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8月26日に寄せて。
366日、毎日が誰かの誕生日だ。それでも、そのうちの幾日かが自分にとって特別なのは、自分自身がその幾日かに紐づけられた幾人かに強い思い入れを抱いているからに他ならない。
たとえば。幼いころから、「その日」に誰かからの祝福の声をかけてもらってきた自分に。
たとえば。私からの祝福を、ときにはどこか照れたような、ときにははじけるような笑顔で受け取ってくれる身近なあなたに。
たとえば。顔も声も知らな
夜の町にて とある女性の場合
長い夜を歩いている。
履きなれたスニーカーでアスファルトを踏みしめ、一歩ずつ進んでいく。どれだけ時間が経ったかもわからない。ただ、歩いていく。かすかな月明かりを受けた周囲の家々はどこまでも他人行儀で、のっぺりとした壁はこちらに背を向けている。空気はじとりと生臭く、一息ごとに私の肺を濡らしていた。きぃんと響く静寂が無防備な身体に侵入して胃の中でうごめいて吐き気を誘う。最低な気分だ。
コスモス・ユニットバス
こんにちは。もしかするとはじめまして。いかがお過ごしでしょうか。
私が外出をしなくなってからもうふた月ほどが経ちました。いえ、正確なところはどうもわかりません。実際、私の持っているこのスマートフォンが示している日時が正しいという証拠はどこにもないのですから。ここでの暮らしもなかなか悪くはありません。だけれどもやっぱり外の人間と話すことも重要なのだそうです。それで、届くかどうかもわ
自己中心的な私と自己犠牲の人(だった)私と深夜の独り言。
(注:これは2020年3月に書いた下書きの掘り起こしです。ここからまた自分も変わったな、と思いつつ。変わるまで外に出せなかったとも言う。by2023年の私)
私は自己中心的な人間だ。
とはいえ、別に身勝手に人を振り回して周囲から疎まれる、とか、そんな行動をしているつもりはないし、それなりに社会生活も送れていると思う。多分。
ただ、すごく不安になる。
自分が心の内側の内側のそのまた