファンの列を背に、お手洗いを済ませ席へと向かう。

私の席は、2FアリーナAブロックの前方。
神戸のときと同じく若干左寄りだけどステージ近くて見やすい!
今回もめちゃくちゃいい席!!!

公演中の撮影はもちろん禁止なんだけれど、開演前後の撮影はOKだった。神戸ではそれすら係員に制止されたけれど。
さすが東京は余裕があるねぇ。ガーデンシアター、いい会場だねぇ!

幕には『fossora』のアートワークが!

というわけで。
私も撮りまくりましたよ、もちろん!

幕が開く前のステージの近くまで行って、この後ビョークが立つであろうセンターステージまでしっかり観察。
マイクスタンドの足元にはセットリストが貼ってあった。

センターステージのマイクスタンド足元にセットリストが!

会場には、アルバム『Utopia』でサンプリングされている鳥のさえずりなどのサウンドスケープがずっと流れていた。


“cornucopia” 開幕!

「お年を召した」なんて生意気ヌカして、すみませんでしたぁっっっ!!!

あと2年半で還暦だなんてとてもとても思えない、衰えを知らない生命力に満ち満ちた、パワフルでタフなビョークがそこに、たしかに存在していた。

私のよく知ってるビョークが・・・
私の大好きなビョークが・・・

この日のビョークは、とにかくめっちゃビョークだった!

ステージはかなり高いところに設置してあって、段差のついていないアリーナ席でも、背の高い人が前に座っていても、どの角度からでもビョークが見える。視界を邪魔するものは何もない。

めっちゃいいやん、ガーデンシアター!
“cornucopia” の公演に選ばれたのも頷けるわ。

インスタにアップされてた写真ではわかりにくいけれど、ビョーク様はかなりの厚底の黒い靴を履いていらっしゃった。
私にはやっぱり、163cmもあるようには見えないんだけどなぁ。。

“orchestral” でも思ったけど。
マイクの持ちかたが、ちょっと特徴あってめっちゃカッコイイ!
親指と小指をマイクの下にして、あとの3本でマイクを持ってる。
私も今度、真似してみよっかなっ♪

リズムの取りかたもカッコイイんだよなぁ!
右足で、ズンズンと力強く足踏みするスタイルが。
“orchestral” はしっとりしてたけれど、この日はアグレッシブなビョークがいっぱい観られて、お得感満載だったな。

ビョークはいつも、「こんな表現のしかたがあるんだ!」「歌って、こんなに自由に歌っていいんだ!」って、いろんなことを私に教えてくれる。
私にとって、まさに神のような存在なんだよね。


この日の衣裳は、“orchestral” で観た衣裳とは対照的な黒。
たくさんの黒い薔薇にビョークがつつまれているように見えた。
白く縁取られたその黒薔薇がとても綺麗で、ステージに映えてキラキラ眩しくて。あまりに眩くて、目を開けていられなくなるほどだった。

ビョークの声がホールじゅうに響き渡って。
私の頭が、ビョークでいっぱいになってあふれだして。

あまりに心地がよすぎた。
おかげで、ときどき意識がとんでしまった。

夢なのか現実なのかもよくわからなくて。
終わってからもまだ、ふわふわしてた。

それくらい、夢うつつだった。

ここは、楽園か?
あぁそうか……そうだ。

これがまさに “ユートピア” なんだ!


この日のセットリスト

コーラス隊によるPrelude
01. Family【from Vulnicura】
02. The Gate【from Utopia】
03. Utopia【from Utopia】
04. Arisen My Senses【from Utopia】
05. Ovule【from Fossora】
06. Atopos【from Fossora】
07. Show Me Forgibeness【from Medúlla】
08. Isobel【from Post】
09. Blissing Me【from Utopia】
10. Arpegggio(フルートソロ)【from Utopia Bonus Track】
11. Body Memory【from Utopia】
12. Hidden Place【from Vespertine】
13. Mouth’s Cradle【from Medúlla】
14. Features Creatures【from Utopia】
15. Courtship【from Utopia】
16. Pagan Poetry【from Vespertine】
17. Losss【from Utopia】
18. Sue Me【from Utopia】
19. Tabula Rasa【from Utopia】

Encore:
20. Future Forever【from Utopia】
21. Notget【from Vulnicura】

björk japan 2023 cornucopia セットリスト

映画のようでもあり、演劇のようでもあり、ミュージカルのようでもあり、、、
ありとあらゆる芸術の要素を融合した、それはもう壮大なエンターテインメントだった。

ステージ後方のスクリーンには楽曲にあわせて様々な映像作品が映し出される。両サイドのスクリーンにも、歌っているビョークはもちろん、プレイヤーたちの姿やメッセージなどが映し出されていた。

情報量が多すぎて頭パンクしそうなんですけど!!!
もう、いったいどこを見ればいいの???

これは、自分の持てる視界の限界との闘いだ。
全身全霊でビョークの世界をただただ受け止めるしかない。


“orchestral” でも演ってくれた『Isobel』は、キーが下がってたのがやっぱり気になった。

歌い出しは原曲キーだったのに、サビから急にキーが下がった。
明らかに演奏と合ってなくて、不協和音みたいになってたけど。

あれってわざとなのかな?
いや、あれって完全ミスってたよね??

あのビョーク様でもミスるんだ???
だったらめっちゃ貴重なテイクやん、これって。

そして、この日いちばん震えたのは『Pagan Poetry』
この曲、めっちゃ聴きたかったの!!!

美しいハープのイントロ。
美しいコーラス。
身体じゅうにズンズン響いてくるリズム。
昇天しそうなほど美しい、ラストの高音のシャウト。

魂が震える音楽とは、まさしくこういうものだと思う。

アカペラで「I love him...」と大サビを歌い始めて、ハープの響きが印象的なあの美しいイントロが流れる。
その瞬間、歓声と拍手がうわぁっと沸き起こる。
今回のセットリストで、ファンのリアクションが最も強かった曲だった。

Aメロからサビに飛んで、次の曲『Losss』へと流れてゆく。
ショートヴァーションで、あっという間だった『Pagan Poetry』
もっと聴いてたかったな…。

『Tabula Rasa』を披露した後に、このステージで初めて発した言葉。
「ドウモ、アリガト!」

会場が大きな拍手につつまれる。
ビョークはステージ奥へと消え、幕が下りた。

スウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥーンベリ氏からのメッセージがスクリーンに映し出される。
ちなみに彼女は、私と同じアスペルガー。だからなんやねん(笑)

メッセージが終わると、ふたたび幕が開き、私たちの目の前にビョークが出現。
さっきまでの真っ黒衣裳から一変、なんだか得体の知れない半透明の物体に包まれていた。うーん、これも言葉で表すのがむずかしいな。トゲトゲのあるタマゴのなかにいるような感じ???

アンコールの1曲目『Future Forever』を神々しく歌い上げ、
「ドウモ、アリガト!」

英語でのMCで、私たちファンへ感謝の言葉をくれた。メンバー紹介の後、
「ドウモアリガト! and we have one more song!」
ラストソングは “orchestral” でも聴いた『Notget』

「Thanks for tonight!」

そう言い残して、歌いながら姫は帰っていった。

私はたしかに、この地上にユートピアを見た。
あれはやっぱり、夢だったのかな。


興奮、冷めやらぬ

終演は21時前。
“orchestral” は80分くらいであっという間に終わってしまったけれど、今回の“cornucopia” は1時間50分くらいのステージだった。

有明ガーデンのフードコートは23時まで営業していた。
ライヴが終わってからでも、ゆっくり食事ができる。しかもチケットを提示すると割引や特典が受けられて、お得に食事ができるらしい。

そんじゃ、フードコートへ行きますか。

しかし、想像のとおりやはりかなり混んでいた。さっきビョークを観ていた人たちの多数がここへ流れてきているのかな。

私は「自由が丘 蔭山樓」の行列に並んだ。
このお店、めっちゃ人気あるみたいで、たぶんこのフードコートでいちばん長い行列ができていたと思う。ほかに食べたいものも特になかったので仕方なく、普段は並ばない関西人の私もおとなしく並んで待った。

鶏白湯塩そば(味玉あり)を食した。
チケットの特典で、烏龍茶が無料でついてきた。
待った甲斐あって、なかなかの美味であった。

半分ほど食べたところでレモン果汁をかけると味変を楽しめる

有明ガーデン内ではこの日、ずっとビョークが流れていた。

やっぱし、この声には耳を奪われるなぁ。
もし私がビョークのファンじゃなかったとしても、これを聴いたらやっぱりファンになるだろうなぁ。

なんてことをあらためて思いながら、ライヴの余韻に浸っていた。

ありがとう、有明ガーデン!


お家へ帰るまでがライヴです!

翌日、8時半に起きて身支度をする。
宿泊したホテルに設置してある「ど冷えもん」という名の自販機で売っていた塩味の牛タン丼を食べてから、11時前にチェックアウト。

シンボルプロムナード公園 花の広場

ホテル前にある花の広場をお散歩して、東京ビッグサイトをふらふらと覗きに行く。いつか何かのイベントで来るかもしれないけど、もしかしたら二度と機会が訪れないかもしれない。この際、せっかくだから見ておこうと思った。
もちろん、チケットがないのでイベント会場へは入れないが、それでもじゅうぶん雰囲気を味わうことができた。

目の前に聳え立つは東京ビッグサイト

12時頃、東京ビッグサイト駅からゆりかもめに乗車。15年ぶりくらいのゆりかもめ。久しぶりに乗れるのを楽しみにしていた。

台場駅で降りて、お台場海浜公園をぶらぶらとお散歩。
ここには、15年ほど前に来たことがある。
そのときに見た自由の女神像と再会。私は女神とふたたび写真を撮りまくった。

女神と、桜と、フジテレビと

桜もキレイに咲いていた。
風に揺られてひらひらと散っていくピンクの花びらが水色に晴れた空に映えて、とても美しかった。
外国人観光客も多く、楽しそうに桜をバックに写真撮影する姿が印象的だった。

海の近くまで歩いて、レインボーブリッジや東京タワーを眺める。
見たかったスカイツリーも見えた。薄暗かったけれど。今回は断念したけど、次は見に行くぞ。

自由の女神像のほど近くにあるAQUA CITYのなかをちょっとだけ覗いて、フジテレビへと向かう。ここも15年ほど前に来たところだ。

前回訪れたときにはかなり堪能したが、今回は時間の余裕がないので1階をひととおり見るだけにした。
青い犬やめざましくん、サザエさんなどのおなじみキャラのオブジェがたくさんある。15年前と同じように記念写真を撮りまくる私。

15年ぶりのお台場をひとりで楽しみ、再びゆりかもめに乗って新橋駅へと向かう。新橋駅でJRに乗り換えて品川駅へ。
お手洗いを済ませ、売店でたまごサンドを買って、のぞみに乗り込んだ。

またね、東京!

新大阪へ到着したのは18時。
家に帰り着いたのは19時前だった。

無事に帰還!
めちゃくちゃ楽しかったけれど、めちゃくちゃ疲れた。

つい数時間前にはお台場にいて、初夏のような東京の陽射しや風の心地よさを体じゅうに感じながらのんびりと時間を過ごしていたのに。
夕方にはもう大阪にいるなんて、なんか夢をみてるみたい。

ビョークのライヴも夢うつつやったし、ほんまふわふわしてるわ。
夢のような2日間だったなぁ…

頭のなかは、ビョークの声とビョークの歌う姿でいっぱい。
しばらくは、ビョーク漬けになりそうだな。

次はいつ逢えるかなぁ。。。
ビョークを聴きながら、早くもその日を心待ちにしている。


東京へライヴを観るために出かけるのは、今回が初めてだった。
思えば、仕事以外で東京に行くのって、今回が初めてだ。
仕事や家族のこと以外で新幹線に乗っておでかけするのも、人生初。

帰ってからそれに気づいた。
ただ自分が楽しむことだけを目的におでかけするのって、なんて楽しいんだろう!
そんなことに、初めて気づいたのだった。

この年齢になって、人生初めてのことでいっぱい。
いいリハビリにもなったし。
よし、これから、もっともっと楽しいことができるようにがんばろ!


全力でライヴを楽しむための5ヶ条

次回は、時間もお金も余裕をもって、ちゃんと楽しみたい。
以下は、今回の反省を教訓とし次回に活かすための備忘録である。
自分のために書き残しておくけれど、もしかしたら誰かの役にも立つかもしれない。そうなってくれたらうれしい。

・前日の晩ごはんは軽めにしておくこと
 →少しでも多く睡眠時間を確保するため、準備や片づけに時間をかけないようにする!

・ライヴ当日はがっつり食べないこと
 →お腹がいっぱいになると眠くなりがち。炭水化物には特に気をつけたい。少し空腹なくらいがちょうどいいが、食べるなら食後にコーヒーなどのカフェインを摂っておくといいかも。ただし、カフェインには利尿作用があるので摂り過ぎ注意!

・睡眠時間はやっぱり大事! 疲れをしっかりとっておくこと
 →寝不足なんてもってのほか。しっかり楽しむために8時間は寝ておきたい。

・道順はよくわからなくても自力で調べて頭には入れておくこと
 →ナビに頼りすぎない。事前にある程度知ってるだけで安心できるし余裕もできる。無駄に迷うとそれだけ疲れる。大事なライヴ前に余計なエネルギーを消費しないよう心がける。

・東京にライヴを観に行くときは前泊しよう!!!
 →移動は思いのほか疲れるもの。楽しむことを最優先するために無理のないスケジュールで動く。移動にかかるお金や時間を無駄にしないために。


以上、「björk japan 2023 cornucopia@東京ガーデンシアター」のライヴレポ、ソラノカナタがお送りいたしました☆
あのすごさが、少しでも伝わればうれしいです!

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