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20231107「ことばの器」

具に見れば
その時々に
その所々に
あるものが在る
どうしようもない
わたしの眼差しと
あなたのそれが交差すれば
見出されるそれらを
わたしたちは何と呼び
どういう意味を与えるのだろう
与えられた側からすれば
大きなお世話かもしれないが
何ものかをそのままには
できないようだから
仮にその形容を当てて
気に入らないのなら
捨ててもいい
さんざめく周りの事象をもって
時に彷徨わせる

拾ったそれを
ころころ転がし
転戦の発動を促し
たわいも無い言い訳を繕い
前線は更に押し戻されつつ
押し返す波間の汀
引かれつつある思惑の浮揚をもって
陽炎の反対側で
冬支度しておく
どう転がってもおかしくは無い
言い間違いや思い違い
どう捉えたっていいけれど
せめて虚実の揺れ幅を多く取って
その象嵌の枠を抽象しては
どこまでも深く震戦を浮かび上がらせる
高坏へのお供え
形を分解して
言葉を駆使して
大きな枠を捉える

細々したものまで与えて
その代わりに奪う存在
違う形容でさえ
誤読の連続で
複製される齟齬を経て
緩んだ間合いを更に延べ
隙間での逃走と収奪への罠
あるいはさざめく怒号の風
いい与えられたそれを交換したら
そのものの意味さえ価値を変更するだろう
手渡したそれと
手渡されたそれが
あなたとして与えられているのなら
わたしはもうてんで
降りながら上がる準備をして
骰子を振る
双六の領域を参照して
その道中で何かを見出す
次はあなたの番だと催促されるだろう

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