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20240216「森の大きな木の下で」

森の大きな木の下では
それぞれの仕事をして
各々がその役目を受けている
誰が言ったわけではないのに
せっせと転がし
せっせと編んで
ふくよかな根の間で
すれ違ったり
交わしたり
どれもが同様に
同じ陣地の別の目的で
営まれている
じっとしてたり
鳴いていたり
ここにいるよって示したり
そっとしておいてよって動かない
その大きな木は怒らないから
いつものように
そこに在る

それでもそれも
少しずつ大きくなったり
傷つけられたり
大風や雪の重さも
暑い夏でも
汲み上げる水分を
放散して
空へと返す
慈しみとは
どんな感じなのか
誰も教えてくれないのに
ただ立っているわけでもないのに
林から森へ
森から山へ
平地へ下り
薙ぎ倒され
わたしたちの住処となって
同じように暮らしている
木々の声を聞く

小さな傘として
集落として
群れを為す
方々を探し歩き
疲れたら家に帰り
眠りに着く
呼吸して
また樹木の濾過で
新しい空気で息をする
目覚めたらまた何処かへ赴き
それぞれの仕事を働いて
誰かの恩恵を与えている
虫たちの鳥たちの
獣たちの人間たちの
微生物の草木たちの
風たちの雲たちの
暑さ寒さの循環で
繋がる森の大きな家
誰もがそこに住んでいる

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