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20240625「百万界」

漫ろを待ち
何となくを浚い
盥に浮かべた
小舟の造形
波を送り
音ちゃぷり
大波抱え
くるくる回る
そして小さな水面を焦がし
湿度の高い季節に過ごす
今日も稽古
明日もきっとそうだろう
いつものようにと思いつつ
どれもが微細に違っている
熟す過程を更に感覚と思考で
秒を数えている

形木を当てて
ぴたりと合わせ
その曲面をなだらかにさせつつ
際立つ角度を鮮明にさせる
わたしの意識は別の所で
縫合させつつ分離の滑空
飛べない身体のどこかで
辻褄を合わせ
物見の滑らかさと
凹凸の出来事を侭に下ろす
着地の佇みではそうでもいいが
更に離れてみると
不具合はわたしの方に傾き
各々の問いに応えきれないままに
ひと幅を見やる
姿形をたおやかにして

百万界の満遍を繰り返し
差異の概念を灯し
揺れる影を随に落とす
壊れつつ生成して
明らかになるまで
それらを撫でる
風姿を象り
実態の憧れをも
足し引きして
心持ちの底をかつんと知らせる
然様なら響きかつ当然
それでいて輪郭の奥行きを晒し
にべない水溜りを再度覗く
漣の強弱を焼べ
衝突の練磨を砕けさせる
時に花びらを視界に入れる

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