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大学中退 我が子を見守る生活を「修行」と表現した親


これまでとはまったく異なる若者のための準備をしておけ

日本で「若者を支援する」ことが当たり前でなかった40年以上前から、若者に居場所と出番を作り続けてきたひとのところへ伺いました。僕なりに「今後の若者支援」について思考し、打ち手を考えてはいますが、やはり20年くらいの経験では見えないところが過分にあります。

そんなときは、自分よりとても若いひとたちや、ずっと長く現場を見てきたひとに話を聞くというのは、自分の物差しをチューニングするのに、大変ありがたい話を聞くことができます。

1時間くらいというお約束も、いつの間にか3時間ほど話し込んだところで、その方は言いました。

「新型コロナウィルスの影響がどこにどうでるのかはまったくわからない。ただ、これまで現場に来た若者たちとはまったく異なる若者が来るはず。準備しておかなければいけないよ。」

友だちもできず、大学生活のエピソード0で中退

新型コロナウィルスにより学校は一斉休校、高校の卒業式も実施されないまま、入学した大学はすべてオンライン。

スクリーン越しの映像で授業を聴き、メモを取り、必死にレポートを提出した2年間、わからないことを聴くこともでいないまま、3年生に進級。

友だちもいないなか、キャンパスが開放されました。しかも、就職活動が唐突に迫り、情報交換もままなりません。自己PRの作成指導を受けたものの、学生生活のエピソードは0のまま、就活も大学生活も続けられず、口から出た言葉は「辞めたい」「消えたい」でした。

親後さんも、追い込まれた我が子を前に、自分も周囲もサポートする手立てがありません。子どもは「大学を中退したら普通に会社に入ることすらできない」と、心を閉ざしました。

親だけは子どもの味方にならなければと、ポジティブな声かけを続けてきましたが、大学中退の事実と罪悪感、その葛藤に苦しんだ子どもとの関係は悪化の一途を辿り、断絶したところで、その親御さんと私たちは出会いました。

我が子を見守る「修行」

自己肯定感が低下し、自尊心すら失いかけた子どものことを聞き、私たちはあえて「ネガティブな感情」に寄り添うことを依頼、家のなかで子どもが安心して休める環境作りを提案しました。

子どもをはれもの扱いせず、家族の一員として「おはよう」「出かけてくるね」と、当たり前の挨拶を続ける。反応がなくても無視をされても、焦らずに続ける親は、我が子を見守る生活を「修行」と表現しました。

※各家庭の状況を把握しながら、対応方針を一緒に検討していますので、本事例における方法論であることをご理解ください

すると、ある日、子どもから少しづつ反応が戻ってくるようになります。挨拶が交わされ、リビングなど同じ空間で過ごすようになります。自宅が子どもにとって居てもよい場所となり、家族との会話は否定されることのない安心なものになったと言います。

傍から見れば、子どもが自宅からあまり出ることができず、一緒にリビングで過ごせるようになったことは、大きな変化とは捉えられないかもしれません。

しかし、その親御さんは興奮気味に、私たちに報告をしてくれました。

「最近、ウチの子が笑うんですよ」

育て上げネット
理事長 工藤 啓

#もう一人で抱えない  ー子育て応援ウィーク(冬講座)ー

認定NPO法人育て上げネット 子どもの将来相談窓口「結(ゆい)」では、12月19日から12月23日までの5日間、毎晩20時より、オンラインで視聴可能なイベントを開催いたします。

すべて無料でご視聴いただけます。下記のテーマからひとつでも、ふたつでも関心がありましたら、ぜひご視聴ください。配信中にご質問も可能です。

お申し込みはコチラから

[プログラム紹介]

■中退・休学したときの対処法
12月19日(月)20:00-21:00
学校との縁が切れてしまうと、社会との接点が薄くなって「ひきこもり」状態に陥ってしまうケースが多くあります。
親として子どもに何ができるか、その対処について基本的なことをお伝えします。
(担当講師:蟇田・塚田)

■急に始まった!反抗/罵声/無視
12月20日(火)20:00-21:00
思春期の子どもの言葉の強さはわかっていても心にくる・・・
少しでもあなたの心を平穏に保つために、子どもとの向き合い方を考えましょう。
(担当講師:森本、蟇田)

■困ったときのSOSの出し方、頼れる相談先の探し方
12月21日(水)20:00-21:00
もうひとりで抱えるのはやめましょう。あなたの相談を待っている人がいます。
困りごとに応じてあなたに合うサポートをお伝えします。
(担当講師:森、塚田)

■もしあなたが明日いなくなったら…
12月22日(木)20:00-21:00
「親なき後の生活が心配なんです」そんな相談があとを絶ちません
家族のため、準備しておいて損はない「あなたのこと」を考えてみましょう。
(担当講師:森、蟇田)

■親がラクになれば子もラクになる
12月23日(金)20:00-21:00
「私だけ楽しんでいいんでしょうか」と聞かれたら「ぜひ楽しみましょう」と答えます。
親子の関係性、現代の若者心理から、良い形の家族関係を考えましょう。
(担当講師:森本、森)

●子どもの将来相談窓口「結(ゆい」●
認定NPO法人育て上げネット運営する家族相談プログラムです。
「子どものことを相談したいのに、どこにいっても”本人を連れてきて”と言われて断われるんです」
そんな家族の方の声をきき、本人がいなくても始められる支援を始めました。
欧米で生まれた家族療法「システムズ・アプローチ」の手法を用いて、家族の関わり方を変えることで本人の意欲に働きかけます。

東京を中心に首都圏の方を対象にした対面での相談支援のほか、パソコンやスマートフォンからできるオンライン相談・ワークショップ、各地の出張講座を行っています。初回相談は無料、まずはお問い合わせください。

ホームページ:https://yui.sodateage.net/
最新の情報はLINEでお届けしています:https://lin.ee/7JdngvB

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